【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 40,527.62 △300.03 (4/29)
NASDAQ: 17,461.32 △95.19 (4/29)
1.概況
28日の米国市場は、小幅に高安まちまちの展開となりました。トランプ米政権と貿易相手国との関税交渉の進展や減税策への期待が相場を支えた一方で、人工知能(AI)向け半導体をめぐる中国企業との競争激化が懸念され、エヌビディア[NVDA]が下落したことから、ハイテク株が相場の重荷となりました。
ダウ平均は58ドル高で取引を開始すると、一時は300ドル高まで上昇しました。しかし、その後は伸び悩み上げ幅を縮小していくと、下落へ転じ、一時は244ドル安の39,869ドルを付け、4万ドルを割り込む場面もありました。しかし、安値を付けた後は反転し、取引終盤にかけて再び買いが優勢となると、最終的には114ドル高の40,227ドルで取引を終え、5日続伸となりました。また、S&P500株価指数も3ポイント高の5,528ポイントで取引を終え、こちらも小幅ながら5日続伸となりました。一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は16ポイント安の17,366ポイントとなり、5日ぶりに小反落となりました。
29日の米国市場は、主要3指数がそろって小幅に上昇しました。JOLTS求人件数やコンファレンスボード消費者信頼感指数が市場予想以上に悪化したことから、成長減速を警戒した売りにより小幅に下げる場面も見られましたが、米国と貿易相手国との関税交渉の進展や減税策への期待、個別企業の決算を受けた買いの動きが指数を支えました。
ダウ平均は6ドル高で取引を開始すると、一時は下げに転じ5ドル安の40,222ドルでこの日の安値を付けました。その後は買い戻しの動きが見られ、取引終盤にかけて上げ幅を広げていくと、結局300ドル高の40,527ドルで取引を終え、6日続伸となりました。また、S&P500株価指数も32ポイント高の5,560ポイントで取引を終え、6日続伸しています。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も95ポイント高の17,461ポイントで取引を終え、反発しています。
2.経済指標等
4月のダラス連銀製造業活動は、-35.8となり、市場予想(-17.0)と前回結果(-16.3)を下回りました。3月の米卸売在庫の速報値は前月比0.5%増となり、市場予想の0.6%増を下回って前月の0.5%増と同水準となりました。2月のS&Pケースシラー住宅価格(20都市)は、前年比4.50%上昇となり、前月の4.72%上昇から低下しました。4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は86.0となり、市場予想(87.5)と前回結果(93.9)を下回りました。3月のJOLTS求人件数は、前月比28万8000件減の719万2000件と市場予想を下回り、2024年9月以来の低水準となりました。
3.業種別動向
28日のS&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、公益事業や不動産、エネルギーなどの8業種が1%未満の上昇となりました。一方で、情報技術や生活必需品、一般消費財・サービスの3業種が小幅に下落となりました。
29日のS&P500の業種別株価指数では、金融や素材、生活必需品などの10業種が1%未満の上昇となりました。一方で、エネルギーのみ小幅に下落しました。
4.個別銘柄動向
28日の米国市場では、ダウ平均構成銘柄全30銘柄のうち21銘柄が上昇しました。なかでも、ボーイング[BA]が2%超上昇したほか、アイビーエム[IBM]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も1%超上昇しました。一方で、9銘柄が下落となり、なかでも、エヌビディア[NVDA]が2%超下落しました。そのほか、セールスフォース[CRM]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、ナイキ[NKE]などが1%未満の下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、家庭用フィットネス機器のペロトン・インタラクティブ[PTON]が、アナリストによる投資判断引き上げを受けて4.9%上昇しました。また、百貨店のメーシーズ[M]は、新たなアナリストによる格付けが開始され目標株価が12ドルに設定されたことを受け、3.7%高の11.6ドルとなりました。一方、肥満治療薬などを手がけるイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]は、アナリストが投資判断を2段階引き下げたことを受け、0.8%下落しました。
