【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,518.28 △221.16 (1/14)
NASDAQ: 19,044.39 ▼43.71 (1/14)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。寄り付き前に発表された米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回る結果を示したことで、これまで株式市場の重荷となっていた利下げペースの鈍化懸念がやや和らいだことから、ダウ平均は69ドル高で取引を開始しました。その後、景気敏感株を中心に買いが入り、一時228ドル高まで上昇しました。
しかし、PPIのうち月末の個人消費支出(PCE)価格指数の算出元となる一部の項目が強弱まちまちとなったことや、消費者物価指数(CPI)の発表を目前に控える中で様子見ムードが強まり、中盤にかけては下げに転じました。しかし、日本時間午前2時ごろに140ドル安の42,157ドルで安値をつけた後に持ち直すと、最終的に221ドル高の42,518ドルで取引を終え、続伸となりました。
また、S&P500株価指数も6ポイント高の5,842ポイントで取引を終え、小幅に続伸しました。一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は43ポイント安の19,044ポイントで取引を終え、小幅に5日続落となりました。
2.経済指標等
12月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇となり、0.3%上昇を見込んだ市場予想を下回って前月(0.4%上昇) から伸びが鈍化しました。一方で、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは、前月比横ばいとなり、こちらも0.2%上昇を見込んだ市場予想を下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち6業種が上げ、特に公益事業や金融素材、資本財・サービスは1%以上の上昇となりました。一方で、コミュニケーション・サービスやヘルスケア、一般消費財・サービス、情報技術の4業種が1%未満の下げとなりました。生活必需品は横ばいでした。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄のうち19銘柄が上昇し、特にキャタピラー[CAT]が2%以上上昇したほか、スリーエム[MMM]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、ゴールドマン・サックス[GS]、セールスフォース[CRM]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、アメリカン・エキスプレス[AXP]が1%以上上昇しました。一方で、11銘柄が下落となり、なかでもボーイング[BA]が2%以上下落したほか、メルク[MRK]やナイキ[NKE]、アムジェン[AMGN]、エヌビディア[NVDA]が1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、直近まで大幅下落していた量子コンピュータ関連銘柄が目標株価の引き上げなどが伝わり大幅上昇しました。リジッティ・コンピューティング・インク[RGTI]は47.9%上昇、D ウエーブ クオンタム[QBTS]は23.5%上昇しました。また、住宅建設会社のケービー・ホーム[KBH]が取引開始前に決算を公表し、EPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回ったことで、4.8%上昇しました。一方で、医薬品のイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]は取引開始前にガイダンスを公表し、2025年度通期の売上高見通しは市場予想を上回ったものの、10-12月期(第4四半期)の暫定売上高が市場予想を下回ったことが嫌気され、6.6%下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日比0.01%高い4.79%となりました。ドル円は、157円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場はPPIが市場予想を下回ったことで、利下げペースの鈍化懸念が一部和らぎ、ダウ平均は続伸となりました。この流れを引継ぎ日本市場は反発してのスタートが予想されます。ただし、日銀の追加利上げ観測も高まりつつある中、本日夜には米CPIが発表される予定であり、日経平均は様子見モードが強まり上値は限定的になりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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