IPO株の銘柄分析&予想

「ほぼ日」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のインターネットコンテンツ企業との比較や予想まで解説![2017年3月17日 情報更新]

2017年2月13日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ほぼ日(にち)
市場・コード/業種 JASDAQスタンダード・3560/小売業
上場日 3月16日
申込期間(BB期間) 2月28日~3月6日
おすすめ証券会社 SMBC日興証券丸三証券マネックス証券SBI証券カブドットコム証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 5360円(+128.09%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ほぼ日のIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 2月24日
ブックビルディング(抽選申込)期間 2月28日~3月6日
公開価格決定 3月7日
購入申込期間 3月8日~3月13日
払込日 3月15日
上場日 3月16日

ほぼ日のIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2017年2月28日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
1.7
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丸三証券 0.9
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マネックス証券
[最短2日で取引可能]
0.9
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
0.9
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カブドットコム証券
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みずほ証券(主幹事証券) 91.3  
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 2.6  
岡三証券 0.9  
SMBCフレンド証券 0.9  

ほぼ日のIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 2300
仮条件
[予想PER(※2)
2250~2350円
15.4倍~16.1倍]
公募価格 2350円
初値 5360円
初値騰落率 +128.09%
予想トレーディングレンジ(※3) 2000円~5000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2017年2月23日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 40.9倍
LINE<3938> 92.0倍(連)
パイロット<7846> 16.7倍(連)
コクヨ<7984> 14.0倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

ほぼ日の発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 225万株(予定)
公開株式数 公募25万株  売出15万株
(オーバーアロットメントによる売出6万株)
想定公開規模(※1) 10.6億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

糸井氏の知名度の高さで注目

「ほぼ日」公式サイトより

 インターネットを利用したコンテンツ提供及び商品の企画・販売を行う。1979年に著名コピーライターである糸井重里氏の個人事務所として創業し、オリジナルコンテンツ中心の無料ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を企画運営する。売上高の約7割を占めるのが「ほぼ日手帳」で、2016年版は約61万部を販売した。

 堅調な初値形成となりそうだ。糸井氏の知名度の高さから、投資家のみならず各種メディアの関心も高い。しかし、収益構造から今後どの程度成長が期待できるかは不透明である。通常のインターネットメディア企業や、成長志向のベンチャー企業とは趣が異なることに注意する必要があり、今後の市場反応を注視したい。

 公開規模については11億円程度となる見込み。糸井氏は上場後も発行済株数の28.7%を保有するが、経営を退くとなった場合は保有株の動向が注目されよう。

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◆「ほぼ日」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
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ほぼ日の業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2014/3 3,064
(―)
426
(―)
294
(―)
2014/8 717
▲ 102
▲ 64
2015/8 3,243
406
304
2016/8 3,767
(16.2%)
502
(23.6%)
305
(0.3%)
2017/8予 3,817
(1.3%)
484
(-3.8%)
329
(7.7%)
2016/11 1Q 1,678
(―)
541
(―)
353
(―)
2017/2 2Q予 2,678
(―)
703
(―)
458
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:146.22円/45.00円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

ほぼ日の業績コメント

 2017年8月期の業績は、売上高が前期比1.3%増の38.1億円、経常利益が同3.8%減の4.8億円と増収減益の見通しとなっている。

 足元の同社をとりまく事業環境要因として、個人のインターネット利用及びEC(電子商取引)利用が発展したことが挙げられる。2015年末の日本のインターネット人口普及率は83.0%となった(総務省)。また、同年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、13.8兆円(前年比7.6%増)まで拡大した(経済産業省)。

 こうした環境のもと、同社は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で毎日新しいコンテンツを発信し、引き続き同社ブランド価値の向上を図り、事業拡大に努めている。主力商品の『ほぼ日手帳』は、2017年版を自社インターネット通販とロフト各店で2016年9月より発売した。また、過去の手帳カバーを販売する「ほぼ日手帳アーカイブショップ」を初めて設けた。さらに手帳カバーとセットで購入できる本体の選択肢を増やし、顧客の利便性を向上させたことで、売上伸長につながった。

