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クレジットカード決済は“非接触型”の「コンタクトレス決済」が主流に!? キャッシュレス決済の最新情報と山手線の新駅にも導入された「無人コンビニ」体験談も

2020年4月16日公開(2023年1月26日更新)
風呂内亜矢
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 前回は「キャッシュレス決済」の基本についてお話ししました。「キャッシュレス」決済は「接触型」「非接触型」「コード決済」という3つの手段に分けることができ、なおかつ支払いのタイミングでも3つに分類できるため(「前払い」「即払い」「後払い」)、全部で9つのカテゴリーに区分けできます。まずは、この9つのカテゴリーの特徴をざっくりと押さえておくといいでしょう。
【※関連記事はこちら!】
キャッシュレス決済を“手段”と“決済タイミング”別に9種類に分け、種類別にメリット・デメリットを解説! 初心者におすすめのコード決済の選び方なども紹介!

 前回の内容を踏まえたうえで、今回は「キャッシュレス決済」の最新事情について紹介します。

海外では一般的なクレジットカードの「コンタクトレス決済」
日本でも少しずつ利用できる場所が増加中!

 まず、最近の大きな流れと言えるのは、カードリーダーに差し込んだり、スワイプさせたりして決済する「接触型」のプラスチックカードに加え、読み取り端末にかざすだけで決済できる「非接触型」決済手段の存在感がじわじわ増してきている点です。

 日本では、「非接触型」の決済手段というと、プリペイド式の「Suica」や「WAON」といった電子マネーが一般的です。しかし、海外ではクレジットカードの「コンタクトレス決済(タッチ決済)」が広く普及しており、この流れが日本にも波及しつつあります。

 クレジットカードのコンタクトレス決済とは、クレジットカードを電子マネーのようにかざして決済するもので、原則的にサインも暗証番号も不要。支払いのタイミングは後払いになります。なお、コンタクトレス決済の読み取り端末は、電子マネーの規格とは仕様が異なります。

 クレジットカードに「iD」や「QUICPay」といった後払い式の電子マネーが搭載されている場合もかざして決済できますが、これはあくまで電子マネーの規格を使ってクレジットカード決済を行っているため、クレジットカードのコンタクトレス決済とは別物です。

 クレジットカードのおもな国際ブランドは、いずれもコンタクトレス決済対応のクレジットカードを発行しています。名称は、VISAが「Visaのタッチ決済(Visa payWave)」、Mastercardが「Mastercardコンタクトレス」、JCBが「JCB Contactless」、アメリカンエキスプレスが「American Express Contactless」です。
【※関連記事はこちら!】
クレジットカードに搭載の「コンタクトレス決済」のメリット・デメリットや使い方をわかりやすく解説!ローソンやマクドナルドのほか、海外でも利用可能!

コンタクトレス決済のマークコンタクトレス決済対応を意味するマーク

 日本で発行されているクレジットカードでも、コンタクトレス決済対応のクレジットカードは増えています。ただ、自分の保有するクレジットカードがコンタクトレス決済対応なのかどうか、よくわかっていない人も多いかもしれませんね。もし、手持ちのクレジットカードの表面に、Wi-Fiの表示を横に倒したようなマークがあれば、そのクレジットカードはコンタクトレス決済に対応していることを意味します。

 もともと、東京オリンピックの開催時にインバウンド(訪日外国人)が増加することを見越した動きとして、海外で広く普及しているクレジットカードのコンタクトレス決済に対応する読み取り端末を置く店舗は、増加傾向にあります。マクドナルドやローソンではいち早く取り入れており、最近ではセブン-イレブンが、2020年の夏にも主要国際ブランドのコンタクトレス決済に対応することを発表し、話題になりました。

 日本では、すでに電子マネーが広く普及しているため、それに置き換わるほどクレジットカードのコンタクトレス決済が急速に台頭することは考えづらいですが、利用できる場所が増えれば増えるほど認知度がアップし、より気軽に使えるようになっていくかもしれません。

 また、コンタクトレス決済対応のクレジットカードを持っていれば、海外に行ったときに、そのままかざして決済できます。海外旅行で使いたい場合は、日本で挑戦して慣れておくのもおすすめです。

「Suica」などの交通系電子マネーはモバイル化が加速!
「コンタクトレス決済」可能なカードはスマホに取り込める可能性

 「非接触型」決済手段のメリットの一つは、カードを誰かに渡す必要がないので、防犯面での安心感がある点。加えて、将来的にスマホに取り込める可能性がある点も、メリットの一つとして挙げられます。

 すでに、電子マネーの多くはスマホに取り込めるので、スマホを読み取り端末にかざして決済できます。最近は、「Suica」や「PASMO」といった交通系電子マネーのモバイル化が顕著です。たとえば、「Suica」を「モバイルSuica」として利用する場合、iPhoneでは従来から無料で登録できましたが、2020年2月からはAndroidでも無料で登録できるようになりました。さらに、2020年3月18日には、Androidでようやく「モバイルPASMO」のサービスが始まっています。「PASMO」は「Suica」と比べるとモバイル対応が遅れていたので、歓迎しているユーザーは多いでしょう。

 今後、電子マネーと同じようにクレジットカードもスマホに取り込んで、コンタクトレス決済をするのが当たり前になれば、決済時にいちいち財布を取り出す手間が省けます。ちょっとした買物なら、財布を持っていかなくてもOKです。「財布を取り出すことなど、大した手間じゃない」と感じる方も多いと思いますが、スマホでの決済は、慣れると非常に快適です。

