・日経平均は反落…底堅さを見せるも、日米の長期金利の上昇は気がかり
・今日は1月の人気株主優待を点検! 意外と多彩で、配当や成長との両取り狙いも
・投資の疑問は気になるLIXILの株価診断
【1】今日の株式相場早わかり!
底堅さを見せるも反落、日米で長期金利が上昇
日経平均株価は反落! 7日の米国市場では主要株価指数がそろって下落した。2024年12月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数や、11月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想以上の強さを見せ、インフレへの懸念から利下げ観測が後退。長期金利が一段と上昇すると、ハイテク株を中心に売りが出た。イベントで注目された半導体のエヌビディアも反落し、-6.22%となった。今日の日経平均株価はこうした流れを引き継ぎ、前場に一時300円を超す下落となったが、その後下げ幅を縮小。後場にはプラスに転じる場面もあったが、そこで戻りは一服した。ディスコやアドバンテストといった半導体関連株の上昇が目立つ一方、IHIなどが軟調だった。
今晩の米国では12月のADP全米雇用リポートや連邦公開市場委員会(FOMC、12月17~18日開催)議事要旨が発表される。引き続き金利の動向が注目されそうだ。また、米金利高につれて日本の長期金利も上昇が顕著となっているので注意しておこう。
【日経平均】39981.06円↓(-102.24円)
【グロース250】643.67↑(+2.73)
【NYダウ】42528.36ドル↓(-178.20ドル、7日)
【ナスダック】19489.680↓↓(-375.301、7日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
意外と多彩な1月優待、配当や成長との両取りもアリ
今日は1月に実施される人気の株主優待を確認しよう。1月に決算期末(または中間期末)を迎え、優待を実施する企業はさほど多くないように思われるだろう。しかし、優待のラインナップは食品・飲料などの各種商品や外食、アクティビティーなどと思いのほか多彩だ。また昨年、制度変更を発表した企業も散見されるので改めてチェックしておこう。
積水ハウスは1000株以上の保有で魚沼産コシヒカリ(新米)5kgがもらえる。投資額のハードルはやや高いが、配当利回りが3.5%と比較的高いこともあって、根強い人気があるようだ。また、日本駐車場開発やトーホーも配当利回りが3%を超えるため、配当と優待の両取りを狙う投資家にとっては注目しておきたい銘柄だ。日駐も優待対象は1000株以上となるが、必要額はさほど多くなく、アクティブな投資家にうれしい内容。駐車場、スキー場、テーマパークの各事業がそろって順調なのもポイントだ。
その他の人気どころでは、飲料などがもらえるダイドーグループホールディングスや、ステーキ店を展開するあさくまなどがある。婦人靴のダブルエーは好きな商品が無料となるが、優待利回りは最大で約20%に上る。また、高成長株を狙いたいならアミューズメント施設運営のGENDAもよいだろう。東証グロースの主力株の一角だが、昨年は株価が大きく上昇した(昨年12月23日号参照)。
なお、権利確定日が1月末の株主優待の権利付き最終売買日は29日だ。権利確定日20日のダイドーグループHDなどは最終売買日が16日となる。優待が欲しい投資家は、この日の取引終了までに必要な株数などを確認した上で購入しよう。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■日本駐車場開発株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
上がるのはいつ頃? 高配当株LIXIL
(ご質問)
LIXILの株価が低迷していますが、今後上がる見込みはありますか?
(答え)
上がる見込みはありますが、時間がかかりそうです…
まず現在の株価は底値に近いと考えられます。コロナ後の住宅特需や世界的な低金利を背景に、株価は2021年9月に3365円の高値を付けました。しかし、その後は一転して、特需の一服や世界的なインフレと高金利により株価は大きく下落しました。ただ2023年半ば以降は、おおむね1500~1800円台で推移しており、底値固めの局面に入っているとみられます。事業環境も、インフレ鈍化に伴い世界的な高金利政策に終止符が打たれ、欧米の中央銀行が2024年から利下げに転じたことで最悪期は過ぎたと言えます。
一方、ピークアウトしたとはいえ、米国では依然として金利の水準が高いままです。欧州も景況感が悪く住宅需要の本格回復を期待するのは時期尚早と言えそうです。また、中国は構造的な不況で住宅需要の長期的な低迷が予想されます。インドなど一部で需要が堅調な地域もありますが、残念ながら業績に占める割合が小さいです。主力の国内は、リフォーム需要は堅調ですが、新設住宅着工戸数が低調に推移するなど、特需一服後の需要低迷が長期化しています。
つまり、これ以上の業績悪化はないと思われる一方、力強い回復もすぐには期待できないため、株価はV字型ではなく、L字型ないしはU字型の動きが予想されます。一方、配当利回りは現在5.2%と魅力的です。また20年以上もの間、減配をしていないことで安心感もあります。構造改革や価格改定により2026年3月期は増益が予想されることもあり、高配当を享受しつつじっくりと株価上昇を待てるのであれば、保有継続がよさそうです。
(ザイアナリスト 仲村幸浩)
■LIXIL株価チャート/日足・6カ月
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