ジョンソン&ジョンソンのリコールなどがあったものの、
S&P500指数は過去最高値から−1.4%まで肉薄!
先週10月18日(金)のニューヨーク株式は、ジョンソン&ジョンソン(ティッカーシンボル:JNJ)のベビー・パウダーが一部リコールされたというニュースと、ボーイング(ティッカーシンボル:BA)が新型機737MAXの欠陥に関して連邦航空局に誤解を招く説明をしたというニュースのダブルパンチで急落しました。
しかし、S&P500指数は2,986.20で、今年7月26日につけた過去最高値である3027.98から-1.4%の水準に肉薄しており、最高値更新の夢が消えたわけではありません。
S&P500指数チャート/日足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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NY市場の堅調さは広範な銘柄の上昇に支えられており、投資家が景気のソフトランディングへ自信を深めている様子をうかがえます。
ヘルスケア株や消費安定株に代わって、
最近はハイテク株や金融株が人気に!
このところ動きがいいセクターとしては、半導体などのハイテク株を挙げることが出来ます。加えて、先週発表されたメガバンクの決算が総じて良かったことを受け、金融株も堅調です。
言い直せば、今買われているのは下のセクターダイヤグラムの青色に属するグループだということです。
これと対照的に、ヘルスケア株や消費安定株は、歴史的なバリュエーションに照らして割高に買われているだけでなく、チャート的にも高値から反落し始めたものが多いです。つまり、ウグイス色のグループから青色へとセクター・ローテーションが起きているのです。
このセクター・ローテーションは、景気の出直りを株式市場が一足先に織り込みに行こうとしていることを示唆しており、セオリー通りの展開だと言えます。
製造業に対するセンチメントが悪化する一方、
消費者マインドが堅調である理由とは!?
去年から今年にかけて、製造業に対するセンチメントがどんどん悪化した一方で、消費者のマインドはずっと堅調であるという状況が世界的に見られました。
その一因は、米中貿易戦争にあると思います。貿易交渉の先行きが不透明なので、企業の経営者は大胆な先行投資に踏み切るとこができず、関税が引き上げられるにつれて世界の貿易も不活発になる……そんな悪循環がこのところずっと続いてきたのです。これは世界の製造業を直撃しました。
その反面、貿易にあまり関係ないのサービス業は好調です。先進国の場合、雇用は主にサービス業によって創出されるため、雇用は各国とも安定しています。それが消費者のマインドにもポジティブに作用しているというわけです。
アメリカの場合、消費はGDP(国民総生産)の70%を占めているので、消費が堅調な限り深刻な景気後退が起こるリスクは低いでしょう。
世界的な利下げの流れにより、
実質金利がゼロに近づいて「シクリカル株」が見直される!
いま世界の中央銀行は政策金利を引き下げています。これは株価の下支え要因だと言えます。また金利からインフレ率を引き算した実質金利が限りなくゼロに近づいているので、過去の経験則から言えば、こういうときはシクリカル株(景気敏感株)が見直されやすいです。
リスク資産のバリュエーションが安くなっている局面では、
積極的にリスク・テーキングすべき!
このところの国際情勢のニュースに怖気づいた投資家は、リスク資産をアンダー・ウエイト(比率を引き下げ)しているので、いまはリスク資産のバリュエーションが安くなっています。つまり、積極的にリスク・テーキングすべき局面だということです。
具体的には、ハイテク株、金融株を中心にポートフォリオを組み立てたいと思います。銘柄としては、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(ティッカーシンボル:AMAT)、KLAテンコア(ティッカーシンボル:KLAC)、アップル(ティッカーシンボル:AAPL)、JPモルガン・チェース(ティッカーシンボル:JPM)などに妙味があると思います。
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