闇株新聞[2018年]

なぜ急騰していたかを考えればわかるビットコインと仮想通貨の今後の展望闇株新聞が気づいた「仮想通貨の相場観」

2018年1月26日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
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ビットコインが急落しました。1月15日高値から1月17日安値ではドル建てで最大36%、円建てで最大42%の大幅減でした。他の仮想通貨も同様(あるいはそれ以上)の急落に見舞われ、投資家の間には「激震」が走りました。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では「なぜ急落したかより“なぜ急騰していたか”を考えるほうが本質が見えてくる」として、ビットコインと仮想通貨の今後の展望について解説しています。

なぜ急騰していたかを考えればわかる ビットコインと仮想通貨の今後の展望 闇株新聞が気づいた「仮想通貨の相場観」

急落したといっても「1年で22倍」が
「1年で13倍」になったにすぎない

 ビットコインをはじめとする仮想通貨が急落した理由については「値動きにつられた新規投資家が大挙参入して身の丈以上に買いすぎていたため、パニックになった」としかいいようがありません。

 そもそもあんなに急騰していなければ、こんなに急落することもなかったのです。急落の原因をあれこれ論ずるより「なぜ急騰していたのか?」を考える方がはるかに重要です。

 2017年4月、金融庁は仮想通貨全般を「資金決済法」の対象にしました。それまで「モノ」であった仮想通貨を「通貨」と同等にして規制をかけたのです。これが「金融庁がビットコインを始めとする仮想通貨に“お墨付き”を与えた」ように見えて、上昇に加速がつきました。ちなみにこの頃は1ビットコイン=1000ドル前後でした。

 それから、分裂騒動(2017年8月)、中国政府の規制強化(2017年9月)、JPモルガンCEOの「ビットコインは詐欺」発言など幾度か大幅下落はありました。が、いずれも一時的な“押し目”を作ったに過ぎず、すぐに反発に転じて12月初旬に1万ドル、同月中旬には2万ドル近くまでぐんぐん上昇していました。

 そして今回の急落です。1ビットコインは1万4000ドル台から9300ドルあたりまで下落。直接の原因は中国・韓国政府が仮想取引全般を規制するとの観測でしたが、昨年までならほとんど反応すらしなかった材料です。

 その意味では「今回の下落は違う」と言う人もいます。しかし、急落したといってもまだ「1年で13倍になった」状態でしかありません。

 ちなみに、この間の金価格は1.1倍(1オンス=1200ドル→1330ドル)、WTI原油価格も1.2倍弱(1バレル=537ドル→64.0ドル)にしかなっていません。基軸通貨・米ドルに至っては13%も下落(103.82→90.31/ICEドルインデックス)しています。

 FRBが年3回の利上げと保有資産縮小に踏み切っている中で、このドル安は腑に落ちません。本来、ドル安であれば上昇するはずの金や原油の上昇もわずかでしかなく、違和感があります。

米ドル安対策として買われているが
将来的には今よりずっと安くなる!?

 そこでビットコインに話を戻します。昨年(2017年)1年間のドル安は、仮想通貨全般の価格を押し上げたはずです。過剰な資金が向かったのもありますが、昨年1年間がドル高だったら、ここまでの資金集中・価格上昇はなかったでしょう。

 もちろん、1年で13倍とか(最高値で見た)22倍などは「とんでもなく買われ過ぎ」ですから、ドル安の避難先とはいえ、今回のようなスピード調整(時には急落)が何回か起こるのは当然です。

 では、この先もビットコインなど仮想通貨が基軸通貨であるドルに置き換わっていくのかといえば、それも違います。理由は明確、ドルに限らず通貨とはすべて国家が発行して管理するもので、その価値を維持するのも国家の重要な役割です。

 ところがビットコインなど仮想通貨は、基本的に発行者あるいは管理者が誰だかわかりません。となると、通常の通貨であれば国家に帰属するはずの「通貨発行益」が“誰だかわからないグループ”に奪われていることになります。

 各国にはビットコインなど仮想通貨を保護して拡大させる「動機」が全くなく、そのうち世界中で規制だらけになるでしょう。

 ドル安が止まらなければ、まだまだビットコインなど仮想通貨への資金の流れは続くかもしれません。しかし、将来的に落ち着く価格水準は現在の(急落後の)価格よりもかなり低いと思われ、どこかの時点で採掘コストが合わなくなって成長が止まると見ています。

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