東京市場まとめ
1.概況
大発会となる本日の日経平均は昨年末からの続落となりました。50円高で取引を開始した日経平均は、一時98円高まで上げ幅を広げるも、年末年始の米国株式市場が続落していたことや、国内長期金利の上昇が重荷となり、すぐさまマイナスに転じました。その後、下げ幅を広げ前場は500円安の39,394円で取引を終えました。
後場に入ってからも下げ止まらず、午後1時頃には下げ幅は一時661円に達し、39,232円でこの日の安値を付けました。安値を付けた後は39,300円付近で一進一退の展開となり、結局587円安の39,397円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が1.5%安で大幅に続落しています。
2.個別銘柄等
2024年の株式市場で上昇が目立った防衛関連株や電線株は高安まちまちとなりました。三菱重工業(7011)は一時3.8%上昇となった一方、IHI(7013)は一時5.5%下落となりました。また、古河電気工業(5801)は一時7.6%上昇し昨年来高値を更新したほか、フジクラ(5803)は一時3.5%上昇しました。一方で、住友電気工業(5802)は1.3%下落となりました。
自動車株では、トヨタ自動車(7203)と三菱自動車(7211)が4.3%下落したほか、日産自動車(7201)が1.0%下落しました。一方で、本田技研工業(7267)は2.8%上昇、スズキ(7269)も5.2%上昇しています。
海運株は、商船三井(9104)が一時2.7%上昇となり昨年来高値を更新したほか、日本郵船(9101)と川崎汽船(9107)も1%以上の上昇となり、いずれも6日続伸となりました。
バイデン大統領により米鉄鋼大手USスチール[X]の買収計画への中止命令が下された日本製鉄は(5401)は一時2.3%下落となるも、終値ベースでは0.8%下落と1%未満の限定的な下げにとどまりました。
ディー・エヌ・エー(2432)は7.8%下落し、日経平均採用銘柄の値下がり率ランキングでトップとなりました。2024年10月に配信開始になった新作ゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」の好調に陰りが見え始めており、売りが優勢となりました。
2025年1月1日付で社名を変更し、あわせて東証スタンダード市場から東証プライム市場へと市場が変更となったGMOインターネット(4784)が一時17%超下げの大幅安となりました。市場変更の発表を受けて直近まで急上昇していたことから、その反動売りが出ました。
また、ビール関連株も軒並み下落しました。米保健福祉省(HHS)が3日、アルコール飲料のラベルにがんリスクの警告を含めるよう勧告を出したことを受けてアルコール飲料の販売に逆風となるとの見方から売りが広がりました。サッポロホールディングス(2501)は5.1%下落、アサヒグループホールディングス(2502)は2.9%下落、キリンホールディングス(2503)は1.5%下落となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は小高く始まるも、すぐに売りに押され結局大幅続落となりました。このところ上値として4万円が強く意識される中、4万円を超えるような明確な買い材料には乏しい印象で、米国市場や国内金利の動向に左右されやすい展開が続いています。
そうしたなか、今週は国内で小売企業の決算発表が相次ぐほか、9日には毎月勤労統計調査の発表が予定されていることから、相場が好転するような材料に期待したいところです。また、米国でも今週はISM非製造業景気指数やJOLTS求人件数、雇用統計など主要な経済指標の発表が相次ぐ予定です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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