最近、ドライブレコーダーの販売が好調ですが、その一因とされるのが「あおり運転」です。
2017年6月、東名高速道路で「あおり運転」により無理やり車が停止させられ、乗っていた夫婦が死亡した事故が起こりました。2019年8月には、常盤自動車道で「あおり運転」をした上、被害者に暴行するという衝撃的な事件が起きて大きな話題となりました。さらに2019年9月には、東名高速道路で「あおり運転」の末に運転席からエアガンを発射した「エアガンあおり運転事件」が発生しました。
こうした「あおり運転」による凄惨な交通事故がきっかけとなり、ドライブレコーダーの装着率が一気に高まったのです。
実際、「あおり運転」の発生数は増加しているようです。日本アンガーマネジメント協会が発表した調査結果によると、「あなたは、運転をしている際に、あおり運転や急な割り込みなど、周りの車に危険な運転をされたことがありますか?」という質問に対して「ある」と答えた人の割合は、2018年の76.0%から2019年の83.1%に増えています。一方、「あおり運転をしない/されない対策として、どのようなことをしていますか?」という質問に対して、61.4%の人が「何もしていない」と回答しています。
また、警視庁の集計によると、各都道府県公安委員会が「あおり運転」を対象に2018年の1年間に免許停止の行政処分を下した事案は過去最多でした。こうした動きを踏まえ、先週、ついに警察庁が悪質な「あおり行為」に対する対策案を検討していると報じられました。報道によると、現状の制度では「事故を引き起こす危険性が高い」と判断された運転手に対して「免許停止」が最も重い処分となっていますが、今回、警察庁は「免許の取り消し」の適用を検討しているとのことです。
「あおり運転」に対する社会的関心が高まったことで、
市場でも「ドライブレコーダー」関連銘柄に注目が!
このように「あおり運転」に対して社会的関心が高まるにつれ、株式市場でも「ドライブレコーダー」の関連銘柄に関心が集まっています。
例えば、カー用品を販売するカーメイト(7297)の株価は、2017年6月に起きた「あおり運転」の事故をきっかけに上昇し、600円前後から10月には2000円を突破しました。その後、株価は調整を見せていましたが、2019年8月に別の事故が発生した後にも770円前後から1089円まで急伸しました。
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このように、テーマ株は話題が高まったときに大きく上昇し、その後は次第に値を下げる傾向にあります。「ドライブレコーダー」関連銘柄も同様で、「あおり運転」による事故が話題になったときは株価が大きく上昇するものの、足元では調整を見せている銘柄もあります。
ただ、カー用品の量販店では、現在も「ドライブレコーダー」の高い需要が続いており、「ドライブレコーダー」を搭載する自動車は今後ますます増えていくと考えられます。また、警察庁は2020年の通常国会で道交法改正を視野に入れているとも伝えられており、通常国会が召集される来年1月に向けて、「ドライブレコーダー」の話題性が高まることも手掛かり材料になりそうです。
そこで今回は、「ドライブレコーダー」関連銘柄の株価が落ち着いている今の段階から先回りして仕込んでおきたい銘柄を紹介します。
「ドライブレコーダー」関連銘柄の中から、
好業績で上昇トレンドの銘柄をピックアップ!
具体的な関連銘柄としては、「ドライブレコーダー」を製造販売する企業が中心となるでしょう。
これまで「ドライブレコーダー」関連銘柄として、「あおり運転」が話題になったときに値動きのあった主な銘柄は、以下の通りです。
【主な「ドライブレコーダー」関連銘柄】※銘柄名をクリックで最新株価へ
・JVCケンウッド(6632)
・エレコム(6750)
・本多通信工業(6826)
・市光工業(7244)
・AKIBAホールディングス(6840)
・テクノホライゾン・ホールディングス(6629)
・堀場製作所(6856)
・村上開明堂(7292)
・ローム(6963)
・ザインエレクトロニクス(6769)
・カーメイト(7297)
・オートウェーブ(2666)
・バッファロー(3352)
・イエローハット(9882)
・G-7ホールディングス(7508)
この中で、今期に営業増益を見込んでおり、株価が25日移動平均線を上回って強いトレンドが継続している5銘柄をピックアップしました。
【AKIBAホールディングス(6840)】
グループ会社がドライブ・カメラ社、タイガー社と協業
AKIBAホールディングス(6840)は、電子部品の製造販売、通信コンサルティング、コールセンター、高度計算機の製造販売といった事業を展開しています。グループ企業で電子部品およびコンピューター関連の開発・製造などを手掛けているアドテック社が、ドライブ・カメラ社とタイガー社との協業により、ドライブレコーダーを手掛けています。
⇒AKIBAホールディングス(6840)の最新の株価はこちら!
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【テクノホライゾン・ホールディングス(6629)】
子会社である中日諏訪オプト電子がドライブレコーダーを製造
テクノホライゾン・ホールディングス(6629)は、温度センサーをはじめとする各種センサーを製造・販売しています。医療用向け製品の生産能力を国内とフィリピンで増強中なほか、自動車向け製品の拡大にも注力しています。子会社である中日諏訪オプト電子がドライブレコーダーを製造。製造しているドライブレコーダー「ドラドラまるっと(DD-W01)」は、前後左右の全方向(水平360度・垂直80度)を撮影できます。
⇒テクノホライゾン・ホールディングス(6629)の最新の株価はこちら!
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【ザインエレクトロニクス(6769)】
画像処理用LSIをドイツ車のドライブレコーダーにも搭載
ザインエレクトロニクス(6769)は、ファブレスの半導体メーカーで、その画像処理用LSIはドイツ車のドライブレコーダー(ディーラー・オプション)に搭載されています。また、フルHD解像度に対応したカメラ用信号処理LSIも手掛けています。
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【バッファロー(3352)】
バッファロー(3352)は、カー用品量販店の「オートバックス」「スーパーオートバック」のフランチャイズを埼玉と東京で運営しています。第2四半期の営業利益は、前年同期比80%増と順調。「あおり運転」や危険運転、アクセル踏み間違い事故などのニュース報道が相次いだことで、ドライブレコーダーなどの自動車運転の安全性に関連した商品への需要が高まっているようです。
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【イエローハット(9882)】
イエローハット(9882)は、カー用品量販店「イエローハット」を全国展開する企業です。第2四半期の営業利益は、前年同期比9割増と順調でした。タイヤなどの高額品を中心とした消費増税前の駆け込み需要が発生した影響が大きいようですが、現在は「あおり運転」への対策としてドライブレコーダーの需要が急増しています。
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警察庁は、早ければ年明けの通常国会で「あおり運転」の関連法案を提出する見通しですが、自分の身を守る対策としては「ドライブレコーダー」の需要が今後も伸びてくるでしょう。実際にカー用品の量販店ではドライブレコーダーの売れ行きが好調であり、入荷待ちの商品もある状態だそうです。また、将来的にはオプション装備ではなく、標準装備の自動車も増えてくることが考えられます。
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