「ペロブスカイト太陽電池」関連銘柄を紹介！ 次世代太陽電池として｢低価格＋軽量＋原材料の調達が容易｣などメリット多数で、日本の“脱炭素化”の切り札に！

次世代の再生エネルギー発電として期待される
「ペロブスカイト太陽電池」が、情報番組で取り上げられる

　日本テレビ系列で毎週日曜に放送している情報番組「シューイチ」で、6月11日に「ペロブスカイト太陽電池」が紹介されました。次世代の太陽電池として期待が寄せられている「ペロブスカイト太陽電池」は、2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力（みやさか・つとむ）特任教授が発表した日本発の技術で、番組ではMCの中山秀征さんが宮坂教授を取材し、実際に製造体験も行っていました。

　ペロブスカイト太陽電池は、「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造を持つ化合物をフィルムなどに塗布や印刷することで、太陽光を電気に変換します。ちなみに「シューイチ」では、インクジェットプリンターで材料を印刷していました。

「ペロブスカイト太陽電池」は従来のシリコン系太陽電池と比べ、
低コストなうえ、厚さが100分の1で重量も10分の1に！

　ペロブスカイト太陽電池の特徴のひとつは低コストであること。現在主流となっているシリコン系太陽電池と違って、材料を塗布や印刷することでつくれるため、製造コストの低減が期待できます。

　また、軽量化ができるのもペロブスカイト太陽電池のメリットです。シリコン系太陽電池に使われるシリコンウエハは薄く割れやすいことから、通常、ガラスに貼り付けてポリマーシートで挟む構造になっており、ある程度の厚さと重さが必要でした。一方、ペロブスカイト太陽電池は、曲げや歪みに強く、シリコン系太陽電池に比べて厚さは100分の1、重さは10分の1程度に抑えられます。そのため、これまで重量の問題から太陽電池が設置できなかったビルの壁面や建物の屋上、さらに曲面の屋根や壁などにも設置が可能。平地が少なく、太陽光発電に適した土地が少ない日本において、設置場所を飛躍的に増やすことができます。

　さらに、ペロブスカイト太陽電池は、原材料の調達が比較的容易なのもポイントです。ペロブスカイト太陽電池の結晶構造の材料となるヨウ素は生産地が極めて限られていますが、日本はチリに次ぐ世界第2位の主要産出国です。日本の国土の地下にはヨウ素を豊富に含んだ地下水があり、そこからヨウ素を取り出すことで原料を国内で調達できます。

　そこで今回は、次世代の再生可能エネルギーとして成長が期待できる「ペロブスカイト太陽電池」に関連に着目しました。銘柄としては、「ペロブスカイト太陽電池」の開発や素材などを手掛けている企業を選定しました。

【積水化学工業（4204）】
フィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」の実証実験を実施

　積水化学工業（4204）は2023年4月、NTTデータ（9613）と共同で、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置する国内初の実証実験を開始しました。また、国内最大の発電事業者であるJERAと共同で、同じく2023年4月にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための実証実験を開始。さらに、2022年12月からは、東京都とフィルム型ペロブスカイト太陽電池に関する共同研究を行っています。株価は、25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、2021年3月につけた高値2243円が射程に入ってきました。

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【ホシデン（6804）】
既存設備の活用で「ペロブスカイト太陽電池」の製造原価を抑える

　ホシデン（6804）は、2021年4月からペロブスカイト太陽電池の事業に参入。液晶ディスプレイで使う透明電極基材を活用することで製造原価を削減しており、2024年までに韓国やベトナムのフィルム型タッチパネル生産工場での量産開始を目指しています。株価は、切り上がる52週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが継続。このまま2017年11月につけた高値2041円を捉えてくるようだと、次は2008年6月の高値2470円が意識されそうです。

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【伊勢化学工業（4107）】
世界の約15％のヨウ素を製造する業界大手

　伊勢化学工業（4107）は、ペロブスカイト型太陽電池の主要原料となるヨウ素の製造大手です。供給先は世界20カ国におよび、全世界で約15％の生産量シェアを占めています。株価は強い上昇トレンドが続くなか、直近で2007年5月の高値9985円（株式併合修正済）を突破して1990年以来の1万円台を回復しており、高値更新からの一段高が意識されます。

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【K&Oエナジーグループ（1663）】
第二の事業であるヨウ素製造で、世界シェアの約5％を獲得

　K&Oエナジーグループ（1663）は、天然ガス事業に次ぐ第二の事業として、天然ガス採取の際に汲み上げられる地下水からヨウ素を製造。現在の年間生産量は約1600トンで、世界のヨウ素シェアの約5％を占めています。事業パートナーである豊田通商（8015）と共同でヨウ素事業に関する国内外のアライアンスを強化するなど、世界的な「ヨウ素メジャー」を目指しています。株価は、4月24日につけた2539円をピークに足元で調整を見せていますが、切り上がる52週移動平均線に沿った中長期的な上昇トレンドは継続しており、リバウンド狙いのスタンスとなります。

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【サムコ（6387）】
「ペロブスカイト太陽電池」向けのALD装置を手掛ける

　サムコ（6387）は、化合物半導体を中心としたオプトエレクトロニクスや高周波デバイス、電子部品分野を中心に手掛けています。2021年5月には、ペロブスカイト太陽電池向けのALD（原子層堆積）装置を京都大学に納入しています。株価は、切り上がる13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、直近で過去最高値を更新。短期的には過熱感が警戒されやすいことから、押し目狙いのスタンスになります。

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【星光PMC（4963）】
「銀ナノワイヤ」を太陽電池の電極として活用

　星光PMC（4963）は、2020年10月に設立された「フィルム太陽電池研究コンソーシアム」に参画しています。また、自社開発した太さが25nm（ナノメートル・10億分の1メートル）しかない「銀ナノワイヤ」は、導電性と光透過性の高さに加え、折り曲げに強いという特徴を持っており、ペロブスカイト太陽電池の電極としての活用が期待されます。株価は、狭いレンジでの推移を継続していますが、足元で13週・26週・52週移動平均線が下値支持線として意識されており、ボトム圏からの上放れが期待されます。

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　以上、今回は次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」関連の銘柄を発掘しました。

　ペロブスカイト太陽電池の本格的な普及には、まだ克服しなければいけない問題点が残っていますが、研究開発や実証を重ねていくことで、今後の実用化が見込まれます。ペロブスカイト太陽電池が実用化され、一般住宅への導入も進む頃には、電気料金が大幅に低下することも期待できるかもしれません。
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