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AIデータセンターの建設に伴う電力需要の増加に対応するため、
発電設備だけではなく、電気を送る「送配電網」の増強も加速!
電力需要の拡大が見込まれるAI向けデータセンターの建設が相次ぐなかで、最近では電気をつくる発電設備だけでなく、電気を必要な場所まで運ぶ送配電網の増強にも注目が集まっています。
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例えば、7月17日に成立した改正電気事業法は、電力広域的運営推進機関が一般送配電事業者などに送電線の整備資金を貸し付ける制度について、財政投融資などを活用して原資を拡充する措置を盛り込んでいます。送配電網の建設は、長い工期と巨額の建設費が壁となっていますが、資金調達を制度面から支援し、送配電網の整備を促す狙いです。
実際、資源エネルギー庁は、局地的な大口需要の増加に対応するため、今後10年程度で電力会社の供給エリアを結ぶ送電線や地域間送電線を、過去10年の8倍以上に当たる1000万キロワット以上の規模の送電網を整備する方針を示しています。改正電気事業法に盛り込まれた送配電網への公的融資は、この計画実現を後押しすると期待されます。
なお、日本経済新聞は7月15日、東京電力ホールディングス(9501)など電力8社が全国約30カ所で送電網を先行増強すると報じました。記事によると、大手電力は需要予測の2倍以上のペースで電力インフラを先行整備し、テック各社が投資しやすい環境を整えるとされており、「需要が確定してから着工する」という従来の考え方から「立地を呼び込むため先回りして電力インフラを用意する」という発想への転換がうかがえます。
送配電網は、普段あまり意識されない設備ですが、AI時代の成長を基盤から支える存在と言えそうです。
「送配電網整備」関連は、電線や海底ケーブル、変電設備、
さらにはスマートグリッドなど、幅広い分野に広がりを見せる
送配電網の増強による影響は、電線需要の増加だけにとどまりません。海底ケーブルや変圧器、鉄塔や地中線の設計・施工、保守・更新など、関連する製品・サービスの需要拡大が見込めます。
また、太陽光発電や風力発電などの出力が変動する電源が増えるにつれ、デジタル技術を活用して電力需給や系統をきめ細かく制御するスマートグリッドの重要性も増しています。そのため、送配電線や変電所などの大型設備を新設するだけでなく、センサーやデジタル制御を既存の送配電網に組み込み、既存設備を効率的に運用するためのセンサーやデジタル制御システムの普及も求められます。
さらに都市部では、台風や地震による倒木や飛来物による送配電線の切断を防ぎ、道路の防災性を高める観点から、設備の地下化(無電柱化)も推進されています。
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そこで今回は「送配電網整備」関連銘柄に注目しました。具体的には、電線・ケーブルや変圧器・重電システム、送電用鉄塔・構造物などを手掛けている銘柄をピックアップしています。
【古河電気工業(5801)】
グループ全体で送配電網に関する事業を総合的にカバー
古河電気工業(5801)は電力事業や産業電線・機器事業を手掛けており、超高圧から中低圧までの電力ケーブル、ケーブルの接続・端末機器の製造・販売、さらには敷設を含むエンジニアリングまで総合的に提供しています。また、グループ会社の古河電工パワーシステムズは、発電所から家庭までの送配電網全域の部品を網羅する総合機材メーカーでもあります。株価は年初以降、強い上昇が続き、5月下旬には一時6241円(分割調整後)まで買われました。しかし、その後の調整で下値支持線として機能していた13週移動平均線を割り込み、直近では26週移動平均線も下抜けました。売られ過ぎが意識されやすいため、底入れを見極めたいところです。
古河電気工業(5801)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【住友電気工業(5802)】
国際連系用直流海底ケーブルで大きな強みを有する
住友電気工業(5802)は、世界トップクラスの直流絶縁材料の開発力を有しており、長距離大容量の国際連系用直流海底ケーブルで大きな強みを有しています。また、電力ロスが少なく、効率的な送電が可能な直流陸上ケーブルが、長距離トンネル内送電や大規模な風力・太陽光発電所との接続に多く利用されています。株価は、足元の調整で13週・26週移動平均線を割り込んできました。52週移動平均線を下値支持線とした下げ止まりと、上昇トレンドへの転換が期待されます。
住友電気工業(5802)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【富士電機(6504)】
変電設備や電力の制御システムを手掛ける
富士電機(6504)は、送配電網の結節点となる変電設備や電力制御システムを手掛けています。また、子会社の富士電機E&Cでは、さまざまな地形・条件に応じた鉄塔の組み立てやケーブルの張り替えといった架空送電線工事、さらには地中ケーブル工事などを行っています。株価は、5月下旬につけた高値1万7800円をピークに調整が続いています。ただ、足元では52週移動平均線近くまで下げてきたことで「売り一巡」が意識されやすいでしょう。
富士電機(6504)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【東光高岳(6617)】
公共インフラなどで電気設備の構築から運用までを一貫してサポート
東光高岳(6617)は電力プラント事業において、公共インフラやビル、工場などで最適な電気設備の構築から運用までをトータルで支援しています。また、電力機器事業では、送配電網を支える変圧器や変成器、開閉器などの製品を幅広く手掛けています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成。足元の下落で一時は13週移動平均線を割り込む場面も見られましたが、押し目買いの好機になりそうです。
東光高岳(6617)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【関電工(1942)】
架空送電線工事や地中送電線工事を幅広く手掛ける
関電工(1942)は、発電所と変電所をつなぐ大容量の架空送電線工事や、都市部の地中送電線工事を幅広く手掛けています。また、送電網だけでなく、データセンターや半導体工場、大型再開発ビル内に電力を供給する屋内線・環境設備工事でも国内有数の実績を有しています。株価は、足元の下落で13週・26週移動平均線を割り込みました。6月の安値5692円とのダブルボトム(2点底)形成と、そこからのリバウンドが期待されます。
関電工(1942)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【巴コーポレーション(1921)】
「都市型鉄塔」など意匠性の高い送電用鉄塔を展開
巴コーポレーション(1921)は、山林などの自然環境に溶け込む「美観鉄塔」や都市部に適した「都市型鉄塔」など、景観や周辺環境に配慮した送電用鉄塔を展開。また、鉄塔から受変電機器に電線を引き込むための変電所用鉄構を幅広く手掛けています。さらに、大規模データセンターなど大重量に対応した鉄骨構造物の設計・製作でも多くの施工実績があります。株価は4月中旬以降、調整が続いています。ただ、足元では1600円台前半での底固めを見せており、上昇トレンドへの転換に期待したいところです。
巴コーポレーション(1921)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「送配電網整備」関連銘柄を発掘しました。
なお、送配電網の整備工事では、資材価格の高騰や人手不足、用地取得などが採算を大きく左右します。そのため投資するにあたっては、安易に「国策テーマだから一律に恩恵が得られる」とは考えず、各銘柄の受注残や採算管理、増産投資、施工人員の確保などを確認したいところです。
機器メーカーや電線メーカー、電気工事会社など関連銘柄を組み合わせ、それぞれの決算を追うことで、「送配電網」への投資拡大により具体的な恩恵を受けている分野を見極めることを意識しましょう。
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