インド株型投資信託は軟調な相場にもかかわらず再び資金流入へ! 新規設定の中小型株型やインデックス型が買われている【投資信託の最前線】
インド株市場は2025年年初から小型株を中心に下落傾向
8本の新設定投資信託もあり資金流出入はプラスに
2025年1月のインド株式市場は、軟調な動きとなりました。インド株の主要インデックスであるNifty50指数(大型株)は月間で0.6%の下落に。また、Nifty Midcap150指数(中型株)は6.1%の下落、Nifty Smallcap250指数(小型株)は10.7%の下落と、より時価総額の小さい企業の株式が大きなマイナスを記録しています。2月に入っても、小型株を中心に売られやすい展開は継続しているようです。
一方で、1月のインド株投資信託は、+237億円と3カ月ぶりの資金流入に転じました(モーニングスター・ダイレクトのデータによる)。じつはその前の2024年11月、12月はおよそ2年ぶりに資金流出に転じていました。2024年8月の株式相場の乱高下あたりから、古くから設定されているインド株投資信託を中心に利益確定売りが続いたことなどが要因です。しかし、2024年12月と1月に8本の新しいインド株投資信託が設定されました。こうした新しい投資信託を中心に、年初からインド株投資信託を購入する動きも見られ、資金流入に転じたのです。
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インデックス型には相場下落時に自発的な買いも
変動の大きい中小型株型は積み立て投資でリスク抑制を
新しく設定された投資信託のタイプを見ると、中小型株を投資対象としたものやテーマ型のアクティブ型や、インデックス型新規設定が目立っています。実際、1月のタイプ別の資金流出入では、中小型株に+160億円、インデックス型に+100億円の資金流入がありました。つまり、1月にインド株相場が調整する中で、個人投資家の中小型企業の成長を期待した資金が向かうとともに、インデックス型には自発的な押し目買いが入ったものと考えられます。
ただし、1月のインド株相場に見るように、やはり中小型株は成長期待が高い半面、変動の大きさが特徴の1つとなっています。インド株市場への注目が高まる中で、より高い成長が期待される中小型株やテーマ型といった新たな切り口のインド株投資信託の選択肢が増えていますが、こうした変動の大きさを抑制することが重要です。
足元で設定された新しい投資信託は、新NISAにおいては「つみたて投資枠」ではなく、「成長投資枠」のみで購入できるのが一般的。しかし、「成長投資枠」であっても積み立て投資を活用するなど、買付のタイミングを分散するといった工夫が必要と言えそうです。
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1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
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