 私自身、日々の支払いの9割がたはスマホ決済で、「モバイルSuica」を活用しています。「モバイルSuica」には「LINE Payカード」でチャージをしているので、実際には「LINE Payカード」による支払いがメインということになります。「LINE Payカード」は、JCB加盟店で利用できるチャージ式のプリペイドカードです。

 「モバイルSuica」は、プラスチックカードの「Suica」が使える場所ならどこでも利用できますが、「Suica」が使えない場所では「LINE Payカード(JCB)」を使うことにしています。よって、JCBのカードか「Suica」が使えるお店なら、直接的にも間接的にも「LINE Payカード」で支払うことができます。「LINE Payカード」は利用金額が月10万円を超えると、あらゆる支払いのポイント還元率が2%以上になります。
【※関連記事はこちら!】
「キャッシュレス決済」おすすめ比較!「PayPay」や「LINE Pay」「楽天ペイ」など、主要な「スマホ決済」の還元率や利用可能なコンビニ、最新のキャンペーン情報を紹介!

 たまに「Suica」も「LINE Payカード」も使えない場合だけ「PayPay」を利用しています。「PayPay」も使えなければ、諦めて現金で支払っているのですが、最近は、中小規模の店舗などで、導入コストが高いクレジットカードではなく、コード決済を導入する流れがあることから、現金での支払いを求められる機会はほとんどなくなりました。

 そのため、2019年の3月4日にATMで現金10万円を引き出して以降、今に至るまで一度もATMには足を運んでいません。お財布を開く手間だけでなく、ATMへ足を運ぶ機会を減らせるところも、キャッシュレス決済のいいところですね。
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キャッシュレス決済の“20%還元キャンペーン”には落とし穴があった! クレジットカードやスマホ決済などのキャンペーンでは「還元上限額」にも要注意!

高輪ゲートウェイ駅に「無人コンビニ」がオープン!
店舗の無人化・省人化が進めば、ますますキャッシュレスは必須に

 キャッシュレス決済が進化していく中で、支払先となる店舗の側にも変化が見られています。その最先端を行くのが「無人コンビニ」です。2020年3月に開業したJR東日本の高輪ゲートウェイ駅にも、無人コンビニがオープンして話題になりました。

 無人コンビニの先駆けは米国の「Amazon Go」で、すでに米国内では複数店舗が展開されています。「Amazon Go」を利用する場合、事前に専用アプリをダウンロードして、クレジットカードなどの情報を登録する必要があります。登録後、アプリで発行される入場キーを入口でかざして入店。店内にスタッフはいませんが、センサーとカメラがお客の手に取った商品を判別します。レジはなく、商品を持ってそのまま店を出れば、アプリに請求が届く仕組みです。

 ちなみに、中国も無人コンビニの展開は早く、私も2018年に深圳で「Well GO」という無人コンビニを利用したことがあります。「Well GO」は「Amazon Go」と異なり、カメラやセンサーの代わりに「RFID」が採用されているのが特徴です。RFIDはID情報を埋め込んだタグで、ユニクロなどでも採用されており、客が買った商品をスピーディかつ正確に読み取れるというメリットがあります。一方で、タグ1個のコストが高いなどの理由から、ある程度単価の高いもの(衣類など)でないと、採算が合わないというデメリットもあります。

 「Well GO」を利用するときは、支払いに使う「WeChatPay」が使える状態にしたスマホで、店頭のコードを読み取って入店します。一通り商品を選んだ後はセルフレジで決済しますが、そのレジは店内とは区切られた小部屋の中にあり、その部屋に入る前に再びコードを読み取らなければなりません。小部屋で精算かごに品物を入れると、RFIDが読み取られて確認画面が表示されます。OKなら、またもやコードを読み取って精算し、ようやく退店という流れです。

 コードを3回も読み取らなければならないため、そのときの感想は「普通のコンビニよりも手間がかかる」というものでした。その後、仕組みが変わった可能性もありますが、最近は類似の仕組みを使った無人コンビニ「BingoBox」の店舗が減少しているとの報道も耳にするようになっています。

 一方の日本では、慢性的な人手不足問題を背景に、コンビニ各社が無人コンビニの開発実験を進めています。最も話題になっているJR東日本の高輪ゲートウェイ駅構内の無人コンビニでは、「Amazon Go」と同じく、カメラやセンサーで商品を判別するシステムが採用されています。決済は電子マネーの「Suica」で行うことができます。

 高輪ゲートウェイ駅に先駆けて、2018年にJR東日本の赤羽駅構内に無人コンビニの実験店舗が作られたので、実際に利用したことがあります。入店するときは「Suica」をかざせばOK。商品を選び、決済するときにも「Suica」をかざせば終了します。まだ課題はあるということでしたが、普通に買い物をする分には申し分なく、手間がかかって不便だと感じることもありませんでした。やはり、支払い操作がかざすだけになる「非接触型」は、操作性の観点で優れた決済手段だと感じます。

 今後、人手不足の影響もあって、無人コンビニは増加する可能性が高いと考えられます。コンビニに限らずファミレスなどでも、無人とまではいかなくても、省人化は進んでいくでしょう。席についたらアプリでメニューを選んで注文し、支払いも着席したままアプリで済ませられるサービスを導入しているレストランが、すでに国内外で登場しています。

 こうしたサービスは、基本的に「キャッシュレス決済」とセットになっています。最先端のサービスは、技術の進歩を実感することができて興味深いうえに、非常に便利でもあるので、積極的に活用していきたいもの。そのためにも、ひとまずは「キャッシュレス決済」を生活に根付かせるところから始めてみるといいかもしれませんね。

(取材/元山夏香)
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