【今回のまとめ】
1.米国株式市場は上昇しているが出来高は少ない
2.メモリアル・デーの週は経験則的には高いが、近年はそれが当てはまらなかった
3.自動車部品関連株が元気だ
4.ジェンサームはカーシート・ヒーターの流行の恩恵をこうむる
5.テネコは排ガス規制強化の恩恵をこうむる
閑散の中、上昇した米国株式市場
先週の米国株式市場は、ダウ工業株価平均指数が+0.7%、S&P500指数が+1.21%、ナスダック総合指数が+2.33%でした。
指数はどれも高いのですが、出来高は極めて低調で、しかも相場が高い日ほど出来高が少ないという、テクニカル的には余り感心しない展開になっています。
メモリアル・デーの週のジンクス
5月26日(月曜日)はメモリアル・デーで米国の株式市場は休場です。従って今週は立会日が4日しかない短い週となります。1971年以降のメモリアル・デーの週の週間パフォーマンスは、平均すると+0.56%であり、週間ベースでこの週がプラスで終わる確率は60.5%でした。但し、2010年以降はどうもパッとしない年が続いています。

自動車部品関連株が元気
さて、最近の相場で値動きが良く、回転が効いているセクターに自動車部品関連株があります。
自動車部品関連株の業績は北米自動車販売台数に左右されます。その販売台数はリーマンショック後の落ち込みから回復の途上にあります。
去年の実績は1550万台で、前年比+7.6%でした。今年もその水準からさらに改善することが見込まれています。とりわけピックアップ・トラックは景気後退の期間中、長く低迷したので、かなり大きな買い替え需要が見込まれています。
カーシート・ヒーターのジェンサームが好調
自動車部品関連株の中で特にパフォーマンスの良いのがジェンサーム(ティッカーシンボル:THRM)です。

同社はカーシート・ヒーターを作っています。カーシート・ヒーターはこれまで高級車だけに採用されてきました。しかし最近は大衆車でもカーシート・ヒーターを採用する例が増えています。
カーシート・ヒーターはこれまでのところ北米市場だけで流行している現象であり、欧州市場での普及は始まったばかりです。とりわけドイツはメルセデス・ベンツやBMWなど数多くの高級車メーカーがひしめいており重要な市場です。ジェンサームはWETという現地のライバル企業を買収することでドイツ進出の足掛かりをつくりました。なお日本でのカーシート・ヒーターの普及は世界的に見てとりわけ遅れています。

【略号の説明】
DPS一株当たり配当
EPS一株当たり利益
CFPS一株当たりキャッシュフロー
SPS一株当たり売上高
排ガス規制強化の恩恵をこうむるテネコ
テネコ(ティッカーシンボル:TEN)は自動車の排気のマフラーやコンバーターを作っています。同社の売上高の68%が排気関連、残りの32%がサスペンションです。同社はゼネラル・モーターズ、フォード、フォルクスワーゲン、ダイムラー、トヨタなどを顧客としています。地域別売上高は北米49%、欧州・南米・インドが35%、アジア太平洋地域が16%となっています。
乗用車、トラックなどの排ガス基準は北米のみならず欧州、中国などでどんどん厳格化されており、それに対応するための触媒やフィルターの技術も日進月歩で進化しています。これが同社の業績を下支えする要因です。

株価的には新値を更新したばかりで上値が軽くなっています。

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| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |




































