全世界株式など人気集中のインデックス型投資信託をインド株型などのアクティブ型投資信託で補完する動きも!【投資信託の最前線】

全世界株式など人気集中のインデックス型投資信託をインド株型などのアクティブ型投資信託で補完する動きも!【投資信託の最前線】

2025年1月25日公開
藤原延介
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

外国株式型のうち3分の2以上をインデックス型が占める
インデックス型は米国株とグローバル株でほぼ二分!

 投資信託市場は、2024年に過去最高の資金流入額(+15.4兆円)を記録しました。中でも外国株式型への資金流入額が+12.7兆円と個人マネーの人気が集中した…、というのは、本連載の第12回「投資信託市場は2024年、過去最高の流入額 NISAの浸透や円安・株高が後押しに!」でも、指摘したとおりです。今回は、その資金流入の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 まずは外国株式型のうち、インデックス型にしぼって、その投資対象を見てみましょう。

 グラフ(1)を見ると、外国株式型投資信託のうち、インデックス型への資金流入額は年間で+8.8兆円と全体の3分の2を上回っていることがわかります。さらに、その投資対象の地域を見ると、米国株が+4.5兆円、グローバル株(編集部注1)が+4.1兆円となっており、この2つが大部分を占めていることが分かります。つまり、2024年の資金流入額の増加については、そのかなりの部分は米国株とグローバル株に投資するインデックス型への資金流入が占めていることになります。

(編集部注1)…複数国に幅広く投資するタイプ。主に全世界株型、先進国株型。

 新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠の双方の恩恵を受けて、こうした商品に資金が集中したものと考えられます。
【※関連記事はこちら!】
投資信託市場は2024年、過去最高の流入額 NISAの浸透や円安・株高が後押しに!【投資信託の最前線】[第12回]

ザイアナリストの2人がやさしく、わかりやすく、徹底解説!ダイヤモンドZAiのオンライン講座「株の学校」

アクティブ型では米国株の次に買われたのはインド株
分散にはインデックス型、アクティブ型の両方の活用を

続いて、アクティブ型投資信託に目を向けてみましょう。

 アクティブ型の2024年の資金流入の上位2本(編集部注2)は米国株とグローバル株の投資信託でした。投資対象としてはインデックス型の上位2本(編集部注3)と同じになりました。ただし、アクティブ型は、上位2本とも毎月分配型投資信託で、新NISAの対象ではありません。この点は、新NISA以前から見られたニーズが根強いものであったと考えられます。

(編集部注2)…アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月分配型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型、世界のベスト[インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月分配型)]

(編集部注3)…eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

 では、グラフ(2)で、アクティブの外国株式型の投資対象地域の内訳を見てみましょう。年間で+3.9兆円の資金流入のうち、米国株とグローバル株で+2.9兆円とかなりの部分を占めています。ただし、米国株の次に資金流入が見られたのは+1.1兆円を集めたインド株でした。

 インデックス型への高水準の資金流入に見られるように、米国やグローバルの幅広い銘柄を投資対象とした外国株式型の投資信託をポートフォリオのコア部分に据える傾向が強まっています。一方で、アクティブ型に求められているのは、インド株のようなコア部分に足りない成長エンジンや、代表的なインデックスと値動きが異なり分散効果が見込まれる投資戦略ということ。

 2025年は、分散を考える上でも、インデックス型、アクティブ型の両方をうまく活用したポートフォリオの強化が一層注目されるでしょう。

【※関連記事はこちら!】
「オルカンとは何なのか」をマンガで解説! 新NISAで話題沸騰の「全世界株型(オール・カントリー)」投資信託は、低コストで分散投資ができる優れもの!

藤原延介藤原延介(ふじわら・のぶゆき)
1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
関連記事
業界20年超のプロが斬り込む!投資信託の最前線の記事一覧
ザイアナリストの2人がやさしく、わかりやすく、徹底解説!ダイヤモンドZAiのオンライン講座「株の学校」
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強株主優待
人気投信をズバ斬り!
最新iDeCo入門

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強株主優待/投信格付]
◎巻頭特集
人気20銘柄の売買診断も!
最新決算でわかった2025年の大本命株28

●トランプ追い風株
●来期も好業績株
●好調の中小型株株
●配当を増額修正した株

◎第1特集
優待の達人25人が選んだ!
合計利回り30%超も!
最強株主優待ベスト150

桐谷さんの愛してやまない推し優待株
「優待+配当利回り」「最低投資額」2大ランキング
●多種多様なお店が並ぶ!外食
●押しグルメを探そう!食品
●家計の救世主!日用品
●いろんな買物に使える!百貨店・家電量販店
●化粧品や洋服でキレイに!美容・アパレル
●心躍る体験を!エンタメ・レジャー
●欲しいものが選べる!カタログ
●自由度が高い!金券・ポイント
●優待新設・廃止の最新ニュース
●優待弁護士が指南!優待株の失敗しない選び方
●女性優待ブロガー3人の座談会

◎第2特集
★★★の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!
2年目NISAで買うべきは?
投信格付242【2025年春版】

2年目NISAの投信の選び方!
●コストの引下げアリ!インデックス型
●市場環境の変化が影響!アクティブ型
●株式比率の高い投信が好調!バランス型
●最高利回りは36%超!毎月分配型100

◎第3特集
手数料比較はもう古い!
大手ネット証券7社を徹底比較!
NISAで最強の証券会社セレクトガイド

基本サービスの充実度
ポイントのオトク度
●資産管理のしやすさ

【別冊付録】
今スグ始める?やめとくべき?
改正ポイントがわかる!最新iDeCo入門

iDeCoの何がスゴイ?
●受取のルールをマスター
●運用商品は何がオススメ?
●出口戦略こそ考えどころ
●手数料と買える投信で金融機関を選べ!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆おカネの本音!VOL.32
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報