相変わらず、米国株式市場は絶好調です。
11月18日のNYダウは続伸し、前週末比31.33ドル高の2万8036.22ドルと、前週末に続けて過去最高値を更新しました。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同9.109ポイント高の8549.938と連日で過去最高値。さらに、S&P500種株価指数も上昇し、こちらも過去最高値を更新しました。このように主要な3株価指数がそろって過去最高値を更新しています。
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米国株が好調な理由は「米中貿易協議への楽観論」と
「FRBに対する強力な信頼感」
絶好調の主因は、不透明感があるとはいえ、米中貿易協議に対する根強い楽観論です。確かに、米国のCNBCは11月18日、「北京側の雰囲気は悲観的だ」と報じました。しかしながら、新華社通信は「第1段階の合意を巡り、それぞれの核心的な懸念について建設的な協議をした」と報じています。また、15日には、クドローNEC委員長が米中貿易協議について「合意に近づいている」と述べ、ロス米商務長官も「両国は詳細を詰めている」と話したと報じられています。
以上の発言や報道から、米中は遅かれ早かれ合意する可能性が高そうです。ただし、発動済みの追加関税の段階的な撤廃について、トランプ米大統領が「合意していない」と11月8日に述べたため、両国の交渉がやや難航していることも間違いないようです。
米国株が堅調なもうひとつの理由は、FRBに対する市場の強力な信頼感です。パウエルFRB議長は11月13日、議会証言に臨み、「米経済の拡大は11年目に入っており、基本となる見通しは良好だ」「金融政策は現状が適切だ」「物価上昇率が高まるより、低い物価上昇率が続くリスクの方が高い」などと述べました。これを受け、市場は、FRBは当面は利上げに動くつもりがないと受け止めました。
海外投資家が“売り越し”に転じない限り、
日本株は「下がり難く、上がりやすい」状況が続く
このように米国株式市場が非常に強い動きとなっているため、海外投資家のリスク許容度が高まっています。このため、リスク資産である株式の購入意欲も旺盛です。そしてそれは日本株にも当てはまっており、海外投資家は日本株を買い越し続けています。
11月第1週(5~8日)、海外投資家は日本株(現物株)を4602億円買い越しました。買い越しは6週連続です。また、日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は1640億円でした。買い越しは4週連続です。この週、現物株と先物の合算では6242億円の大幅買い越しとなりました。
海外投資家が売り越しに転じてこない限り、日本株は下がり難く、上がりやすい状況が続く見通しです。
大手証券会社の分析通りなら、
年末まで円高に振れにくく日本株は堅調に推移する!
ところで、一部大手国内証券の「中間配当再投資とリパトリ」に関するレポートが話題になっています。「リパトリ」とは「リパトリエーション」の略で、企業などが海外に投資していた資金を本国に戻すこと意味します。このレポートによれば、約7000億円規模の「先物売り+現物買い」が約3週間にわたって行われそうです。また、海外資金を日本株で運用するファンドでは、本国で年末までに分配金支払を行うことが多いことなどで、年末にかけてはドル高になりやすいと指摘しています。
この分析・指摘通りなら11月いっぱい、もしくは年末までは、円相場は円高に振れにくく、日経平均株価も堅調に推移することでしょう。
現時点において、米中の貿易協議が「まさかの決裂」となること以外、日米株式市場が急落する材料は見当たりません。ただし、なんらかのきっかけで海外勢が利食い売りに転じるリスクはあります。そのケースでは、所謂「スピード調整」ということになるでしょう。
それでも、日経平均株価が25日移動平均線(11月18日現在2万2858.95円)を割り込まない限り、「スピード調整」を心配する必要はないとみています。
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ネット上に流れる“怪しい情報”では絶対に勝てない!
ガセ情報と気づいたら、迷わずに売ろう
それにしても、市場関係者や個人投資家へのヒアリングベースでは、現在の上昇相場に乗れていない個人が非常に多いそうです。例えば、11月18日夜に話をした、ある投資顧問会社の社長は、「最近の無料銘柄相談スリートップは、ソフトバンクグループ(9984)、アエリア(3758)、LIXILビバ(3564)だよ。この3銘柄に対する相談数がダントツに多い。なお、この3銘柄に限らず、多くの個人は急落しても持ち続ける傾向あるため、塩漬け銘柄を抱えて動けない投資家が多い」と言っていました。
ちなみに、アエリアとLIXILビバに関しては、先週末あたりに、出所・真偽が不明な「TOB観測」が市場の一部で流布されていたようです。しかしながら、そのような事実および会社から発表がなかったため、この情報を信じて買った投資家が失望し叩き売ったとみられています。
賢明な個人投資家の皆さんは、この手の怪しい情報に惑わされて、安易に株を買わないようにしましょう。そんな根も葉もない噂を耳にした際には、「そんな重大なインサイダー情報のようなものが、投資家ヒエラルキー最下層の自分ごときの耳に入ってきたということは、これは、すでに市場に広く流布された誰もが知っているガセ情報だな」と考えるようにしましょう。
現在、ツイッターなどを介して、根も葉もない、または根拠の乏しい観測情報が数多く拡散しています。もちろん、その星の数ほどある情報の中には、キラリと光る情報、貴重な分析、有益なコメントもあるでしょう。しかしそれは、「確率的に1万個の中に1個あればいい方だ」と考えるべきです。とりわけ、インサイダー情報にカテゴライズされる重要情報に関しては、ほぼすべてが「眉唾情報」だと認識しておきましょう。
なお、万が一、この手のガセ情報で買ってしまったら、「あっ、あれはガセだった!」と気付いたときに即投げましょう。「ちょっと待ったら戻るかも」と考えてはいけません。
また、株価急落後、不安になったあなたが情報提供者に「どうなっているのか?」と尋ねると、「私も下がって苦しんでいる。ちょっと待って。俺もネタ元に聞いてみるから」と答え、その後、「発表がちょっと遅れているだけみたいだよ」なんて言ってきます。そんな話を聞いて、「それなら、それまで売らずに待つか」なんて考えてはいけません。多くの場合、そんな材料はいつまでたっても出ません。
多くの場合、その待っている間に、あなたと同じ情報で買った投資家の見切り売りで、株価はジリジリと下がり、評価損は日を追うごとに膨らむでしょう。
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⇒「あおり運転」対策として需要が高まる「ドライブレコーダー」関連銘柄を解説! 道交法改正が検討されるなど、「あおり運転」対策は重要な政策テーマ!
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