東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、続落となりました。日経平均は前週の日銀、金融政策決定会合と植田総裁の記者会見を無難に通過したことから195円高の40,127円で寄り付きました。9時9分に323円高の40,255円をつけ早々に本日の高値を更新するも、その後は伸び悩み、一転して下げに転じました。10時半を過ぎると下げ幅を拡大し、232円安の39,699円で前引けとなりました。
後場序盤は39,800円を挟んで一進一退で推移するも、段々と下げ幅を拡大する展開となりました。今週に本格化する決算発表の動向を見極めたいとする投資家が多く、積極的な買いが控えられたことなども背景に、14時55分には411円安の39,520円まで下落し、本日の安値を更新しました。
15時台に入ると持ち直し、最終的には366円安の39,565円で大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が反落、0.3%安となりました。
2.個別銘柄等
京王電鉄(9008)は6.2%高の3,938円をつけ、大幅反発となりました。国内証券が新たにレーティングを開始し、投資判断は買い推奨、目標株価は4,900円としたことが材料となりました。同社は株主還元の強化を発表していますが、来期以降も更なる株主還元の強化が期待できるとの評価がされています。
KDDI(9433)は一時5.1%高の5,119円をつけ、上場来高値を更新する場面が見られました。国内証券が目標株価を引き上げたことが買い材料となりました。スマートフォンの稼働数や1契約当たりの月間平均収入が堅調に推移していること等により、今期の営業利益予想を引き上げたとされています。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)は4.8%高の2,588.5円をつけ反発で取引を終えました。中国で春節(旧正月)に伴う大型連休が明日28日からスタートするなか、インバウンド関連の消費拡大が業績に貢献するとの期待から思惑買いが集まりました。そのほか百貨店銘柄では、高島屋(8233)は2.3%高、J.フロント リテイリング(3086)は3.3%高で取引を終えています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は一時3.0%高の1,963.5円をつけ、上場来高値を更新する場面が見られました。24日、日銀が追加利上げを決めたことを受け、金利の上昇局面が一段と鮮明になり収益環境が上向くといった見方から買いが集まりました。
エーザイ(4523)は3.3%高の4,676円をつけ、5日続伸となりました。27日当日に米バイオジェン[BIIB]と共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の静脈注射製剤について、症状の進行を遅らせる効果が出た後も、継続して治療する維持投与の一つとして米食品医薬品局(FDA)の承認を得たとの発表が買い材料となりました。
そのほかの銘柄では、前週にAI関連銘柄として上昇していた電線株が大幅下落となりました。古河電気工業(5801)は11.3%安の7,108円で4日ぶりに反落、フジクラ(5803)は10.7%安の6,522円をつけ7日ぶりに反落、住友電気工業(5802)は5.4%安の2,856.5円と続落で取引を終えています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、電線株や半導体株が安く0.9%安となりました。一方でTOPIXは小幅ながら反発で取引を終えており、全体的な地合いは悪くない印象です。
今週は日米ともに主要銘柄の決算発表が控えており、良好な業績を示せるかに注目が集まります。日本市場では大引け後にファナック(6954)、日立建機(6305)、日東電工(6988)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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