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日経平均株価は「米中貿易戦争」で調整局面に突入!?メルカリ上場(初値は5000円)で投資資金が流入した新興市場の内需系中小型株、直近IPO株を当面は狙え!

2018年6月19日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 各国が高関税をかけあう「貿易戦争」に突入し、世界経済成長の下押しリスクが高まっています。このような状況を受け、18日までNYダウ(ダウ工業株価平均指数)は5日続落しました。

■NYダウ(ダウ工業株価平均指数)チャート/日足・6カ月
NYダウ(ダウ工業株価平均指数)チャート/日足・6カ月NYダウ(ダウ工業株価平均指数)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ちなみに、15日、トランプ米政権は、中国の知的財産権侵害への制裁措置として、500億ドル分の中国製品に25%の追加関税を課すと発表しました。まず、7月6日に340億ドル分の制裁関税を発動し、残りの160億ドル分は時期を検討するということです。これを受け、中国はすぐさま米国製品に同額の報復関税を課すと表明しました。

 また、米トランプ政権は日本や欧州、カナダなど同盟国にも鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を課しています。この対応として、EUやカナダは大型二輪車などの米国製品に7月から報復関税を課すと表明しています。なお、米商務省は安全保障を理由に自動車にも追加関税を課す検討を開始しています。

トランプ政権は、本気で
中国製品に追加関税を課す可能性が高い

 確かに、市場の一部では、米中の関税措置発動はともに7月6日まで見送っているため、交渉・妥協の余地が残っているとの見方はあります。しかしながら、ここは慎重に、トランプ政権は11月の中間選挙を控えて「米国第一主義」を貫く可能性が高いとみておいた方がよさそうです。

 こうなると、東京株式市場では、外需関連の主力株は冴えない値動きを余儀なくされるでしょう。そして、外需関連の主力株は値嵩株が多く、時価総額が大きいので日経平均株価やTOPIXなどの株価指数も調整色が強まりそうです。そのため、短期資金は外需株を避け、内需株に流入する見通しです。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ただし、内需系でも、大型株はインデックス売買や、裁定取引の影響を受けやすいため、中小型株が選好されると考えます。つまり、当面の物色の柱は、内需系中小型株ということになるでしょう。

当面は、新興市場の
「内需系中小型株」を狙え!

 その代表格は新興市場とみています。投資資金の呼び水は、19日に東証マザーズに新規上場した、フリーマーケットアプリの「メルカリ(4385)」でしょう。前人気は非常に高く、大手ネット証券の抽選で200倍を超える倍率だったそうです。また、上場前の需要調査では海外の投資家からの引き合いが強く、販売株数を積み増した経緯があるほどです。

 ちなみに、公開価格は仮条件の上限である3000円でしたが、高い抽選倍率を考慮すれば、上場前に同社株を入手できなかった投資家は多いため、上場時に市場で購入したい投資家の買いが殺到し、初値は公開価格を大幅に上回って、5000円を付けました。

 この結果、公募組の回転が効き、また、初値参加組の資金がマザーズに流入したはずです。そのメルカリ効果で、マザーズの売買代金が急増した後も、いったん流入した資金はマザーズ市場内にとどまり、他の直近IPO銘柄や新興銘柄の投資資金になることが期待されます。

直近IPO株の「銘柄選び」と「売買」で
守るべきルールとは?

 ところで、私の周りの多くの専業投資家は、今週以降しばらく、メルカリなどIPO銘柄以外は弄らないと、口を揃えて言っています。

 直近IPO銘柄は売買代金が膨らんで流動性が高い上、値動きが非常に激しくボラティリティーがメチャクチャ高い。そのため、短期売買の投資対象としては魅力的だから、当然といえば当然です。逆に言えば、その値動きの激しさから、初級投資家には、扱いが難しいと思われがちです。まあ、あなたがプレッシャーに弱く、激しい値動きにハラハラドキドキして耐えられないのなら、値動きが緩慢な低ボラ銘柄だけを弄ればよいでしょう。

 しかしながら、足元の投資環境を総合的に判断すると、短期資金が流入してくいるのは消去法で直近IPOしか見当たらないと、私のように考えるなら、健康面や宗教上の問題がないならば、やはり、それを弄るしかないと思います。

 ただし、直近IPO銘柄ならなんでもかんでも手を出せばよいわけではありません。「人気の高い」直近IPO銘柄だけを売買対象にしましょう。具体的には、初値が公開価格を上回った銘柄だけを狙いましょう。

 また、初値示現後、初値を割り込んだら、さっさと損切りし、当該銘柄が再び初値を上回らない限り、一切、弄るのをやめましょう。そして、上場後5日間経過した銘柄に関しては、5日移動平均線を上回った銘柄だけを対象にし、割り込んだ銘柄は、当該銘柄が再び5日移動平均線を上回らない限り、一切、弄るのをやめましょう。

こんな個人投資家は
直近IPO銘柄を買ってはいけない

 以上は私の基本的な売買ルールですが、あなたはこれに縛られる必要は一切ありません。ただし、あなたなりの弄るべき銘柄の条件などを、あらかじめ設定して、直近IPO市場に参加することをおすすめします。

 直近IPO銘柄は当然のことながら上場間もないため、地相場(一定の相場水準のときに、ある銘柄の自然に落ち着く水準と目される相場)が確定していません。だから、値動きの激しい直近IPO銘柄の売買は、極めて投機色(博打的側面)が強くなる傾向があるのです。ですから、他の既存上場銘柄群を弄る場合に比較して、厳格な売買ルールを設定しておくべきであると、私は考えています。

 とにかく、私が一番やってはいけないと思うことは、「人気の離散した直近IPO銘柄」の塩漬けです。これをやってしまうと、下手すれば相場から一発退場してしまう可能性が高いため、簡単に死ねます。このため損切りは極めて重要だと頭でわかっていても、それができない投資家は決して直近IPO銘柄に近づいてはいけないと思います。

 正直、1月下旬以降の今の今まで、多くの個人投資家にとって、「買い」で儲けるには難易度の高い相場が続いていると感じています。とりわけ、新興市場を中心に売買している個人にとっては、本当にそうでしょう。

 しかしながら、今回のメルカリ上場をきっかけに、少なくとも「直近IPO祭り」が開催され、上手くいけば、新興市場のサマーラリーにつながる可能性も高いのです。よって、ここは積極的な市場参加で収益を追求するべきタイミングと考えます。是非、夏休みのレジャー資金を新興市場から調達してください。

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