株と投資信託の「投資姿勢」は真逆!? 投資信託は順張り、株式は逆張りで買う傾向が顕著!【投資信託の最前線】

株と投資信託の「投資姿勢」は真逆!? 投資信託は順張り、株式は逆張りで買う傾向が顕著!【投資信託の最前線】

2024年10月26日公開(2024年10月28日更新)
藤原延介
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相場が好調で投資信託が買われている時に
上場株式は利益確定で売る人が多い!

 前回の連載では、6月末時点の家計金融資産(個人資産)の残高が初めて2200兆円を突破したことを取り上げました。その中で「投資信託や株式といったリスク資産が個人資産の残高拡大をけん引している」ことを解説しました。一方で、投資信託や上場株式の残高が急増しているのは、株高や円安・外貨高による値上がりも大きな要因です。

 そこで、今回は、実際に個人投資家の資金(個人マネー)の向かい先をもう少し細かく見てみたいと思います。足元の物価高(インフレ)によって期待される主なリスク資産として、投資信託、上場株式、海外株や海外債券、外貨預金の4つの金融商品の資金フローを見ていきます。
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 では、グラフを見てみましょう。

 まず、改めてここ数年は投資信託(棒グラフの緑色部分)に資金が集中していることが確認できます。直近の1年間(2023年7月~2024年6月)では10兆円に迫る勢いです。過去に遡って、投資信託に継続して高水準の資金流入が見られるのは、金融市場が好調だったリーマンショック前の2005~2007年、アベノミクスに沸いた2013~2015年、そしてコロナ危機後の2021~2024年です。

 これは、投資信託には株高や円安・外貨高の時期に個人マネーが向かう傾向がある、ということです。つまり個人投資家は、投資信託を順張り(株価など、価格が上昇しているときに買い、下落しているときに売るという投資手法)で買う傾向が見て取れます。

 逆に上場株式(棒グラフの紺色の部分)に関してはどうでしょうか。株価が大きく調整した2022年に資金流入となっている一方で、2023年以降は資金流出となっています。つまり株式に対しては逆張り(株価が上昇しているときに売り、下落しているときに買う)の傾向があるということです。これは、緑色(投資信託)と紺色(上場株式)のバーチャートが、逆の動きになっているケースが多いことからも確認できるでしょう。

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投資信託で短期の値上がりを狙う人も!
どんな用途向きの投資信託か確認して選ぼう

 もっとも、投資信託の中でも、日経平均に連動するインデックス投資信託などは、株式と同様に逆張りの傾向があります。つまり、株価が下がると資金流入が見られ、逆に株価が大きく上がると利益確定売りが広がるといった特徴が見られます。そう考えると、投資信託の保有者の中にも、投資初心者や長期投資を考える投資家ばかりではなく、短期的な値幅取りを狙う投資家も混在しているということになります。

 つまり、投資信託もさまざまな投資の仕方ができるということ。初心者は積立投資がオススメですが、それ以外で投資信託を選ぶ際には、どういった投資家がどういった目的で保有している商品なのか、改めて確認してみると良いかもしれません。

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藤原延介藤原延介(ふじわら・のぶゆき)
1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
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