2021年7月に新規上場した「IPO株」の中で、アナリストが「強気」と診断する「サーキュレーション(7379)」と「ブレインズテクノロジー(4075)」をチェック!
発売中のダイヤモンド・ザイ10月号は、連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」を掲載!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。
この連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。今回は2021年7月に新規上場したIPO株の中から、今後さらなる成長の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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2021年7月に新規上場した9銘柄には高PERの銘柄が多く、
今後、業績が高成長する“確度”をしっかり見極める必要あり!
7月に上場した9銘柄の初値は、すべて公開価格を上回った。需給面で不利な公募・売出規模の大きかった銘柄も含め、初値の上昇率もまずまずの結果に。22社と異例の多さだった6月に比べて、相対的に上場数が減り、1銘柄あたりの買いが活発になったようだ。
「加えて、新型コロナの感染再拡大や中国株の急落などで、株式市場が不安定化したことも背景にあります。相場が不調なぶん、新規上場株にチャンスを見出そうとする投資家が多かったのではないでしょうか」(フィスコ・小林大純さん)
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半面で、足元の株価は割安感に欠ける。全般にPERは高めだ。PERは投資家の人気や注目度の表れなので、それが崩れない限り株価も高値を維持できるが、「これから買うにあたっては、慎重に見極める必要がある」と小林さんは指摘する。
「短期的には反動による下落もありえます。業績の好調が続くのか、高PERでも許容される成長性があるか。業務内容やビジネスモデルなどをチェックして、成長の“確度”が高い銘柄を選ぶことが大切です」(小林さん)
2021年7月の【IPO株】9銘柄の投資判断は? |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (8/4) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
6日 | ◆BCC(7376・東M) | |||||
1300円 | 3350円 (+157.7%) |
2281円 | 38.0倍 (9.26倍) |
3000円 (1800円) |
中立 | |
【分析コメント】売出規模が小さく需給主導で初値は2.6倍に。主力のIT営業アウトソーシングは好調も、株価は業績成長を織り込み済み。 | ||||||
8日 | ◆コラントッテ(7792・東M) | |||||
1100円 | 1385円 (+25.9%) |
1406円 | 29.6倍 (10.47倍) |
2000円 (1000円) |
中立 | |
【分析コメント】磁気ネックレスなどの健康用品を展開。肩こり人口は増加しており、引き合いは強い。業績も堅調だが、株価は妥当な水準。 | ||||||
16日 | ◆ラキール(4074・東M) | |||||
1400円 | 2480円 (+77.1%) |
1783円 | 57.8倍 (11.3倍) |
2800円 (1400円) |
強気 | |
【分析コメント】大手建設向けシステム開発が主力。株価はやや過熱感があるが、クラウドへの注力で利益率向上と中長期的な成長に期待。 | ||||||
20日 | ◆アシロ(7378・東M) | |||||
1160円 | 1480円 (+27.6%) |
960円 | 29.5倍 (5.3倍) |
1200円 (800円) |
弱気 | |
【分析コメント】ネット上で法律情報や弁護士情報を提供。類似のメディア会社と比べ、公開価格が強気。ファンドが保有株を放出の懸念も。 | ||||||
21 日 |
◆ランドネット(2991・東J) | |||||
3830円 | 5320円 (+38.9%) |
3925円 | 7.9倍 (1.46倍) |
5000円 (3500円) |
中立 | |
【分析コメント】投資用中古ワンルームマンションの売買・仲介が中心。足元の販売は好調だが、景気の先行き懸念で人気に乗りづらい。 | ||||||
27 日 |
◆サーキュレーション(7379・東M) | |||||
1810円 | 3205円 (+77.1%) |
3000円 | 84.3倍 (75.49倍) |
5000円 (2800円) |
強気 | |
【分析コメント】プロ人材と企業を結び、経営課題の解決を支援する。時流に乗るビジネスで、株価水準は高いが今後の高成長が期待できる。 | ||||||
28 日 |
◆ブレインズテクノロジー(4075・東M) | |||||
1780円 | 4165円 (+134.0%) |
2600円 | 134.2倍 (83.6倍) |
4500円 (2000円) |
強気 | |
【分析コメント】AIを組み込んだ企業向けソフト。AI活用の流れを追い風に、販売数を伸ばしている。新製品や提携などの取り組みにも期待。 | ||||||
29日 | ◆デリバリーコンサルティング(9240・東M) | |||||
950円 | 1472円 (+54.9%) |
1010円 | 29.0倍 (11.93倍) |
1700円 (900円) |
強気 | |
【分析コメント】ITコンサル。大株主の持株動向など需給面に懸念も、業績は好調。類似の新興コンサルと比べ、株価には割安感がある。 | ||||||
30日 | ◆AIメカテック(6227・東2) | |||||
1920円 | 1941円 (+1.1%) |
1742円 | 15.9倍 (1.43倍) |
2000円 (1500円) |
中立 | |
【分析コメント】フラットパネル・ディスプレイや半導体パッケージの製造装置。半導体の生産拡大、電子機器の需要増が追い風だが、市場変化が激しい点は注意。 | ||||||
※データは8月4日時点。 |
アナリストのイチオシは成長性が高い「サーキュレーション」と
AI関連株で注目される「ブレインズテクノロジー」!
ここからは、2021年7月に新規上場した9銘柄の中で、小林さんが特に注目している2銘柄を詳しく紹介していこう。
まずは「強気」と診断されたサーキュレーション(7379)だ。
サーキュレーションはプロの人材と協業し、彼らの経験や知見を活用して経営課題の解決を支援する事業を展開。時流に乗るビジネスで、たびたびメディアに取り上げられるなど、上場前から注目度は高かった。初値が公開価格よりも77%増だった点からも、それが伺い知れる。
上場から数日にわたって多くの買いが入ったため、短期的には反動も想定される。ただ、類似の企業を見ると、成長期待に伴ってPER水準が非常に高い企業が多い(たとえばビザスクは約200倍)。そのため、相対的に割高感は意識されにくいだろう。
2021年7月期はテレビCMの取りやめや、支社開設の完了も相まって損益が大きく改善。プロジェクト件数は順調に増えている。直近でも3割超の増収ペースを維持しており、今後の成長の確度は高そうだ。
続いて紹介するのは、同じく「強気」推奨のブレインズテクノロジー(4075)だ。
ブレインズテクノロジーは、AIを活用した異常検知システムと企業内情報検索エンジンが柱。顧客は製造業が約半数で、情報通信業や建設業向けでも強い。AIというテーマの人気もあり初値は2.3倍に。初値が伸びた半面で、PERがすでに130倍台と株価水準は高い。もっとも、AI関連の小型株のPERはおおむね同水準。こちらもある程度の目先の反動は想定しておく必要があるが、同社のPERの高さも許容される範囲内だ。
ライセンス販売数の成長率は、2020年7月期までの3年で平均50%に上る。人手、つまりコストがかからないソフトウエア販売が売上の6割近くを占めるのが強みで、今後も高成長が期待できる。
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【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |