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AIバブルのピークは今ではない。テクノロジー株を持っている人と、そうでない人の資産の二極化が進んでいる

2025年11月28日公開
ポール・サイ
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 2025年11月26日(水)、米国・シアトルからザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている元フィデリティ投信トップアナリストのポール・サイさんが、ストックボイス社が手掛ける経済・マーケット番組「WORLD MARKETZ」(TOKYO MX 月~金 22時~23時)に生出演した

ポール・サイさんプロフィール

 今回の放送は、AIバブルの話題に。NVIDIAの空売りポジションを持つマイケル・バリーなどがAIバブルの警鐘を鳴らしていることについて、「AIのトレンドは長い」と見るポールさんがどう感じているのか教えてくれたので、さっそくチェックしていこう。

テクノロジー関係のエンジニアや、テクノロジー株を持っている人と、そうでない人の二極化が進んでいる

 番組は、ポールさんが初の著書『台湾系アメリカ人が教える米国株で一生安心のお金をつくる方法』の出版に合わせて、2週間前にスタジオ初出演してくれたことをアシスタントの新宮志保さんが振り返り、感謝を伝えるところから始まった。
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(出所:WORLD MARKETZ)

 シアトルに戻ったポールさんに「感謝祭やブラックフライデーと年末商戦シーズンですが、景気の肌感覚はどうですか」と新宮さんが聞くと、「特に不景気は感じないが、二極化は感じる」とポールさん。

 ポールさんが住むシアトルのベルビューは、テクノロジー関係のエンジニアが多く住んでおり、テクノロジー株の上昇で彼らは潤っているそう。その一方、物価高で生活が苦しいという理由から、最近のシアトル市長選で新しい市長が誕生したとのことで、ポールさんは二極化を感じているようだ。

 続けて、番組MCの渡部一実さんが「そうすると、年末商戦で金持ちは高級品を買い、そうでない人は日用品を買うことになるんですか」と質問すると、「Amazon Primeの統計もそのような結果でした」と返したポールさんだった。

AIバブルのピークは今ではない。NVIDIAとOpenAIが循環取引しているだけと言うが、経済自体が循環取引であり、普通のこと

 続いてはAIバブルの話題に。

 マーケットがAIバブルを疑っていることについて、ポールさんの見方を渡部さんが聞くと、ポールさんはインターネットバブルのことを振り返り始めた。

 インターネットバブルで、シスコのような代表的な銘柄のPERは80倍とか、ピークで200倍台だったけれど、今のNVIDIAは26倍くらい、マグニフィセントセブン全体は30倍台、S&P500は24倍くらいと非常に高いわけではなく、AIはそこまでのバブルになっていないようだ。

 また、テクニカル分析で見ると、1998年のLTCMショックと2025年のトランプ関税のボトムを合わせて、LTCMショックから、その後のピークまでとまったく同じ期間、トランプ関税のボトムから上昇すると仮定すると、ピークまでは半年くらいはあると参考にできるそう。

S&P500 月足 (出所:TradingView)

 ファンダメンタルズで見ても、AIのテーマはまだ続くとポールさんは見ており、結論はAIバブルのピークがあるとしても、すぐではないとのことだった。

 すると渡部さんが、ジム・チャノスやマイケル・バリーといった売り方がAIバブルを煽っており、NVIDIAがOpenAIに出資して、OpenAIはNVIDIAの半導体を買って循環取引しているだけと主張していることを、ポールさんはどう見ているのか切り込んだ。

 ポールさんはまず「経済自体が循環取引だ」とピシャリ。経済は誰かが物を買って、支払った対価が誰かの収入になるものであり、AIの分野ならテクノロジー業界の中でぐるぐる回って経済成長しているそう。AIが絶対大丈夫かと言われれば、不安要素もあるけれど、循環取引はある意味普通のことで、大きな問題はないようだ。

 それよりも人間の心理として、株価の上昇にはそこまで快楽を感じないのに、下落に対しては恐怖が広がったり、痛く感じるため、報道で煽ったりする人も現れるのだという。

 ただ、株価が上がれば、下がるという循環も、ある意味自然なことであり、AIの長期のストーリーが大丈夫であれば、株価の循環を利用した押し目買いチャンスは何度でも到来するようだ。

知識に対する需要は無限。NVIDIAのチップの資産価値は、耐久年数が過ぎればゼロで計上されるが、古いチップも使われ続ける

 これを聞いた渡部さんは、バブルに警鐘を鳴らす報道がなぜ強くなるのか、株価上昇の過程で自然に出てくるものなのか、疑問を呈した。

 具体的には、NVIDIAの空売りポジションを持っているマイケル・バリーが、NVIDIAやビッグテックはGPU(グラフィックチップ)の耐久年数を2、3年から勝手に6年まで伸ばして減価償却費を減らし、利益を水増しして粉飾決算しているようなことを言っているけれど、それが本当かどうなのかが気になるようだ。

 そもそも、減価償却の話は会計の考え方で、物の価値の見方として完全なものではないとポールさんは考えている。例えば、新車の資産価値は、耐久年数が過ぎればゼロで計上されるけれど、その車が走れなくなるわけではないから、減価償却の話は矛盾しているようだ。

 そして、車に対する需要が一定であれば、古い中古車から必要なくなるのは事実だけれど、知識に対する需要は無限だというのがポールさんの持論だ。

 その分、AIの需要も増えるのが早く、減価償却で見れば収益性は変わる可能性はあるものの、古いGPUでも使われ続け、価値は続く可能性はあるとのことだった。

 ここまで、11月26日(水)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも触れたとおり、ポールさんはザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年半で140%上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。


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