相場の世界で角を下から上に突き上げて攻撃するブル(雄牛)は「強気」の象徴で、逆にベア(熊)は上から爪を振り下ろすため「弱気」の代名詞。これらの言葉がネーミングの由来となったブル・ベア型の投資信託がネット証券を中心に売れに売れている。その上手な使い方とは?
投資信託では指数の値動きの3倍動く
トリプル型が大人気に!
「指数の上昇で上がるブルのほうが、下落で上がるベアより人気ですが、どちらも人気ランキングの上位に入っています」
こう説明するのは、楽天証券経済研究所のファンドアナリストの篠田尚子さん。
人気の秘密はブルの場合は日経平均など株価指数の上昇時に上昇率の2~3倍、ベアは指数の下落時に下落率の2~3倍の収益を狙えること。少しの値動きでも、高いリターンが狙えるのだ。

中でも特に人気は、3倍の収益が得られる楽天とSBIのトリプル・ブル(ベア)投資信託。
投資アイディアとしては「2%の売買手数料がかかるので、保有期間は3カ月程度が目安。揉み合い相場ではなく、上でも下でもトレンドが出ているときが投資チャンスです。上昇が続くと、複利効果が発揮されて、3倍以上のリターンが狙えます。ただし、反対に動けば損失も3倍なので投資経験ゼロの人がいきなり手を出すべき商品ではありません」(篠田さん)。
もっとも使い方によっては長期投資が前提のNISA口座で買う秘策も。フィナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんはこう語る。
「NISA口座でブル・ベア投資信託を買い、大きく動いた局面で売れば、その3倍のリターンが非課税に。非課税枠は復活しませんが、十分な節税効果が得られます」
一方、株と同じく市場に上場し、時価でいつでも売買できるETF(指数連動型上場投信)にも、ブル・ベア(インバース)型がある。
「ETFは、投資信託と比べてはるかに低コスト。リアルタイムで時価売買でき、機動的なトレードも可能」(深野さん)
ただし現状ETFは、ブル型は2倍、ベア型は1倍の値動きの商品しかない。投資信託には「1万円以上1円単位で買える」というメリットもあり投資スタイルで使い分けよう。
投資信託ならトレンドを意識し数カ月で狙い
ETFなら機動的に短期の売買を繰り返せ!
利益が次の利益の原資となる複利効果が働くので、指数にトレンドが出ると3倍以上のリターンが出るのがトリプル・ブル(ベア)投資信託の最大の魅力だ。下図のように、アベノミクス相場では日経平均が80%上昇の中、半年で5倍以上に上昇した。

その反面、「揉み合い相場が苦手で、短期的にはブルとベアの双方でマイナスのケースもある」(篠田さん)点には要注意。14年にはいってからは日経平均が一進一退で、大きく基準価額が下落した。
いくらで約定するのかが不明なのも投資信託特有の欠点だ。
「基準価額は当日の引けで決まります。値動きを見ながら、買い付けの締め切り(14時50分)の20分前ぐらいに注文を入れれば、ある程度は約定価格が想定できます」
また、低コストとリアルタイムに売買できる機動力が強みのETFは「手数で稼ぐ作戦が向く」と深野さん。折々の相場の上限、下限を見定め、小刻みに売買を繰り返して利益を積み重ねるわけだ。