 このほか、中国のSNS「Weibo」で同社手帳の情報発信を開始し、ファン層が拡大したことで中国を中心とした海外からの受注が伸長した。その他、手帳以外ではアパレル『ほぼ日の水沢ダウン』、食品『カレーの恩返し』が最も売れた商品となった。

 なお、通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は、売上高26.7億円で70.1%、経常利益7.0億円で145.2%となっている。

ほぼ日の詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区北青山二丁目9番5号
代表者名(生年月日) 代表取締役 糸井 重里(昭和23年11月10日生)
設立 昭和54年12月24日
資本金 1000万円(平成29年2月13日現在)
従業員数 66人(平成29年1月31日現在)
事業内容 インターネットを利用したコンテンツ提供及び商品の企画・販売
■売上高構成比率(2016/8期 実績)
品目 金額 比率
直販 2,362 百万円 62.7%
卸売 1,070 百万円 28.4%
その他売上 334 百万円 8.9%
合計 3,767 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 糸井 重里 72万株 36.00%
2 池田 あんだ 48万株 24.00%
3 山本 英俊 40万1900 20.10%
4 ほぼ日従業員持株会 27万8100 13.91%
5 笠井 宏明 2万1800 1.09
5 小泉 絢子 2万1800 1.09%
5 細井 潤治 2万1800 1.09%
8 篠田 真貴子 2万株 1.00%
8 永田 泰大 2万 1.00%
10 上田 淳子 5000株 0.25%
合計   199万400 99.52%
■その他情報
手取金の使途 既存のサービスの拡充、及び、既存サービスとは異なるコンセプトの新事業立ち上げに必要な人件費及び、システム開発者及びクリエイター等の外部の協力者への人件費(=業務委託費)等、その他諸費用に充当する予定
関係会社
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日
割当先
発行価格
◆「ほぼ日」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
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ほぼ日の銘柄紹介

 同社グループは、同社、子会社1社(株式会社気仙沼ニッティング)、及び関連会社1社(株式会社エイプ)により構成されている。

 オリジナルコンテンツ中心の無料ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を企画運営して集客し、オリジナル企画の文具及び日用雑貨等を、「ほぼ日刊イトイ新聞」内のインターネット通販で個人に販売し収益を得ることを主要事業としている。主力商品の『ほぼ日手帳』並びにその他一部の商品及び書籍は、卸販売も行っている。

 収益源となる商品販売は、同社売上高の約7割を占める『ほぼ日手帳』や、書籍、アパレル、食品、家庭用品等の生活関連の商品が中心である。これらは自分たちの普段の生活からの考察と、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」上で接する読者・ユーザーに関する考察、さらに「ほぼ日刊イトイ新聞」読者以外の生活者の動向についての考察をすり合せることで企画される。

 ジャンルは様々だが、全て日常生活を対象とした商品である。これら商品を、企画段階から開発プロセスを含めて自社ウェブサイト上で紹介し、販売まで行っている。

 「ほぼ日刊イトイ新聞」では、商品紹介の他、エッセイ、対談、インタビュー記事等、オリジナルの読みものを、1998年6月の開設以来、毎日更新し掲載している。読みものは、日常生活に根差している点で販売商品とコンセプトが近く、時流を追わずいつでも楽しめる息の長い内容や、人と社会への肯定感に根差した姿勢のコンテンツが中心である。このことが多様な生活者に支持されている。

 「ほぼ日刊イトイ新聞」上で集客を行い、自社が企画・開発した商品を紹介し、直接顧客に販売することで、同社は顧客からの反応を得られやすい環境にある。商品を購入した顧客が示す反応に考察を加え、さらに商品を改良して販売する、という循環を重ねることができ、これが同社の商品の独自性につながっている。

 これまで蓄積してきた考察を活かして、顧客が「読みたい」「欲しい」「周りに勧めたい」と感じ自ら行動をおこすような、オリジナルコンテンツ、オリジナル商品の企画制作に経営資源を集中しており、これが同社の事業の独自性だと考えられる。

