インド株投資信託は多様化の段階へ! 低コストのインデックス投資信託が増えテック系のテーマ型なども続々設定へ!【投資信託の最前線】
インド株型投資信託が初めて日本で設定されてから20年が経過
上昇トレンド継続で根強い人気が定着
インド株型投資信託の存在感が高まり、単一国の株式投資信託として米国、日本に次いでインド株投資信託が3位の残高となっている、というのは前回までの連載で紹介したとおりです。今回は、インド株型投資信託の人気の定着と、投資先について解説します。
新興国株投資として人気が集中しているインド株ですが、その魅力の背景にあるのは、勤労世代が多い人口動態や、国としての発展段階を背景としたさらなる高成長への期待です。2004年9月に初めて日本でインド株型投資信託が誕生してから20年が経過していますが、当時からその成長ストーリーは大きく変わっていません。インド株は、2008年の金融危機などグローバル市場の影響を受けながらも相場の上昇トレンドは続いており、投資信託の人気は根強いものとなっています。直近の11月はインド株型投資信託への利益確定売りなどから26カ月ぶりの資金流出に転じはしましたが、その人気に陰りは見えないようです。
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インド株型投資信託の新規設定本数が増え
2022年~2024年の3年間で19本
インド株型投資信託の新規設定本数は、2022年が3本、2023年が5本、2024年が12本(予定含む)と、個人投資家のインド株投資の選択肢が広がっています。2024年12月にはテーマ型のインド株型投資信託が2本、中小型株のインド株型投資信託が2本、大型株を投資対象とするインデックス投資信託1本と、計5本の新ファンドの設定が予定されているのです。
次のグラフはインド株型投資信託の資金流出入を、投資信託のタイプ別に集計したものです。
インデックス型の投資信託の登場にくわえ
中小型株型やテーマ型など選択肢が広がる
2022年までは、インド株への投資と言えばインド株市場全体を投資対象とする、アクティブ型の投資信託が一般的でした。それが、2022年以降の資金流入では、それ以外のインド株型投資信託へ幅広く資金が向かっています。
注目すべき点は2つあります。1つめは相対的にコストの低いインデックス投資信託が設定されたことで、個人投資家にとっては選択肢が広がりました。
2つめに、投資対象が「市場全体」以外に向いていたことも見て取れます。まず、時価総額のより小さい「中型株」や「小型株」へと投資対象が広がったことが確認できます。また、インドの内需拡大に注目した消費やインフラといった「テーマ型」のインド株型投資信託にも高水準の資金流入が見られました。2024年12月にはイノベーションやテクノロジー関連のテーマ型投資信託も設定される予定です。
インド株型投資信託の選択肢が増えたことで、投資家の様々なニーズに応えることが可能に。個人投資家の資産構成におけるインド株型投資信託の活用の幅も広がっていくことが期待されます。
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1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
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