成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

トランプ大統領復活が現実的な話に…。トランプ政権が誕生したら米国経済、米国株はどうなる? 投資家はどう行動するのがいいのか?

2023年12月20日公開(2023年12月20日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

トランプ氏が再び大統領に返り咲くことがかなり現実的なものとなってきた

 米大統領選は、バイデン大統領が大統領選への出馬を取りやめなければ、トランプ氏が再び大統領に返り咲くことがかなり現実的なものとなってきました。

 バイデン大統領が出馬しないという決定を下すには時間がなくなりつつあります。バイデン大統領がトランプ氏に負けると、トランプ氏は司法組織を使って、バイデン氏などの政敵を攻めるのはほぼ確実ですので、バイデン大統領は難しい決断をしなければいけないと思います。

 さらにもしも、バイデン大統領が出馬をとりやめなくて、トランプ氏に負けるとすると、彼は「トランプ氏に大統領の座を渡した人」としてしか人々の記憶に残らず、それがバイデン氏のレガシーになってしまうと思います。それは彼にとって少し重いことでしょう。

ホワイトハウス 公式サイトホワイトハウス 公式サイト

現在の世論調査はバイデン氏に不利な結果が出ている

 米大統領選、現在の世論調査結果はどのような感じになっているのか、いくつか並べてみました。

●2023年12月14日~18日
・ブルフィンチグループ(ペンシルベニア)…バイデン 45% / トランプ 45%
・ブルフィンチグループ(アリゾナ)…バイデン 40% / トランプ 50%

●2023年12月17日
・モーニングコンサルト…バイデン 42% / トランプ 44%

●2023年12月13日~14日
・ハーバード大学アメリカ政治研究センター…バイデン 35% / トランプ 43%

 上記の結果の中で、ペンシルベニアとアリゾナは共和党・民主党の支持率が拮抗し、大統領選のたびに結果が変わる「スイング・ステート」ですから、特に重要です。

 ニューヨーク・タイムズの世論調査では、59%の有権者がトランプ氏に経済を任せることができると考えていました。一方、バイデン大統領はわずか37%です。経済運営は大統領選を一番左右する重要な要素です。

 以上のように、バイデン大統領の世論調査の数字は悪いですが、まったく希望がないとも言いづらいので、選挙戦から脱落しない判断をすることも「あり」だとは思います。そう考えると、トランプ氏がまた大統領になることは結構確実に近いことだと言えるでしょう。

トランプ氏 公式サイトトランプ氏 公式サイト

トランプ政権誕生の可能性が高いとなると、米国株へ投資している投資家はどう考えるべきか?

 このような状況の中、米国株へ投資している投資家はどう考えるべきでしょうか?

 メディアはトランプ大統領が再び誕生すると大きな問題だというストーリーを打ち出してくるでしょうが、投資家にとっては実はそうでもないと思います。

 トランプ政権になれば、経済に関しては、中長期的にいいかどうかは別として、基本的にはプラスです。なので、前回トランプ大統領誕生となった時、株式市場は大きく上昇しました。それは減税したからです。

 今回、減税すると、インフレをまた亢進させる可能性がありますが、AI開発が進めば、それがデフレ圧力になるので、必ずしも減税でインフレになるとは言えないでしょう。

 結論を言うと、私は政治的にはインディペンデント(独立、政党なし)の方ですが、投資家の観点だけから見ると、トランプ政権は経済について必ずマイナス影響が出るわけでもないです。プラスの可能性も十分あります。AIの発展、石油などの採掘活性化、減税、移民制約、関税増加などの組み合わせはプラスとマイナスが交差しています。プラスになる可能性もなくはないです。

トランプ政権になった場合の主なリスクは経済ではなく、アメリカ以外での地政学的リスクの高まりとアメリカ国内の政治問題

 では、トランプ政権になった場合の主なリスクはどこにあるのでしょうか? それはアメリカ以外での地政学的リスクの高まりとアメリカ国内の政治問題にあります。

 トランプ政権になると、韓国、日本、台湾、ウクライナ、欧州のNATOは負け組に入ります。安全保障上の問題が出てくる可能性がなくはないでしょう。

[参考記事]
アメリカの問題が波及して世界が危なくなる時に、一番安全なのはアメリカ! シャットダウンや利上げなどの短期的なリスクは、むしろチャンスになる

 トランプ氏が一番本腰を入れているポイントは移民、中絶、銃の権利、差別、民主主義、カルチャー戦争(反Woke※)などです。これらのことは投資家にとってすぐに問題になるものでもないです。

(※編集部注:「Woke(ウオーク)」とは人種やジェンダーなどの差別に高い問題意識を持つことを意味するアメリカの俗語であり、「反Woke」とは、自分の価値観を他者に押しつけているなどとWokeを批判することを指す)

 関税を上げることはトランプ氏の1つの目玉政策ですが、これは優先順位から言うとそこまで高くないと感じています。なので、トランプ政権が誕生した場合、それが米国株にすぐマイナスの影響を及ぼすかというと、そこは未知数だと思います。

 結論は2つです。

(1)投資家はアメリカ国内の政治、特に米大統領選によって、投資戦略を変えるべきではないと思います。

(2)アメリカの政治が不安定になると、逆にアメリカの方が世界から見ると、より安全な投資先になります。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。


ダイヤモンド・ザイ 2025年2月号好評発売中!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

「株」全予測
人気株500激辛診断
優待年末年始

2月号12月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[「株」全予測/人気株500激辛診断]
◎新春特別企画
2024年に儲けた株&損した株も大公開!
桐谷さんのゆく年くる年

2025年も全力優待ライフ
◎第1特集
2年目NISAの必勝法!
112人のプロに聞いた!
2025年「株」全予測&儲け方

●日経平均は5万円へ!日本株の高値・安値予測
●生成AIブームも半導体は苦戦!
上がる株・下がる株
●国内利上げで銀行・金融が有望!
上がる業種&テーマ
●中央銀行の買いが継続!金(ゴールド)
●トランプ政権下でも下落傾向!原油
●ドル円は年後半に140円台に!為替
●オルカンの次に買う1本も!投資信託

◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
<2025新春>人気の株500+
Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ!
買いに躍進!》トヨタ自動車、ホンダ…など
強気に転換!》ソニーグループ…など
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
通期で上ブレ期待/AI関連で恩恵他
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
PBRが低く改善に期待の株/アナリストが強気な株/配当利回りが高い株
●2025年新春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

【別冊付録】
増益割安株は1178銘柄
上場全3916社の最新理論株価

◎第3特集
トランプ政権下でどうなる!?
人気の米国株150診断
●S&P500指数をプロが大予測

●Big8を定点観測!GAFAM+αを分析!
●買いのオススメ株
トランプ株/高配当株
●人気の124銘柄を徹底診断
ナスダック/ニューヨーク証券取引所

◎第4特集
ザイクラブ拡大版!2024年はどうだった?
ザイ読者の悲喜こもごも&2025年の投資戦略
ザイ編集部員のプチ反省&自慢大会も!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.29兒玉遥さん
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報