今年も「師走相場入り」が近づいてきました。しかし、今の株式市場は外部環境の不透明感から、商いが膨らみづらい状況です。「5G」など成長期待の大きいテーマ株に期待したいところですがが、今のように市場参加者が限られている状況では盛り上がりに欠けそうです。
そこで今回は、オーソドックスに12月期決算企業の“配当狙い”をテーマに銘柄を発掘しました。
日経平均株価は年初来高値圏で推移しているものの、
指数に関係しない銘柄は出遅れている状況
日経平均株価は、先週の急落局面で2万3000円を割り込む局面も見られましたが、その後の急速な戻りにより売り込みづらい状況です。米中交渉を巡る報道に影響されやすい相場ではあるものの、下値の堅さから短期筋の売りは出にくいでしょう。
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また、マザーズ指数が順調なリバウンドを見せていることから、個人投資家のセンチメントは改善してきています。海外勢による買い越し基調が継続していることも、過度に警戒していた流れの巻き戻しと考えられます。昨年末に起こった中小型株急落のトラウマからマザーズ市場には参加しづらい雰囲気もありましたが、足元のリバウンドを見ると、ようやく落ち着いてきたように感じます。
その一方で、日経平均株価は年初来高値圏で推移しているものの、結局は先物主導のインデックス売買が押し上げたに過ぎないため、指数に関係しない銘柄は相対的に出遅れている状況です。これまでの慎重姿勢の中で、積極的な買いが見られず割安に放置されている銘柄も少なくありません。
そうした出遅れ感のある銘柄の中から、年末に配当狙いで買える12月期決算企業に注目したいと思います。
権利確定後の下落リスクを減らすため、
今期2ケタ増収増益でリバウンド基調の銘柄を選択
配当狙いの買いではありますが、相場の地合いが改善傾向にあるため、基本的には年を越して持ち続けることを意識しています。しかし、外部環境が突然悪化してポジションを持ったまま年越しをしづらい状況となる可能性もあるので、配当の権利確定日の後は大納会までに売却する選択肢も意識しておきましょう。
具体的な銘柄選びの条件は以下の通りです。
・12月期決算企業
・予想配当利回りが3%以上
・今期2ケタ増収、2ケタ営業増益見込み
・長期的には調整トレンドであるものの足元ではリバウンド基調が継続
・株価が25日移動平均線や13週移動平均線を上回って推移
これまで米中交渉を巡る不透明感などから神経質な相場展開が続いていたこともあり、配当狙いの売買は活発に行われておらず、配当取りにも妙味があるでしょう。しかし、少ないとはいえ配当狙いの投資資金が入ってくるため、配当の権利確定後に下落するリスクがあります。そこで、配当だけではなく、下落後の株価の戻りが期待できるように業績面を考慮し、今期2ケタ増収増益の銘柄を条件としました。
株価水準としては、「長期的には調整トレンドであるものの足元ではリバウンド基調が継続」しており、「25日移動平均線や13週移動平均線等を上回って推移している銘柄」を条件に入れました。配当権利確定後も、これら移動平均線がテクニカル的な支持線として意識されやすいからです。
【高橋カーテンウォール工業(1994)】
13週移動平均線を支持線として順調にリバウンド
高橋カーテンウォール工業(1994)の予想配当利回りは3.57%です。2018年12月期は2ケタ減収減益でしたが、今期はPCカーテンコールの取付工事が順調に進んでいるほか、粗利益率の改善もあり、売上高が前期比130%増の151.50億円、営業利益が同17.7%増の22.60億円を計画しています。第3四半期の営業利益は19.84億円と進捗率は87.8%程度なので、通期計画の達成確度は高いと考えられます。
株価は、13週移動平均線を支持線として順調なリバウンドをみせています。
⇒高橋カーテンウォール工業(1994)の最新の株価はこちら!
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【ラ・アトレ(8885)】
営業利益が3期連続で増益の見込み
ラ・アトレ(8885)の予想配当利回りは3.82%です。営業利益については2016年12月期に4割減となりましたが、これを底に回復傾向にあります。今期の営業利益は前期比18.7%増の14.20億円と、3期連続での増益を見込んでいます。第3四半期営業利益の進捗率は77.2%と順調な進捗でした。
株価は、昨年2月につけた高値943円をピークに調整を見せていますが、9月以降のリバウンドにより、4月につけた高値水準に接近しています。
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【ウィル(3241)】
利益率の高い事業の業績が堅調に推移
ウィル(3241)の予想配当利回りは3.64%です。2019年12月期の第3四半期の営業利益は前年同期比123.2%増の3.81億円でした。通期計画に対する進捗率は55.1%と低いのですが、ウィルは第4四半期に利益が積み上がる季節性があります。足元では、流通事業やリフォーム事業をはじめとした利益率の高い事業の業績が堅調に推移しています。
株価は、5月の安値285円を底値にリバウンド基調が継続しています
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【GMOリサーチ(3695)】
海外売上比率が順調に拡大中!
GMOリサーチ(3695)の予想配当利回りは3.64%です。第3四半期営業利益の進捗率は低いですが、上半期に行った先行投資の影響と考えられます。さらに第4四半期に利益が偏重する構造なので、巻き返しは可能でしょう。D.I.Yサービスは海外が好調であり、海外売上比率が順調に拡大しています。また、国内についても成長が回復しています。
株価は、1月の安値を底値にリバウンドを見せながらも、7月の高値をピークに足元では調整しています。しかし、52週移動平均線が下値支持線として意識されています。
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【太陽工機(6164)】
配当の増額傾向が継続
太陽工機(6164)の予想配当利回りは3.35%です。今期は3期連続で増収増益を見込んでいます。配当は増額傾向にあり、今期は年50円と前期(80円)に対して減少していますが、1株⇒2株の株式分割しているので、実質は増配です。
株価は、1200〜1500円辺りでのレンジ相場が続いていますが、直近のリバウンドにより13週移動平均線、26週移動平均線、52週移動平均線が下値支持線として機能しています。
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なお、12月決算の高配当銘柄としてはJT(2914)が注目されますが、足元で株価が順調なリバウンドを見せており、配当を狙った物色が今後強まると思われます。ただし、すでに織り込まれているとはいえ今期は減収減益であるうえ、たばこ事業はESG投資の観点からファンド筋の資金流入が期待しづらく、今回のおすすめ銘柄からは除きました。
2019年も残すところあと1カ月です。「終わり良ければすべて良し」とも言いますので、最後まで油断することなく、笑って今年の相場を終えられるよう頑張りましょう。
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