ダイヤモンド・ザイでは、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、「さわかみファンド」を保有する読者への診断を抜粋して紹介しよう!
山田健次さん(仮名・埼玉県在住・54歳)
長期で積立をして元手を大きく殖やし、老後資金に充てる目的で、「さわかみファンド」を選択。10~15年後に使うことを目指し、現在も積立続行中。
★山田さんが保有する投資信託
◎さわかみファンド
山田さんの保有銘柄の診断結果
⇒「さわかみファンド」(保有額の100%)
さわかみファンドは、日本の独立系投信のさきがけ的な存在で、人気も絶大です。しかし、成績はというと、純資産が3000億円と多いことが影響しているのか、ここ5年間は日経平均のインデックス投信とあまり変わりません。
たとえば、過去3年と5年の運用成績は24.5%と88.3%ですが、インデックス投信の上昇率はそれぞれ25.9%と106.4%。6カ月ごとの成績も、上位と下位を行ったり来たりです。
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さわかみファンドが設定されたのは1999年8月。設定時期はITブームの最中で、ほとんどの日本株投信がその後のバブル崩壊で下落しましたが、さわかみファンドはほとんど影響を受けませんでした。当初の人気の理由はここにあります。
また、日本株型の人気投信の「ひふみ投信」と比較すると、運用効率を表すシャープレシオはひふみ投信が「1.09」に対して、さわかみファンドは「0.52」。シャープレシオとは、取ったリスク「1」に対してどれだけ上昇できたかを示すもので、数値が高いほど高効率です。
創設者の澤上篤人さんはカリスマ的な存在でしたが、ファンドマネジャーも代替わり。好成績を期待したいなら、他の好成績の日本株型の組み入れも検討しましょう。
ポートフォリオの診断結果は…
「日本株型」の規模の拡大は要注意。
他の好成績投信にも分散すること!
「さわかみファンド」のように、日本株型投信は、規模が大きくなり過ぎると大型株を組み入れざるをえなくなるなど、運用に悪影響が出ます。山田さんは2013年11月から、さわかみファンド1本を積み立てていますが、日本株型のもっと好成績の投信はたくさんあります。
中長期で大幅増を狙うのであれば、1本だけを盲信するのではなく、日経平均を長期で大きく上回る好成績投信を探して分散すべきです。
(※関連記事はこちら!
⇒さわかみファンドの投資手法を自分流に改良し600万円を8000万円にした会社員の投資術とは?)
⇒ひふみ投信が高い運用成績を続けられる理由とは?「スリッパの法則」の著者・藤野英人氏が運用し、3年間で85.7%上昇の成績を残している理由を探る!)
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