個人投資家が株式投資というゲームに勝つために必要なスタンスとは?
個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!
私が個人投資家の皆さんに常に言っている言葉だ。この言葉を聞いてどう思われるだろうか? 「何だ、株式投資というゲームに勝つことではないか」くらいにしか思われないかもしれない。が、実はそう単純なものではない。「勝者のゲーム」という言葉には少々説明が必要だ。ここで改めて説明することにしたい。
おそらく証券市場に詳しい人ならばニヤリとするに違いない。なぜなら、証券市場には「敗者のゲーム」という言葉はあっても、「勝者のゲーム」という用語はないからである。これは私が勝手に作った用語で、このコラムのタイトル『経済的自立を目指す人のための「勝者のゲーム」と資産運用入門』や投資助言業務である「勝者のポートフォリオ」のベースになっている考え方でもある。
「敗者のゲーム」―。
とても悲しい響きのする言葉だが、「敗者のゲーム」は米国のチャールズ・エリスが1975年に書いた論文『The Loser’s Game』で一躍脚光を浴びた概念である。
テニスにおいてプロ選手とアマチュアプレイヤーの戦い方は全く異なる
テニスの試合において、プロのゲームとアマチュアのゲームは全くその性質が異なる。プロのゲームにおいては、得点は勝者側の狙いが的確に決まったときに初めて獲得できる。これはまさしく自ら得点を勝ち取ることが勝利を導く、という意味において「勝者のゲーム」である。皆さまもよくご存知のジョコビッチや錦織圭、大坂なおみといったトッププレーヤーがまさしくそうだ。コートの隅ぎりぎりに狙いすました猛烈なショットを放ち自ら得点を取りにいく。勝負のためには常に前へ前へと、攻めの姿勢を貫いて戦わなければならない。
一方、アマチュアのテニスの試合においては自らのショットが見事に相手側のコートの隅っこにヒットすることはめったになく、敗者側が一方的にミスを重ねることで結果的に勝者が出来上がる。これは「敗者のゲーム」と言える。ジョコビッチが試合で相手がミスすることなどこれっぽっちも期待していない。正反対だ。
個人投資家はプロのテニス選手と同じく「勝者のゲーム」をしよう
株式運用の世界でも実は後者の性格が強い。数多くのファンド・マネジャーが競争しているプロの運用の世界においては、勝者になるゲームをするのではなく、敗者にならないゲームを行わなければならない。自分のミスを最小限に抑えながら、相手側(同業他社のファンド・マネジャーたち)がミスを重ねて自滅していくのを見届けつつ、長く生き残る者が結局のところ勝者となる。プロの投資家の多くは市場平均にすら負けているのである。もはやアクティブ投信の存在意義はなくなってきている時代だ。
そこで、私が提唱したいのは機関投資家が「敗者のゲーム」ならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!である。テニスのプロの試合と同じく、自ら得点を勝ち取ることによって自らを勝利に導いていく勝者になろうという意味である。いろいろと制約の多いファンド・マネジャーに比べて、個人投資家はフレキシブルに動ける。ネット証券のおかげで「リスク管理」も徹底して行えるようになった。投資に必要な情報も簡単に手に入る。個人投資家は機関投資家よりも圧倒的に優位な立場なのだ。しかし、それに気づいている個人投資家は少ないようだ。この優位性をまず皆さんは噛みしめてほしい。そこからさまざまな投資戦略を繰り出せる。
資産運用で大事なスキルは「気づき」。それが投資成績の明暗を分ける
資産運用とは「気づき」のスキルが大切であり、「気づくか、気づかないか」が投資家としての明暗を分けると私は考えている。だから、多くのことに「気づく」投資家になっていただきたいのだ。多くのことに気づいていれば、壊滅的な損失とは無縁となり、やってはいけないことをやらない投資家になれる。本コラムの連載回数はすでに200回を超えたが、「気づき」のスキルを提供する場でもある。
実に多くの個人投資家たちが何も知らないまま安易に株式投資をしている。そして、やってはいけないことをして真っ青になり冷や汗をかいている。株式投資において「無知」であることは「お金を失うこと」と同じ意味だ。単にお金を失うだけではなく、精神的なダメージも計り知れない。お気の毒に、と言うしかない。マーケットはプロとアマが混在して戦っている特殊な場所だ。プロの市場、アマの市場という区別はない。
4周年を迎える「勝者のポートフォリオ」。開始以来の戦績は+122.2%
太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」。2021年10月1日にサービスを開始したが、本日9月30日にちょうど4周年を迎える。おかげさまで快進撃が続いており、連日で最高値を更新している。9月24日時点の累計パフォーマンスは+122.2%。昨年来+73.8%、年初来+31.7%と全ての期間においてマーケット指標を圧倒している。マーケット分析力と個別銘柄選択力で「市場に打ち克つ」を実践している成果が大きく出ていると自負している。

私自身が皆さまへのデモンストレーションとして運用している「勝者のポートフォリオ」連動型個人ファンドも5億968万円となり累計パフォーマンスは+154.8%。拠出金2億円で始めて、運用資産は3億968万円増加した。2034年に自由億(10億円)という目標達成が早まりそうだ。私自身の資産運用歴は30年。第一證券という中堅証券会社に在籍していたが、30歳で外資系投資会社に転職。そこから運用を始めて15年後の45歳で自由億を達成した。現在61歳だが再び自由億を達成すべく「勝者のポートフォリオ」で「勝者のゲーム」を実践している。
次回セミナーは「日経平均5万円時代到来、複利運用で資産倍増を目指す」
「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスだ。毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナー開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
Webセミナーでは米連邦準備理事会(FRB)や日銀の金融政策、日米の景気動向、あるいは最近ではトランプ関税政策といったホットな話題を取り上げながら現状の投資戦略や株価上昇が期待できる個別銘柄の話、さらには参加者からのすべての質問に答えるQ&Aコーナーを設けて毎回2時間半ものロングランとなっている。毎回300名を超える参加者で盛り上がり、投資のヒントが満載である。
次回のWebセミナーは10月8日(水)20時より開催する。テーマは『日経平均5万円時代到来、複利運用で資産倍増を目指す』を予定している。金融相場の最中、日経平均5万円時代が間近になりつつあり私はワクワクしている。株式市場は上昇しているのに資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どういう運用をすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方はぜひ参加していただきたい。10日間無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。投資戦略や個別銘柄の話、そしてすべての質問にお答えするQ&Aコーナーもあり、投資のヒントが満載である。
スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家に必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態…など詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
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