 改良と販売の循環を積み重ねた結果、商品のうち『ほぼ日手帳』や書籍等、自社のウェブサイト以外でも販売の可能性があると判断したものは、自社以外の販路へ卸しており、「ほぼ日刊イトイ新聞」読者とは異なる、新たな顧客を生んでいる。

 「ほぼ日刊イトイ新聞」以外では、リアル店舗とイベントスペースで構成される「TOBICHI(とびち)」を設けている。「TOBICHI」では外部のクリエイターとコラボレーションしたイベントの開催等で集客し、ウェブサイト上の商品を販売している。イベントを目的に来場する客が多く、同社にとってはウェブサイトとは違う新たな顧客との接点として、新しい商品、コンテンツのきっかけを生んでいる。

 新たな取り組みとして、犬や猫の写真SNSアプリ「ドコノコ」を配信し、「ほぼ日刊イトイ新聞」とは異なったコンセプトで新たな顧客層を獲得するサービスを提供している。

ほぼ日の投資のポイント

 堅調な初値形成となりそうだ。代表取締役である糸井氏の知名度の高さから、投資家のみならず各種メディアの関心も高い。新聞等で大きく取り上げられており、「ほぼ日刊イトイ新聞」「ほぼ日手帳」のファンを含めた幅広い投資家の参加が見込まれる。公開規模はさほど大きくなく、需給面も比較的良好と言える。

 反面、「ほぼ日手帳」を中心とした収益構造で、今後どの程度成長が期待できるかは不透明である。また、かつて一部メディアが糸井氏へのインタビュー記事のなかで、"上場を考えるのは会社を残すためであり、上場すれば株価の上昇や高い配当を迫られるが、そうじゃない株主もいるはず"といった主旨の発言を伝えており、どの程度投資家の共感を呼ぶことができるかが焦点となるだろう。広告掲載や他社サービスへの送客を収益の柱とする通常のインターネットメディア企業や、成長志向のベンチャー企業とは趣が異なることに注意する必要があり、今後の市場反応も注視したい。

 同社は、1979年に著名コピーライターである糸井重里氏の個人事務所として創業した。現在はオリジナルコンテンツ中心の無料ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を企画運営して集客し、オリジナル企画の文具及び日用雑貨等を「ほぼ日刊イトイ新聞」内のインターネット通販で直接個人に販売し、収益を得ることを主要事業としている。

 売上高の約7割を占めるのが「ほぼ日手帳」で、2016年版は約61万部を販売した。中国を中心とした海外への販売が増加しているという。また、新たな取り組みとして、犬や猫の写真SNSアプリ「ドコノコ」を配信し、「ほぼ日刊イトイ新聞」とは異なったコンセプトで新たな顧客層を獲得するサービスを提供している。

 業績面について、2017年8月期は売上高が前期比1.3%増の38.1億円、経常利益が同3.8%減の4.8億円と増収減益の見通しとなっている。直近数期の業績推移を見ても右肩上がりのトレンドとは言えない。第3四半期までの進捗率は経常利益7.0億円で145.2%となっているが、「ほぼ日手帳」は商品の性質上、例年秋から冬に多く購入され、春から夏には販売が低調になる季節性がある。営業利益に関しては上期が黒字、下期が赤字になる状況にあるという。想定仮条件水準の今期予想PERは15~17倍程度で、文具大手とおおむね同水準となっている。

 公開規模については11億円程度となる見込みで、ベンチャーキャピタル保有株は確認されない。3/16はうるる<3979>が同時上場するが、軽量感からほぼ日に初値買いが向かいやすいと考えられる。なお、糸井氏は上場後も64万5000株(上場時発行済株数の28.7%)を保有するが、同氏が経営を退くとなった場合は保有株の動向が注目されよう。

◆「ほぼ日」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
SMBC日興証券[最短3日で取引可能]
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丸三証券
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◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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