株式レポート

(朝)米国市場は続伸 ダウとS&P500は史上最高値更新 日本市場はトランプ氏の関税発言が重荷となるか - 市況概況

11月27日 7時51分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,860.31  △123.74 (11/26)
NASDAQ: 19,174.30  △119.46 (11/26)

1.概況

米国市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。ダウ平均は、121ドル安で取引をスタートした後、そのまま下落し一時309ドルまで下げ幅を広げました。トランプ次期大統領が25日に中国、カナダ、メキシコに対する関税強化の方針を示したことで、一部の製造業の業績懸念から売りが先行しました。

一方で、11月の米消費者信頼感指数が市場予想を上回って前月から上昇したことや、財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏に対する期待も根強く、午後にかけては上昇に転じ堅調な推移となりました。引けにかけても上昇していき、結局123ドル高の44,860ドルで取引を終え、3日連続で史上最高値を更新しました。

また、S&P500株価指数も34ポイント高の6,021ポイントと7日続伸し、史上最高値を更新しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も119ポイント高の19,174ポイントで取引を終え、4日続伸しています。

2.経済指標等

11月の消費者信頼感指数は111.7を記録し、市場予想の111.9をわずかに下回ったものの前月からは上昇し、約1年ぶりの高水準となりました。9月のS&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)は前年比+4.57%と、市場予想の+4.70%と前回結果の+5.21%を下回りました。また、10月の米新築住宅販売件数は前月比17.3%減の61万戸と、市場予想の72万戸を大きく下回りました。11月のリッチモンド連銀製造業指数は-14.0と前月から横ばいで、市場予想の-11.0を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。公益事業が1%以上上昇したほか、一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、情報技術などが1%近く上昇しています。一方で、素材とエネルギーが1%未満の下げとなりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中21銘柄が上昇となりました。アマゾン・ドットコム[AMZN]が3%超上昇したほか、マイクロソフト[MSFT]やウォルマート[WMT]、スリーエム[MMM]が2%超上昇しました。また、シスコシステムズ[CSCO]やシェブロン[CVX]、セールスフォース[CRM]、アイビーエム[IBM]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が1%以上上昇しています。一方で、9銘柄が下げ、アムジェン[AMGN]が4%超下落したほか、ナイキ[NKE]が2%超下落、そのほかボーイング[BA]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、ウォルト・ディズニー[DIS]などが下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイデン政権がメディケアとメディケイド下で肥満薬の適用範囲拡大を提案したことを受け、イーライリリー[LLY]が4.6%上昇となりました。また、電力小売会社のエヌアールジー・エナジー[NRG]は、アナリストによる投資判断と目標株価の引き上げを受けて、10.1%上昇しました。一方で、トランプ大統領の関税計画に関する発言を受け、フォード・モーター[F]が2.6%下落、ゼネラルモーターズ[GM] が9.0%下落となりました。また、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ[ZM]は、市場予想を上回る好決算を公表するも第4四半期の見通しが予想範囲内となり、物足りないとの見方から6.3%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い4.30%となりました。ドル円は、153円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国高が追い風となる一方で、トランプ次期大統領の関税発言や円高進行を受け、日経平均先物は夜間取引で下落しています。そうしたなか、日経平均は節目の38,000円を維持できるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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