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政府は7月10日に決定した「AI基本計画」において、
「バーティカルAI」を中核としたAXの推進を表明!
政府は、7月10日に開催した「第5回 人工知能(AI)戦略本部」において、AIの利活用の促進と安全性の確保に向けた「AI基本計画」の改定案を決定しました。この改定では、製造、医療、農業、金融、行政といった19の重点領域を指定し、それぞれの領域で「バーティカルAI」を中核に、AIで社会全体を駆動する「AX(AIトランスフォーメーション)」を強力に推進するとしています。
「バーティカルAI(垂直型AI)」とは特定の業種・領域に特化したAIのことでは、「ホリゾンタルAI(水平型AI)」と対になる概念です。ホリゾンタルAIは、業界や職種を限定せずに幅広いタスクをこなすことができる汎用的なAIで、ChatGPTやGeminiなどもこれに含まれます。しかし、ホリゾンタルAIは多種多様な作業をこなせる反面、医療や金融のように高い専門性や正確性が求められる領域や、業界固有の慣習・文脈などを前提とする状況では使いづらく、判断の精度が不足する場合があります。
一方、バーティカルAIは「業界特化型AI」とも呼ばれ、特定の業界や業務領域に特化して設計・学習されたAIです。その業界ならではの業務フローや商習慣、法規制などに最適化されており、より正確で専門性の高い判断や作業を行うことが可能です。いわば「より現場での実用を前提に設計されたAI」と言えるでしょう。
AIの社会実装が進み、現場での活用が本格化していくなか、バーティカルAIの重要性が増してくると見られています。
汎用AIの開発で米中に遅れを取っている状況において、
「バーティカルAI」の開発は「AI主権」の確保につながる
日本は、汎用AIの開発では米国や中国に遅れを取っており、今からこの分野で巻き返すことは現実的ではありません。しかし、日本は製造現場などに熟練者の「経験や勘」といった現場データが豊富に存在するため、バーティカルAIの開発と相性が良く、今からでも日本独自の価値の創出が可能だと期待されています。
また、AIの開発・運用では、使用する基盤モデルやクラウドの多くを米国を中心とした海外企業に依存していますが、過度な海外企業への依存はデータの国外流出やデジタル赤字の拡大といった懸念点が挙げられます。政府はそうした点を踏まえ、今後重要性が高まるであろうバーティカルAIを国内で開発・運用する能力を整備することで、経済安全保障の観点からも特定の国や企業に過度に依存することのない「AI主権」の確保を目指しています。
そこで今回は「バーティカルAI」関連銘柄に注目しました。対象は、バーティカルAIの製品・サービスを開発している企業に加え、特定の業界や専門業務に特化したAIを企業の現場に落とし込むバーティカルAI導入支援を手掛ける企業とし、それらの中から中小型株を中心に選定しました。
【富士フイルムホールディングス(4901)】
医療AI・画像診断の支援に特化した「REiLI」を開発
富士フイルムホールディングス(4901)は、医療従事者を支援するAI技術ブランド「REiLI(レイリ)」を展開。レントゲンやMRIなどの膨大な医療画像を学習し、医師ががんなどの微細な病変を見落とすリスクを低減する「診断支援AI」として活用されています。また、国立がん研究センターなどと共同で、医師や研究者が独自の医療AIを開発できるプラットフォームの開発も進めています。株価は5月以降、強い上昇が続いており、2025年9月につけた高値3787円が射程に入ってきました。同水準を捉えてくるようだと、2024年7月と9月の高値によるダブルトップ(2点天井)水準の突破が意識されそうです。
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富士フイルムホールディングス(4901)チャート/週足・3年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【PKSHA Technology(3993)】
「PKSHA AIバックオフィス」が企業のバックオフィス業務を支援
PKSHA Technology(3993)は、大企業のバックオフィス業務における生産性と従業員体験を最大化するAIプロダクト群「PKSHA AIバックオフィス」を提供しています。「PKSHA AIバックオフィス」は、問い合わせ対応を効率化する「PKSHA AIヘルプデスク」、タスク依頼を自動化する「PKSHA AIワークマネージャー」、事務作業を支援する「PKSHA AIコワーカー」で構成。この3つのプロダクトをMicrosoft Teams上でシームレスにつなぐことで、複雑化した社内業務を効率化します。株価は、6月26日につけた安値2484円をボトムに足元でリバウンドを見せています。このまま75日移動平均線を明確に上抜けてくると、3250円辺りで推移する200日移動平均線がターゲットとして意識されるでしょう。
