・ハイテク株高で日経平均は反発!米大統領選は接戦で結果判明に時間を要しそう...
・好決算&上方修正&配当増額の住友電気工業やサンリオを精査!
・コラムは「eMAXIS Slim」の新顔を解説
【1】今日の株式
相場早わかり!ハイテク株に買い、米大統領選は接戦
日経平均株価は3日ぶり反発! 国内連休中の米国市場ではNYダウが1日に288ドル高、4日は257ドル安だった。アマゾン・ドット・コムなどのハイテク企業の決算が予想を上回ったことや、10月雇用統計で雇用者数の伸びが予想を下回ったことによる利下げ期待が株高に寄与した。一方、大統領選前の持ち高調整の売りが重荷になった。連休明けの日経平均株価は上昇して始まると一時は上げ幅を500円超に広げ、終盤まで堅調に推移した。先週末に1000円超も下げていただけに自律反発狙いの買いが優勢だったようだ。
ディスコやイビデンなどのハイテク株が買われた一方、電気・ガスや医薬品などのディフェンシブな銘柄は軟調だった。取引終了後に発表された任天堂の決算は、2025年3月期上期(4~9月)の営業利益が前年同期比56.6%減と市場予想並みだった一方、通期の営業利益予想を下方修正し市場予想を下回る水準となった。米大統領選は、一部の賭けサイトでは事前予想よりもトランプ前大統領の勝利確率が低下し、接戦となっている。日本時間6日午前8時から順次開票されるようだが、結果判明まで時間を要する可能性が高そうだ。
なお、今日から取引時間が30分延長されている。詳細については10月30日号を参照してほしい。
【日経平均】38474.90円↑↑(+421.23円)
【グロース250】618.13↓(-1.83)
【NYダウ】41794.60ドル↓(-257.59ドル、4日)
【ナスダック】18179.984↓(-59.933、4日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
好決算や上方修正、配当増額が多い
今週は米国で大統領選や連邦公開市場委員会(FOMC)があり、株式市場の振れ幅が大きくなりそうだ。ただ、株価は最終的には業績に収れんしていくため、外部要因で下げる場面があれば、好決算銘柄の押し目買いチャンスになり得る。今日も引き続き主要企業の7~9月期決算を精査していこう。
住友電気工業の2025年3月期上期(4~9月)決算は会社計画および市場予想を超過。通期計画は上方修正され、市場予想を上回っている。また配当予想も増額修正された。一方、通期計画の上方修正幅は上期の上振れ分未満で保守的な印象が強い。生成AIや電力需要の拡大によってデータセンター向け光デバイスや電力ケーブルが好調。懸念された自動車セグメントも堅調で、全体的に内容が悪くないため、さらなる上方修正に期待したい。
サンリオの上期営業利益は8月に上方修正した計画を30%近く上回り、市場予想も上回った。通期計画は8月の上方修正後の水準からさらに10%引き上げ410億円、中期経営計画で掲げる2027年3月期「400億円以上」を上回っている。配当予想も増額修正した。ライセンス事業が引き続き好調で、ハローキティだけに依存しない複数キャラクターによる展開が国内外で奏功。期待されている北米でも好調で好印象だ。
オルガノの上期営業利益7月の上方修正後の計画を20%上回り、市場予想も超過。通期計画は2度目の上方修正で、配当予想も大幅に増額した。半導体の微細化や節水対策を背景に製造工程における高純度超純水や回収リサイクルへの需要が高まっているようだ。野村ホールディングスは個人・法人向けがともに好調。最近は会社に関するネガティブな報道が続いているが、7~9月期のROE11.6%に対してPBRは0.7倍台と割安。今回は見送られたが、自社株買いへの期待も続く。
■住友電気工業株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
「オルカン」と比較! eMAXIS Slimのニューフェイス登場
10月25日、「eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>」が新規設定された。既存の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は、投資先から日本が除かれている。これに日本を加えたものが、今回設定の投資信託となる。ちなみに、日本を含まないのは他の一般的な先進国型(「MSCI コクサイ・インデックス」に連動するもの)も同様だ。では、「含む日本」と「除く日本」、先進国株型と全世界株型(オルカン)では、成績はどう違うのか。
「eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>」はまだ運用実績がないので、連動する指数の上昇率で比較してみよう。なお4本ともNISAのつみたて投資枠と成長投資枠の対象。信託報酬は、先進国株型の2本が0.09889%、全世界株型の2本が0.05775%だ。
上の表を見てのとおり、全世界株型よりも先進国株型、日本を含むものよりも含まないもののほうが、好成績。これは、投資先の地域で新興国と日本の上昇率が相対的に低いため。別の言い方をすると、米国の比率が高いほど、好成績となっている。過去の実績から見れば、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を買うのが最も有利といえる。ただし、市場環境による。新興国株や日本株が大きく上昇したときは、それらを含むタイプが有利となる。どれを選ぶかは、投資家の考え方次第だ。
「先進国株式(含む日本)」を選ぶとすれば、たとえば“世界に分散投資したいが、リスクの高い新興国は外したい”という場合、あるいは“新興国はインド株の投資信託を買い、そのうえで他の地域に分散投資したい”といった場合になるだろう。もっとも、各タイプの成績の差はそれほど大きなものではない。迷うようなら、“なるべく広く分散する”という投資の基本に則って「全世界株式(オール・カントリー)」を買うのが無難だ。
河野拓郎
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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