・日経平均は一時3万8000円割れ・・・エヌビディア決算を控える中、米景気懸念や円高が重石に
・配当増額ランキング、LINEヤフー・SANKYO・サンリオ・バンナムなど!
・想定と違う決算後の株価反応はなぜ!?
【1】今日の株式相場早わかり!
米景気懸念で売り広がる、今晩は米エヌビディア決算
日経平均株価は続落! 25日の米国市場ではNYダウが小幅に上昇した一方、その他の指数は下落。2月の消費者信頼感指数が大幅に落ち込んだほか、中国に対する半導体規制の強化を警戒しリスク回避の動きが強まった。金利が大幅に低下する中でもハイテク株を中心に売りが広がり、テスラは-8.39%と急落。一方、ヘルスケアなどのディフェンシブセクターには逃避資金が流れ上昇した。米ハイテク株安を受けて日経平均株価は下落スタート。円相場が一時1ドル=148円台半ばと約4カ月半ぶりの水準にまで上昇したこともあり、3万7742.76円(-495.03円)まで下落する場面があった。ただ、円高の一服に伴い午後からは下げ渋り、3万8000円を回復した。
東京エレクトロンなど半導体株の一角が大幅安となった。景気懸念を背景に前日に大きく買われた商社株を含めた資源関連株が売られ、日米の長期金利の低下を受けて銀行株も大きく下落した。一方、不動産株や食料品株は上昇。今晩の米国市場では半導体大手エヌビディアの決算が発表予定だ。
【日経平均】38142.37円↓(-95.42円)
【グロース250】668.74↓(-4.82)
【NYダウ】43621.16ドル↑(+159.95ドル、25日)
【ナスダック】19026.386↓↓(-260.539、25日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
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【2】今日の注目株!
配当増額ランキング、LINEヤフーは成長加速
今日も10~12月期の決算シーズンを振り返っていこう。今日は「TOPIX500」指数(主力~中堅程度の銘柄で構成)に採用される3月期決算企業を対象に、配当予想の増額修正率が高い順にランキングを作成した。配当水準を減額することは投資家から忌避されるため、基本的には一度引き上げた配当水準はその後も維持していくことが求められる。そのため、配当増額は今後の業績に対する自信の表れとも捉えられる。先行きに期待できる銘柄を探っていこう。

トップのバンダイナムコホールディングスは2月25日号を、関電工とサンリオについては2月18日号をそれぞれ読んでほしい。LINEヤフーは10~12月期の収益成長率が7~9月から拡大。期待のPayPayを抱える戦略事業のほか、メディア事業で収益性の高いLINEアカウント広告が高成長を続けた。コマース事業も含めた主力3事業がそろって増収増益で利益率も改善している点は文句なし。また資金配分の計画を変更しており、自社株買いへの期待も高まっている。
SANKYOは業績予想を上方修正。近年は配当増額・業績上方修正を頻繁に行っている上、自社株買いなど株主還元に総じて積極的だ。最近はシェアトップのパチンコに続き、新規タイトルの販売が好調のパチスロでも市場シェアを上げてきている。パチンコ機とパチスロ機でそれぞれ1機種の投入時期が後ずれした中での上方修正とあって、来期の増益期待も高まっている。
古河電気工業は実績および上方修正後の業績計画ともに市場予想を上振れたが、注目の情報通信事業の回復が物足りないとされた。足元で米テック企業のAIへの過剰投資の懸念が高まっていることもあり株価は軟調だが、データセンターの建設ラッシュを追い風に見直し機運が高まる可能性もありそうだ。
■LINEヤフー株価チャート/日足・6カ月
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【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
決算チェックしても株価の反応は真逆…なぜ?
(ご質問)
最近、気になる銘柄の決算短信が発表されたら印刷して眺めるようにしています。昨年より良かったら株価は上がるのかなぁなんて思うのですが、それでも下がることがよくあります。それはなぜなのでしょう?
(答え)
取引参加者はもっと良い決算を想定していたのかもしれません!
ご自身で積極的に調べてみようとする姿勢は大変すばらしいと思います! が、決算発表後に「思っていた株価反応と違う…」ということも“株あるある”の1つ。引き続き決算シーズンの前後にはこうしたご質問が多いので、改めて確認しておきたいと思います。
好決算ながら株価が下落する大きな理由としては、「発表前に大方の取引参加者がもっと良い決算を想定していた」ことが考えられます。取引参加者は将来の見通しに基づき売買を行っているのです。例えば前年と比べ「30%の増益」という決算は一見良好ですが、事前に「50%の増益が見込めそう」との思惑で売買されていた場合、発表後は失望売りが出るでしょう
事前に市場がどの程度の決算を見込んでいるか知る上で、情報ベンダーが証券各社のアナリスト予想を取りまとめたもの(いわゆる「コンセンサス」)がよく用いられます。また、前の四半期の増益率(減益率)と比較してみるのもよいでしょう。増益決算でも、前の四半期より増益率が大きく低下した場合はやはり失望されるかもしれません。一方、減益決算でも利益の落ち込みに歯止めがかかりつつあると受け止められれば、好感されるケースもあります。決算に対する株価反応は「業績への期待の変化」と言え、過去の業績推移などにも目配りする必要があるわけです。
(ザイアナリスト 小林大純)
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