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・日経平均は反発! 全面高の米株を横目に軟調も、植田日銀総裁の講演を消化後、円安・株高に
・2024年大躍進株、中小型株の値上がり率ランキング!
・投資の疑問は「なぜ自分の持ち株だけ上がらない?」
【1】今日の株式相場早わかり!
サンタラリー期待の米株を横目に日本株は上値重い
日経平均株価は反発! 24日の米国市場はクリスマスの前日の関係で短縮取引だったが主要株価指数はそろって上昇し、「サンタクロース・ラリー」への期待が高まっている。セクターを問わず全体的に買われ、特に半導体株や大型テック銘柄のほか、銀行株の上昇が目立った。米株高を受けて今日の日経平均株価は上昇スタートもすぐに失速し、その後は下落している時間帯が長かった。前日同様、クリスマス休暇入りで海外投資家の買いが期待できない中、年末特有の節税目的の個人投資家による売りが出た。また、加藤財務相のけん制政発言を受けて円安が一服したことも重石になったようだ。一方、午後に開かれた経団連審議員会での植田日銀総裁の講演内容を無難に消化すると、円相場の下落再開に伴い日経平均株価も小幅ながら上昇に転じた。
個別では日産自動車が連日の大幅高。トヨタ自動車は「自己資本利益率(ROE)の目標を2倍の20%に引き上げる」との報道を手掛かりに午後から急伸。1→15の株式分割を発表したSHIFTも買われた。
【日経平均】39130.43円↑(+93.58円)
【グロース250】631.46↑(+1.34)
【NYダウ】43297.03ドル↑(+390.08ドル、24日)
【ナスダック】20031.126↑↑(+266.241、24日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
2024年振り返り第2弾、中小型株の値上がり率ランキング!
12月23日号に続く2024年相場の振り返りとして、今日は2024年に大きく値上がりした東証プライムの中小型株(時価総額3000億円未満)を見ていこう。今年のトレンドを表わしているものや、個別要因で大きく上昇している銘柄も見られ、来年に向けた投資の参考材料にもなりそうだ。
1位のシンフォニア テクノロジー(年間騰落率12月25日時点:+216.37%)は、防衛予算の拡大を受けて防衛省向け電装品等が急拡大、今期最高益を見込む。20日にはトランプ次期米大統領が、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して国防費の割合を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるよう要求するなどと報じられた。日本はNATO加盟国ではないが、防衛予算拡大の流れは当面続きそうで、引き続き注目できる。米国に子会社をもつ三井E&S(同:+135.84%)は、港湾施設のサイバーセキュリティー対策から、米政権が中国製の多いクレーンの国産化を進める方針を表明したことで2月から急騰。11月には初めて米国向け案件を受注し波に乗っている。
電気・空調設備工事のダイダン(+170.53%)や電線メーカーのSWCC(+163.73%)は、半導体工場やデータセンターの建設拡充を背景に今期最高益を計画。四輪・二輪車部品メーカーの武蔵精密工業(+141.72%)は、新規事業の蓄電デバイス「ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)」が電力課題を抱える生成AI向けデータセンターで急成長。これら3社は、生成AI・データセンター関連株として今も脚光を浴びている。
時価総額500億円未満では、投資不動産の販売に加えて顔認証プラットフォーム「FreeiD」のDX推進事業などを展開するミガロホールディングス(+207.39%)のほか、躍進が続く暗号資産(仮想通貨)関連のセレス(+190.34%)、後払い決済サービスで収益が急速に好転してきているネットプロテクションズホールディングス(+144.88%)が上位に入った。
■シンフォニア テクノロジー株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
株高の実感ナシ…今年強かった株&弱かった株
(ご質問)
日経平均株価が大幅に上がっても、自分の保有銘柄には変化がありません…なぜでしょう?
(答え)
タイプごとに株価パフォーマンスの差が大きかったようです…
日経平均株価は2024年に+16.65%(12月24日時点、以下同じ)と大きく上昇しましたが、もちろんすべての銘柄に株高が及んだわけではありません。この機会に2024年の「強かった株」「弱かった株」を整理しておきましょう。まず日経平均株価の構成銘柄(225銘柄)を見てみると、値上がり151銘柄に対し値下がり74銘柄。フジクラ+467.08%、IHI+212.57%と大躍進した銘柄がある一方、レーザーテック-59.43%、SUMCO-44.36%%と苦戦した銘柄もあります。日経平均株価の構成銘柄の中でもパフォーマンス格差は大きかったようです。
さらにどんなタイプの銘柄が強かったのかを考察してみます。下のグラフは、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄を時価総額などの「規模」に応じ分類・算出した株価指数の年初来パフォーマンスを比較したものです。時価総額・流動性の特に高い主力30銘柄を集めた「TOPIXコア30」の優位が続き、中小型株の「TOPIXミッド400」「TOPIXスモール」は出遅れを埋めることができませんでした。また、バリュー(割安)株とグロース(成長)株とで分けた指数を見ると、「TOPIXバリュー」+19.82%に対し「TOPIXグロース」+10.74%で、バリュー株優位となりました。
以上からわかる通り、逆風にさらされたのは中小型グロース株に位置づけられる新興株で、東証グロース市場250指数は-10.80%に沈みました。保有する銘柄によって株高を実感できるかどうか大きく分かれたかもしれません。
(ザイアナリスト 小林大純)
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