東京市場まとめ
1.概況
日経平均は27円安の50,374円で、反落して寄付きました。前日に大幅上昇した反動から利益確定売りが先行したものの、売り一巡後は早々に上昇に転じ、9時14分には142円高の50,544円をつけ、本日の高値を更新しました。
その後は方向感に欠ける展開となり、前日終値を挟んで一進一退の推移が続きました。前場を39円高の50,442円で終えた後、後場は一転して売りが優勢となりました。14時17分には137円安の50,264円をつけ、本日の安値を更新しましたが、大引けにかけて再び持ち直し、最終的には10円高の50,412円と、3日続伸して取引を終えました。
TOPIXは18ポイント高の3,423ポイントで3日続伸。一方、新興市場では東証グロース250指数が8ポイント高の663ポイントと、反発して取引を終えました。
2.個別銘柄等
東京電力ホールディングス(9501)は2.4%高の665円をつけ、続伸となりました。22日、日本経済新聞が「同社が柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)周辺でデータセンターを開発する方針だ」と報じました。原発再稼働を見据えた収益基盤の拡大を期待する買いが入りました。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は一時1.6%高の5,147円をつけ、年初来高値を更新しました。前日22日には、国内長期金利が一時1999年以来の高水準となる2.100%まで上昇したほか、日銀による追加利上げが意識されたことで、金利の先高観を背景とした利ざや改善期待から銀行株が買われました。
しまむら(8227)は3.6%安の10,170円をつけ、3日続落となりました。22日に発表した第3四半期決算で純利益が過去最高を更新したものの、売上高に対する利益の伸びが市場の期待に届かなかったとの見方から、材料出尽くし感による売りが出ました。
ロート製薬(4527)は2.6%高の2,686.5円をつけ、5日続伸となりました。22日に発表した株主優待制度の拡充(ポイント付与率のアップや利便性向上)を好感する買いが優勢となりました。
本日東証スタンダード市場に新規上場したテラテクノロジー(483A)は、公開価格2,090円に対し、38.9%高の2,904円で初値をつけました。官公庁向けシステム開発などの実績が評価されましたが、初値形成後は利益確定売りに押され、終値は公開価格比16.0%高の2,425円で初日の取引を終えました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は終日方向感を探る展開となりましたが、最終的には小幅高で引けました。政府の来年度予算案が過去最大規模となる中、財政悪化への懸念から長期金利が上昇傾向にありましたが、日中に高市首相が「責任ある積極財政は、無責任な国債発行や減税を意味するものではない」と語ったことで市場の過度な警戒感がやや和らぎ、債券が買われました。金利は低下、ドル円は上昇して円高に向かいました。
明日以降も、財政運営や日銀の政策スタンスを巡る思惑が相場を左右する展開が続くでしょう。明日に向けては、米国の第3四半期GDPや、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が今晩予定されており、米国の景況感を確認する上で重要な局面となります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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