【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,148.56 ▼99.27 (12/11)
NASDAQ: 20,034.89 △347.65 (12/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。寄付き前に公表された米CPI(消費者物価指数)は、市場予想通りの結果となり、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利下げ観測を高める結果となりました。利下げ観測の高まりを受けハイテク株を中心に買いが集まるなか、ダウ平均は52ドル高で取引を開始し、上げ幅は一時128ドル高となりました。
一方、業界の規制強化への懸念からユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]などのヘルスケア関連株が下落しダウ平均の重しとなったことで、取引は終日一進一退の動きとなりました。引けにかけてはやや売りが優勢となり、結局ダウ平均は99ドル安の44,148ドルで取引を終え、小幅安ながら5日続落となりました。
一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は終日堅調に推移し、347ポイント高の20,034ポイントで取引を終え、3日ぶりに反発して史上初めて2万ポイントを突破しました。また、S&P500株価指数も49ポイント高の6,084ポイントで取引を終え、こちらも3日ぶりに反発しました。
2.経済指標等
11月の米CPIは前年同月比2.7%上昇と、市場予想通り前月から0.1%上昇しました。変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比3.3%上昇と市場予想通り前回から横ばいとなりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上げ、特にコミュニケーション・サービスが3%以上の上昇を記録したほか、一般消費財・サービスが2%以上上昇、情報技術が1%以上上昇となりました。一方で、6業種が下げ、特にヘルスケアが1%以上の下落となりました。そのほか、生活必需品や公益事業、素材などが1%未満の下げとなりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇となり、なかでも、エヌビディア[NVDA]が3%超上昇したほか、ナイキ[NKE]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が2%超上昇、セールスフォース[CRM]やマイクロソフト[MSFT]、ゴールドマン・サックス[GS]、ボーイング[BA]が1%超上昇しました。一方で、16銘柄が下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が5%超下落したほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やマクドナルド[MCD]、メルク[MRK]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が1%超下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が5.9%高で6連騰となりました。そのほか、マイクロストラテジー[MSTR]が9%以上上昇、アルファベット[GOOGL]が5%以上上昇、メタ・プラットフォームズ[META]やパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が2%以上上昇しています。一方で、百貨店のメーシーズ[M]は、延期していた四半期決算を公表し、通期ガイダンスでEPS(1株当たり利益)の見通しを下方修正したことが嫌気され、一時12%以上下落となりましたが、終値ベースでは0.8%安となりました。また、ナスダック上場廃止の懸念が続くスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は、5.6%下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い4.27%となりました。ドル円は、円安方向に進展し152円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米CPIを無難に通過し、ナスダック総合株価指数が初の2万ポイントに到達するなど米ハイテク株高を受け、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、終値ベースでの4万円台回復に向けて買いの勢いを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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