トリプル型の投信よりも低いレバレッジは弱点だが、「信用取引で売買すれば、さらに約3倍のレバレッジがかけられるので、実質6倍のハイリターンも追求できる」(深野さん)。
ちなみに、今発売中のダイヤモンド・ザイ7月号では、投資信託と合わせて買いたい高配当株や底値の安すぎ株なども紹介している。そして、あわせて人気高配当株について、買っていいか、買ってはいけないかをズバリ判定している。
ダイヤモンド・ザイ7月号では、ふるさと納税特産品ベスト71の特別付録もついて、アマゾン、楽天ブックス(ともに送料無料)のほか、電子書籍(kindle、kobo)全国の書店にて好評発売中。
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年9月7日時点】 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2641本 | 2641本 | 2404本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料で、投資信託本数の取扱本数はネット証券でトップクラス! スマホアプリ「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、投資信託をスマホで管理可能だ。また、投資信託の月間平均保有額に応じてVポイントやPontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALマイルなどが貯まる「投信マイレージサービス」もお得。保有額が1000万円以上なら獲得ポイントが2倍になる(通常銘柄の場合)ので、投資信託が本格的に資産形成を考えている人には、かなりお得だ。買付&積立が100円以上1円単位に引き下げられ、初心者でも気軽に始めやすくなった。投信の買付には、VポイントやPontaポイントが利用できる。投信積立は三井住友カードによるクレジットカード決済「クレカ積立」がお得で、最大で決済額の0.5%ものポイントが貯まる。最近では、低コストなiDeCo(個人型確定拠出年金)にも力を入れており、無条件で運営管理手数料を無料にしている。 |
||||
2位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2621本 | 2621本 | 2475本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 投資信託の保有残高が一定の金額を超えるごとに「楽天ポイント」が貯まるサービスもお得。また「投信残高ポイントプログラム」の対象となる6ファンド(「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など」)については、保有しているだけで一定のポイントが還元されるのでお得。さらに投信積立の際に楽天カードを使うと0.2〜1%分、楽天キャッシュを使うと0.5%分の楽天ポイントが付与される。ポイントは投資信託の買付や投信積立の代金にも利用できる。投資信託の最新事情がわかる「楽天証券レポート&コラム」や、最大5銘柄の基準価額の推移を比較できる「投信スーパーサーチ」など、投資信託選びのサポートもバッチリ。ロボ・アドバイザーが銘柄選択や売買タイミングまで判断してくれる「楽ラップ」や、スマホ専用のロボ・アドバイザー「ロボのぶくん」を利用可能。さらに、専用バランスファンドで手軽に積立投資ができるロボ・アドバイザー「らくらく投資」も登場。 |
||||
3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1903本 | 1903本 | 1834本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の取り扱い本数を着実に増やしており、現在はランキング3位まで上昇。他社に先駆けて投資信託の販売手数料無料を打ち出したのも高評価だ。さらに投資信託の残高の最大1%分のポイントが貯まるサービスもお得。5大ネット証券の類似サービスと比較しても、ポイント付与率は最高水準となっている。投資信託ページは、人気の投信や好成績の投信がすぐにわかる各種ランキング装備、スマホでの見やすさ、直接発注など機能が充実。さらに、投資信託の組み合わせに頭を悩ませる人のために「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」という3つの高機能ロボアドバイザーを用意。無料のロボアドバイザーとしては、どれも非常に高い機能を備えている。 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1869本 | 1869本 | 1790本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。また「プレミアム積立」は100円から可能。クレカ積立のポイント還元率は「au PAY カード」は0.5%、「au PAY ゴールドカード」は1%。投資について気軽に話し合えるSNS「ファンドスクエア」も魅力。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。投資信託の月間保有金額に応じて0.005〜最大0.24%分のPontaポイントがもらえる「資産形成プログラム」も上手に活用したい。 |
||||
【株アプリに慣れていない「株初心者」には特におすすめ!】 | ||||
5位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1831本 | 1831本 | 1783本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。クレカ積立のポイント還元率は業界トップクラスで、「dカード」や「マネックスカード」で投資信託を積立購入すると最大1.1%分のポイントがもらえる。さらに、投資信託の保有金額の最大0.26%分のポイントがもらえるのもお得。なお、貯まったポイントは投信信託の購入代金に利用できる。ファンド探しに迷ったら、自分のライフプランに合ったファンド選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」を参考にするといいだろう。ポートフォリオの分析やリターン予測、アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」も便利だ。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、最低投資金額が5万円で国内ETFで運用を行うアドバイス型の「Monex Advisor」が利用可能。 |
||||
※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |