2018年の株式市場は日経平均株価の大幅上昇からスタートしました。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム」では昨年末から「2018年相場で起こりそうで起こらないこと」を特集しています。「物価上昇目標の2%は達成されるのか」「トランプの米国第一主義は“悪いドル安”を招くのか」など闇株独自の視点から分析されていますが、本連載ではその中の1テーマ「好調な株式市場が下落に転じる懸念」について取り上げます。
米大統領選直前の安値から日本株は4割上昇!
「灰色のサイ」が暴れ出さなかった理由は?
本紙は昨年始めから「2017年はバブル元年」と主張して株価上昇を予想しました。米国大統領選直前の安値から先週末(2016年11月4日~2018年1月6日)の株価上昇率を比較すると、NYダウとNASDAQ総合指数が41.4%、日経平均が40.2%、DAXが29.8%、英国FTが15.4%、イタリアが39.5%、上海総合が8.5%、ハンセンが36.1%、新興国ではブラジルが28.3%、トルコが57.0%、インドが25.2%などとなっています。
バブルになると考えた理由は世界経済はなかなか本格的に回復せず、リーマンショック以来の世界的な金融緩和・量的緩和が想定以上に継続、実体経済に向かわないマネーが株式市場に向かうと考えたからです。その意味で株価上昇は当たりましたが、秋頃から「そろそろ警戒感を引き上げるべき」と考え、12月には本連載でも「灰色のサイ」(相場に潜む懸念材料のこと)についての記事を出しました。
参考記事:
・大暴落をもたらしかねない不吉な存在、相場に潜む「灰色のサイ」に警戒せよ(2017年12月1日記事)
・2017年最大の「灰色のサイ」が再浮上!? 世界的株価上昇の根拠がいよいよ消滅か(2017年12月8日記事)
これはすぐに株式市場が下落するという主張ではありませんでしたが、世界の株式市場はそこからさらに上昇を加速させ現在に至ります。少なくとも2017年10~12月は「まったく予想通りではなかった」ことになります。
本紙はFRBが2017年10月から取り掛かるとした保有債券の縮小が「最大級の灰色のサイ」と考えていました。なんといってもリーマンショック以降に世界の株式市場をここまで上昇させた最大の要因が、量的緩和であったからです。ところが実際には、2017年9月末から2017年12月末までFRBの保有債券は「まったく」減っていません。これが株式市場の読みが「まったく予想通りではなかった」理由と分析しています。
急上昇すれば急下落のリスクが心配に…
注視すべき悪材料が現実になる可能性は!?
それでは世界の株価上昇が2018年中に止まる確率はどれくらいあるのでしょう? 世界の株式市場は「灰色のサイ」が山ほど集まってきているにもかかわらず上昇を続け、本年に入ってからはさらに加速しています。世界的に企業業績は好調で、経済全般に回復を示す指標も出ているため、引き続き懸念材料はあるものの今のところ株式市場が急落に見舞われる可能性はなさそうです。
注視しておくべきは「日本の消費者物価」「ICEドルインデックス」「FRBの保有資産額」あたりでしょうか。「消費者物価」の上昇は、国債市場の混乱を招き株式市場にも悪影響を及ぼします。「ICEドルインデックス」は“悪いドル安”を見極めるためですが、2018年に限れば気にしなくていいかもしれません。
問題は「FRBの保有資産額」です。FRBが公表した通りであれば、2017年10~12月は毎月100億ドルずつ減少し、2018年1~3月は毎月200億ドル減ることになっています。が、先述の通り現在までのところ、これは「灰色のサイ」として大人しくしています。
2018年前半の日本株に絞って考えれば、日経平均は年初に1000円近くも上昇しここから横這いトレンドに入るとしても(また先ほど書いた悪材料が急に出てきたとしても)下落のトレンドに転じるまでは「かなりの時間」がかかるはずです。
本年3月頃まではこれ以上の急上昇は考えにくく、横ばいトレンドに入る可能性が最も高い。レンジを設定するなら2万2000~2万5000円手前まで。某経済紙に出ている専門家の予想と変わりませんが、現時点で言えることはこれだけです。
いま世界にはどんなリスクがあり、金融市場は何を警戒しているか。投資家にとってそれが「起こらないこと」を予想するのは「起こりそうなこと」を予想するのと同じくらい重要です。来週以降は「ビットコインなど仮想通貨の2018年の展望」についても取り上げられる予定。ますます熱く・濃く・充実する刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』にご期待ください。
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