【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,239.50 ▼193.62 (2/27)
NASDAQ: 18,544.42 ▼530.84 (2/27)
1.概況
昨日の米国市場は、主要3指数が揃って下落しました。トランプ米大統領が27日、自身のSNSでカナダとメキシコからの輸入品に予定通り関税を課す考えを改めて示し、中国にも追加関税を課す方針を表明したことで、関税政策が経済に与える影響が懸念され、売りが広がりました。また、26日の取引終了後に決算を発表したエヌビディア[NVDA]が大幅安となり、ハイテク株を中心に相場の重荷となりました。
83ドル高で取引を開始したダウ平均は、寄付き後に上げ幅を広げ、一時451ドル高まで上昇しました。その後も堅調な推移が続いたものの、取引終盤にかけては売りが優勢となり、結局193ドル安の43,239ドルで取引を終え、続落となりました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は530ポイント安の18,544ポイントで取引を終え、3%近い大幅下落となりました。S&P500株価指数も94ポイント安の5,861ポイントと大きく下げ、反落となりました。
2.経済指標等
2024年第4四半期の米実質GDP(前期比年率)の改定値は年率換算で前期比2.3%増となり、市場予想通り速報値から据え置きとなりました。同時に公表されたFRB(米連邦準備制度理事会)が物価指標として注目するPCEコアデフレータ(前期比年率)の改定値は2.7%上昇となり、市場予想を上回って速報値の2.5%上昇から上方修正されました。1月の米耐久財受注の速報値は前月比3.1%増となり、市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の24万2000件となり市場予想以上に悪化しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち金融やエネルギー、不動産、生活必需品の4業種が1%未満の上昇となりました。一方で、7業種が下落となり、特に情報技術が4%近く下落となったほか、公益事業が2%以上下落、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスが1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中15銘柄が上昇しました。トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]とスリーエム[MMM]は2%以上上昇し、マクドナルド[MCD]、ビザ[V]、メルク[MRK]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は1%以上の上昇となりました。一方、15銘柄が下落し、エヌビディア[NVDA]は8%以上の大幅下落となりました。26日の取引終了後に発表した2024年11月?25年1月期決算で、売上高の実績と見通しは市場予想を上回ったものの、短期的な利益率の悪化が嫌気された模様です。また、セールスフォース[CRM]は4%以上、アマゾン・ドットコム[AMZN]は2%以上下落し、マイクロソフト[MSFT]、ゴールドマン・サックス[GS]、ナイキ[NKE]を含む6銘柄が1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、クラウドベースのデータプラットフォームを提供するスノーフレイク[SNOW]が前日引け後に公表した第4四半期決算で市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を達成したことで、4.5%上昇しました。一方で、エヌビディアの大幅安を受け半導体関連株は軒並み大幅下落となり、ブロードコム[AVGO]とアプライド・マテリアルズ[AMAT]が7%以上下落したほか、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング[TSM]やオランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディング[ASML]、英半導体設計のアーム・ホールディングス[ARM]などは6%以上下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日から0.01%高い4.26%となりました。ドル円は、149円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場が下落した流れを引継ぎ、本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は心理的節目の3万8000円を割り込み下げ幅を広げる展開となりそうです。
特に、昨日の米国市場ではエヌビディアの大幅安を受け半導体関連株が軒並み売られ、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数は6%以上下落していることから、日本市場でも半導体関連株の売りが警戒されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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