・衆院選で与党が過半数割れも、日経平均は大幅反発!
・今日は10月の株主優待変更を点検。株式分割で優待が取得しやすくなったのは…
・今週は米雇用統計や決算、日銀会合も
【1】今日の株式相場早わかり!
大幅反発、衆院選で与党過半数割れも織り込み済み
日経平均株価は大幅反発! 25日の米国市場ではNYダウが5日続落する一方、ナスダック総合指数は続伸し、取引時間中の最高値を更新した。集団食中毒に揺れるマクドナルドのほか、銀行株などに売りが出たが、決算への期待から大型ハイテク株が買われた。一方、日本では27日投開票の衆院選で与党が過半数割れとなり、政治の不安定化が懸念されて、週明けの日経平均株価は続落スタート。ただ、先週の下落で与党の過半数割れはある程度織り込まれていた上、一時1ドル=153円台後半まで円安が進んだこともあり、日経平均株価は一転して3万8740.17円(+826.25円)まで上昇する場面があった。25日の決算発表銘柄では中外製薬が急伸し、ファナックも堅調。一方で信越化学工業は軟調だった。
日本株はひとまず反発したが、やはり今後の政権運営をめぐる不透明感は意識されているようだ。また、今週は米国で重要な経済指標や主要ハイテク企業の決算が発表され、日本でも決算発表が増えるため、コラムコーナーで予定を確認しておこう。
【日経平均】38605.53円↑↑(+691.61円)
【グロース250】609.88↑↑(+20.58)
【NYダウ】42114.40ドル↓(-259.96ドル、25日)
【ナスダック】18518.606↑(+103.120、25日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
U-NEXTなどが株式分割で優待取得しやすく!
今日は10月に発表された株主優待の変更を確認しよう。株式公開買付け(TOB)実施に伴う優待廃止も見られるが、全体としてはやはり新設・拡充が多い印象だ。株主の裾野拡大を狙い優待を活用する動きはまだまだ続きそうだ。
コンテンツ配信サービスのU-NEXT HOLDINGSは11月末を基準日として1→3株の分割を、また気象情報のウェザーニューズは同じく11月末基準で1→2株の分割を実施。しかし、分割後も基準となる株数や提供内容などの優待制度に変更はないため、より少ない投資額で取得可能になるのがうれしい。U-NEXTは競合の「Paravi」を統合したり、8月より「サッカーパック」の提供を開始したりと、取り扱い作品・ジャンルの拡充で人気が高まっている。10日の決算発表後は株価が下落しているが、長期的には業績拡大とともに上昇基調が続いており、2025年8月期も増収増益見通しだ。ウェザーニューズは株式の売出しを実施したことで荒い値動きとなったが、やはり業績は堅調に推移している。
荏原製作所は優待を新設。東京都港区にある美術館の招待券ということで使い手を選びそうだが、半導体やエネルギー・水素などの分野で活躍が期待されるため、長期投資しつつ優待を楽しむのもよさそう。サーラコーポレーションやクリエイト・レストランツ・ホールディングスの優待拡充もチェックしておきたい。
一方、サムティホールディングスはアジア系ファンドによるTOBで上場廃止の予定となり、TOB成立を条件に優待を廃止する。これまで対象ホテルを順次拡充し、人気優待の一角だっただけに残念だが、株主はTOBで得られた利益をもとに他の優待株を購入してみるのも一案だ。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■U-NEXT HOLDINGS株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
政局不透明感つづく、米雇用統計や米大手IT決算に注目
先週の日経平均株価は-1067.83円(-2.74%)。衆議院選挙で自民党と公明党の与党は過半数議席の確保が微妙な状況と報じられたことから、政局不透明感を嫌気した売りが広がった。また、米長期金利の上昇も株式市場の重荷となった。
来週に米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、上値の重い展開が続くだろう。観測報道の通り、衆議院選挙で与党は過半数割れ。野党第1党も過半数を獲得できておらず、首相指名選挙を経て政権の枠組みがはっきりとするまでは不透明感がくすぶる。報道を受けて売りに回っていた海外短期筋が、選挙後に買い戻し、週明けの日本株は反発しているが、戻りは短期的だろう。中長期目線の投資家はまだ様子見で、今後の政局動向次第では、じわじわと売ってきそうで注意したい。
米国では10月雇用統計に注目。予想以上に底堅い経済に加え、大統領選でのトランプ氏勝利後の財政悪化懸念を背景に長期金利が上昇している。今回の雇用統計はハリケーンの影響で前回から軟化する予想だが、結果が予想を大きく上回れば一段と金利が上昇し、株式相場の重荷になるだろう。マイクロソフトなどの大手IT企業の決算も注目。生成AIへの巨額の設備投資が収益に結びついている兆候が見られないと、株価の下落を余儀なくされそうだ。
国内でも主要企業の7~9月期決算が相次ぐが、これまでのところ業績上方修正や自社株買いなどの期待された材料の発表は少ない。先行き不透明感がくすぶる中、相場を押し上げるほどの好決算は期待しにくいか。週後半は日銀の金融政策決定会合もある。植田総裁は円安一服を受けて金融政策の判断について時間的な余裕があるとしていたが、足元では再び円相場の下落に拍車がかかっている。タカ派的なけん制発言が出る可能性には注意しておきたい。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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