前回当コラムで、日経平均株価について、「積極的な運用スタンスに転じるのは、(1)ここから急激な下落が発生し25日移動平均線からのマイナス乖離率の絶対値が大きくなり、リバウンドが見込めるタイミング。または、(2)25日移動平均線を上回り、多くの短期スタンスの投資家が平均的に評価益になり、投資家のマインドが改善して、地合いが好転するまで、待ちましょう。」としましたが、その後の1月10日に、(2)が実現しました。
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1月10日の日経平均株価は、前日比471.26円高の1万9378.93円で、25日移動平均線(1月10日現在1万9109.39円)をあっさり、且つ、大幅に上回りました。よって、既に、多くの投資家は、積極的な運用スタンスに転じているはずです。
トランプ大統領の税制改革への期待や
日米首脳会談が無事終了したことを、投資家が高評価
1月10日に日経平均株価が急騰した背景は、強い米国株とドルでした。1月9日は、米国の主要3株価指数(ダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数)が揃って過去高値を更新しました。
トランプ大統領が、1月9日の米航空会社幹部との会談で、今後2〜3週間以内に税に関する計画を発表すると述べたと伝わったことが、好感されました。そして、1月9日のNY円相場は大幅反落し、前日比1円30銭円安・ドル高の1ドル=113円20~30銭でした。
そして、日本時間1月9日まで多くの投資家に心配されていた日米首脳会談は、通商政策や為替水準に対する米国側の指摘がなかったため、終わってみれば完全に肩透かしで、様々な事前に駆け巡った心配事は杞憂に終わりました。
もちろん、日米両政府は財政・金融や貿易・投資などを広く協議する経済対話の新設で合意したため、問題が先送りされた感はあります。しかしながら、日米首脳会談は友好的に終わり、波乱なく無事通過したことを、多くの投資家は素直に好評価していると思います。
また、週明け1月13日の米国の主要3株価指数は、揃って過去高値を更新しました。米国株高持続の背景は、トランプ米大統領が近く税関連の重要な発表を行うことへの期待が継続していることに加え、米連邦準備理事会(FRB)が1月10日、金融規制強化に積極的だった、金融規制の担当のタルーロ理事の4月上旬での退任を発表したことで、金融規制緩和が加速するとの期待も高まったためです。
金融機関の自己勘定取引を規制するドッド・フランク法の見直し実現確度の高まりで、ゴールドマン・サックスの1月13日の株価は一時1.96%高の247.48ドルまで上昇し、終値は前日比3.55ドル(1.46%)高の246.27ドルと、2007年の金融危機につけた250ドルに迫っています。
このように、トランプ氏の経済政策(トランプノミクス)を好感した、「トランプラリー」が米国株式市場で継続しているため、日本株も強い動きを続けることでしょう。
日本株について、先行きに弱気というか、慎重になるのは、日経平均株価が25日移動平均線を割り込んでからで遅くはないと考えます。逆に、上回って推移している間は、積極的にリスクテイクして、株式投資での収益獲得を目指すべきでしょう。
トランプ大統領の政策への感情を排し
粛々と売買を続けた個人投資家が、利益を積み上げる
ですが、対面営業の現場の証券マンへのヒアリングベースでは、このトランプノミクス相場に乗れていない個人投資家は非常に多いそうです。
というのは、お客さんのトランプ大統領への嫌悪感、不信感がメチャクチャ強いため、株式投資に前向きになれないというか、前向きにならない投資家が予想以上に多いとのことです。だから、米国株式市場が上がろうが、日経平均株価が強い動きを続けようが、証券営業の現場は全く盛り上がってこないそうです。
また、昨年11月以降ここ最近までで、売れるものは売り払ったため、残りは塩漬け銘柄ばかりで、お客さんの損益状況も良好とは言い難く、メチャククチャ儲かっている投資家は少ないそうです。
ただ、私の周りの小型株を中心に短期売買を行う専業トレーダー達は、足元で相当な利益を積み上げているようです。つまり、対面営業の証券会社の現場とは全く景色が異なっています。
彼らは、トランプ大統領に対して特段の感情は持たず、粛々とハイボラの小型株をアクティブに売り買いしています。主戦場は、東証マザーズ、ジャスダック、東証2部で、とにかく強い銘柄群を手掛けています。具体的には、上場来高値や昨年来高値を更新しているような株価モメンタムが良好な銘柄群を、「順張り」で追いかけています。
一般的な個人投資家は「逆張り」大好きですが、私の周りのトレーダーは高値追い、すなわち、「トレドフォロー」が大好きです。
株式市場が順調な間は、
素直にトレンドフォローで波に乗ろう
私は、「トランプノミクス相場」が継続している期間中は、「順張り」戦略を推奨します。とにかく、弱い銘柄は無視、アンタッチャブル。強い銘柄だけに注目して、手掛けましょう。
主力株については、「順張り投資」を止めて慎重な運用スタンスに転じるのは、ここから下落が発生し、日経平均株価が25日移動平均線を割り込んだタイミングです。
一方、新興株を中心とした小型株に関しては、日経ジャスダック平均株価が25日移動平均線を割り込むまでは、原則として「順張り投資」を継続するべきでしょう。
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ちなみに、1月13日の日経ジャスダック平均株価は、前週末比14円84銭高の2903円41銭と、連日で昨年来高値を更新しました。日経ジャスダック平均株価が、このような強い動きを続けている期間中は、とにかく、株式投資に前向きに取り組み、「順張り」で戦いましょう。
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強い銘柄に的を絞って積極的にトレードしよう
現状のような良好な投資環境にもかかわらず、多くの対面営業のお客さんたちのように、現金を積み上げ、様子見に徹するのは、非常にもったいないと思います。是非、私の周りの専業トレーダー達のように、強い銘柄だけに的を絞り、積極的に相場に参加してみてください。
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