29日の米国市場では、ダウ平均構成銘柄全30銘柄のうち25銘柄が上昇しました。なかでも、ハネウェル・インターナショナル[HON]が5%超上昇し、シャーウィンウィリアムズ[SHW]は4%超上昇、アムジェン[AMGN]、メルク[MRK]、アイビーエム[IBM]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ビザ[V]、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%以上上昇しました。一方、5銘柄は下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%超下落しました。そのほか、マクドナルド[MCD]、シェブロン[CVX]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、ボーイング[BA]が小幅に下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、EDA(Electronic Design Automation;電子設計自動化ツール)を提供するケイデンス・デザイン・システムズ[CDNS]が、第1四半期決算で増収・増益を達成し、特にEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回ったほか、2025年通期の業績見通しも引き上げたことで、株価は5.8%上昇しました。
また、ヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS]は、デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスク[NVO]と協力し、肥満治療薬「ウゴービ」を大幅に値下げして販売すると発表したことが好感され、株価は23.0%上昇しました。なお、これを受けてノボ・ノルディスクは4.1%上昇しました。一方で、オランダに拠点を置く半導体メーカーのNXPセミコンダクターズ[NXPI]は、好調な決算結果を公表したものの、決算報告の一環として新たなCEO(最高経営責任者)を発表し、関税の脅威について「非常に不確実な環境」を生み出していると警告したことを受け、株価は6.9%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。
5.為替・金利等
28日の米長期金利は、前週末から0.02%低い4.21%で取引を終えました。29日の米長期金利は、前日から0.04%低い4.17%となりました。ドル円は、142円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、28日から29日にかけての米国市場の上昇を受けて上昇してのスタートが予想され、日経平均は心理的節目である3万6000円台への回復が期待されます。一方で、赤澤経済再生担当大臣が本日30日から3日間の日程で訪米し、ベッセント米財務長官らとの2回目の閣僚交渉が行われるほか、日銀の金融政策決定会合も控えており、詳細が明らかになるまでは様子見の展開となりそうです。
個別では、トランプ大統領が29日、自動車業界の負担軽減措置に署名したと報じられており、日本市場でも自動車関連銘柄の値動きに注目が集まります。また、本日も決算発表予定の銘柄が多く、東京エレクトロン(8035)、商船三井(9104)、村田製作所(6981)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)
■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
◆1月~12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック!
※株主優待を新設・変更した銘柄の最新情報は
株主優待【新設・変更・廃止】最新ニュース[2024年]でチェック!
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||
売買手数料(1約定ごと、税込) | 投資信託 | 外国株 | ||
10万円 | 20万円 | 50万円 | ||
99円 | 115円 | 275円 | 1764本 | 米国、中国 |
【マネックス証券のおすすめポイント】 大手ネット証券として昔から愛用者が多い。おすすめポイントのひとつは外国株の銘柄数の多さで、4850銘柄以上の米国株や約2650銘柄の中国株を売買できるのも魅力的だ。日本株に関しては、取引や銘柄分析に役立つツールが揃っているのがメリット。中でも、多彩な注文方法や板発注が可能な「マネックストレーダー」や、重要な業績を過去10期以上に渡ってグラフ表示できる「マネックス銘柄スカウター」はぜひ利用したい。「ワン株」という株を1株から売買できるサービスもあるので、株初心者はそこから始めてみてもいいだろう。「dカード」や「マネックスカード」で投資信託を積み立てると最大1.1%のポイント還元。さらに、投資信託の保有金額に対し、最大0.26%分(年率)のマネックスポイントが付与されるのもお得だ。 |
||||
【関連記事】 ◆NISAのクレジットカード積立は「dカード積立」がおすすめ! ポイント還元率は業界トップクラスの1.1%で、「dカード GOLD」ならお得な付帯サービスも満載 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! ◆マネックス証券のNISA口座は手数料が一番お得! 国内株は無料、外国株も買付は実質無料。外国株やIPOの銘柄数も多いので、投資初心者にはおすすめ! |
||||