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PKSHA Technology(3993)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【Appier Group(4180)】
トヨタ自動車やバーガーキングなどの世界的企業が採用
Appier Group(4180)は、複数の自律型AIサービスを開発。AI入札により広告の費用対効果の最大化を実現する「AIBID(アイビッド))」などの「広告クラウド」、消費者心理を予測し、サイト訪問者の購入を後押しするコンバージョン最適化ツール「AiDEAL」などの「パーソナライゼーションクラウド」、AIで強化された顧客データでユーザー獲得を最大化する「AIXON」などの「データクラウド」という3つのAIクラウドを提供しています。なお、これらのサービスは、トヨタ自動車やバーガーキングといった世界的企業にも採用されているようです。株価は、6月下旬からのリバウンドで75日移動平均線を下値支持線に変えてきました。200日移動平均線の突破と、そこからの一段高を狙いたいところです。
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Appier Group(4180)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【シグマクシス・ホールディングス(6088)】
現場の専門業務にAIを組み込む「AIエージェント構築支援」を展開
シグマクシス・ホールディングス(6088)は、AIエージェント構築支援サービスを本格的に展開。データ集計やグラフ作成、基幹システムのエラー解決など、顧客の用途や業務特性に応じた最適なAIエージェントの設計から導入、効果の最大化まで総合的にサポートします。株価は下落が続いていましたが、6月下旬からリバウンドを見せ、足元で25日移動平均線を突破し、75日移動平均線を捉えてきました。同線突破からの上昇トレンドへの転換が期待されます。
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シグマクシス・ホールディングス(6088)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【HEROZ(4382)】
価値創出の源泉である「コア業務」へのAI実装をサポート
HEROZ(4382)は、現役プロ騎士にも勝利した将棋AIの開発により培った、機械学習・深層学習によるAI関連手法を強みとしています。価値創出の源泉である「コア業務」に着目。顧客企業の「コア業務」に実践的なAIテクノロジーを実装することで、事業変革や新規事業創出を目指しています。株価はボトム圏での推移が続いていますが、6月4日の安値693円とのダブルボトム(2点底)形成からリバウンドに転じるかが注目されます。
HEROZ(4382)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【FRONTEO(2158)】
人間の持つ暗黙知・感覚などを理解可能なAIエンジン「KIBIT」を展開
FRONTEO(2158)は、少量のデータから人間の持つ暗黙知や感覚、判断を正しく理解し、欲しい情報をいち早く見つけ出すことが可能なAIエンジン「KIBIT(キビット)」の活用を中心に、さまざまなAIソリューションを提供。社内の不正調査から大型訴訟まで対応するリーガルテック事業や、医療・介護の現場に存在する大量データの横断的な解析を行うライフサイエンスAI事業などを展開しています。株価は下落が続いていましたが、6月11日につけた安値536円をボトムにリバウンドを見せ、足元で25日移動平均線を下値支持線に変えてきました。このまま75日移動平均線を捉えてくるようだと、5月半ばの急落局面で空けたマドを埋める上昇が意識されそうです。
FRONTEO(2158)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「バーティカルAI」関連銘柄を発掘しました。
なお、バーティカルAIを現場で活用することによって蓄積された「現場の知見」は、AIロボットの学習用データとして活用できることから、ロボットを現実世界で自律行動させる「フィジカルAI」の開発にもつながると見込まれています。
前述した「第5回 人工知能(AI)戦略本部」において、高市首相は「領域別に戦略を策定のうえ、官民での集中投資を実施し、将来的なフィジカルAIの開発・活用につながるバーティカルAIの開発・実装を強力に推進します」と述べています。このことから「バーティカルAI」は、最新の“高市銘柄”として押さえておきたい投資テーマでしょう。
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