世界投資へのパスポート

年末年始は例年「ごっつあんです」の楽勝相場。強気スタンスを崩すな!

【第346回】 2014年12月21日公開(2025年4月7日更新)
広瀬 隆雄
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【今回のまとめ】
1.先週の米国株式市場は大きく切り返した
2.年末・年始の米国市場は高いというジンクスがある
3.FOMCは無事通過した
4.キューバと米国の国交回復はベルリンの壁崩壊に匹敵する大事件
5.ロシアにとって大きな黒星
6.究極の「おみやげ」は世界最大の埋蔵量を誇るベネズエラの石油だ

鋭角的に戻した米国株市場

 先週の米国株市場はダウ工業株価平均指数が+3.05%、S&P500指数が+3.43%、ナスダック総合指数が+2.39%と鋭角的に切り返しました。

 このため読者の中には(もうこれから出動するのでは遅すぎるだろうか?)とお迷いの方も多いと思います。

 私の考えでは、クリスマスの週から新年にかけての米国株は経験則的に極めて強く、今は強気一点張りの姿勢を崩すべきではないと思います。

 下はS&P500指数の年末年始のパフォーマンスです。年内最終立会日から逆算して五日目を起点とし、新年二日目までの七日間、平均するとS&P500指数は1.53%上昇します。

 今年の場合、最終立会日から五日目はクリスマスイヴの12月24日に相当します。クリスマスの12月25日は立会がありません。また1月1日も休場です。従って新年最初の立会日は2015年1月2日、新年二日目の立会日は1月5日ということになります。

 言い換えれば、今週、来週は、ずっとポジションを持ったままにしておくのがベストなのです。

連邦公開市場委員会(FOMC)の総括

 先週、今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。結論的にはFOMCの声明文の中に「辛抱強く(patient)」低金利を維持するという表現が新たに加わり、いよいよ来年の前半に利上げが迫っていることがシグナルされました。

 その一方で、今回の声明文の中には「当分の間(considerable time)」というこれまで使われてきた表現も依然残されており、新しい表現の導入が引き起こす市場の混乱を最小限に食いとどめようとする連邦準備制度理事会の気配りが印象付けられる結果となりました。

 「相場は知ったら、しまい」という格言がありますが、今回、「辛抱強く」という表現が声明文に盛り込まれたことで、市場参加者が最も恐れていた事が現実のものとなったわけです。

 「利上げ止むなし」という事が材料として顕在化した以上、もう恐れることはありません。後は強いアメリカ経済というストーリーを素直に好感しながら今後の業績の伸びをストレートに買ってゆく相場が到来するという理解でOKなのです。

キューバとの国交回復は、ベルリンの壁崩壊に匹敵する大事件

 もうひとつ先週、大きな材料がありました。それはキューバとアメリカが国交を回復すると電撃発表した事です。

 この発表はバチカンのローマ法王の斡旋のもとで実現したことであり、その意味で、キューバならびにアメリカ国民にしてみればズッシリと重みのある事態の進展です。

 アメリカとキューバは、お互いに大使館をそれぞれの国に設置し外交を復活させるとともに政治犯の釈放を行います。

 なお米国がキューバに対して行っている経済制裁は、米議会が可決しないと解除できません。従って両国の経済協力がすぐに実現するということではありません。さらにキューバは「社会主義体制には、変更はない」と主張しています。このことからも両国の経済の交流がすぐに怒涛のようなペースで起こるとは思えません。

 しかし大事な点は、キューバはこれまでソ連(現在のロシア)やベネズエラなど、アメリカと仲の悪い国々が後ろ盾になっており、ソ連が核ミサイルをキューバに持ち込もうとした、キューバ・ミサイル危機の事件に象徴されるように、アメリカにとって棘(とげ)のような存在だったという点です。

 ロシアの視点からすれば、この戦略的友好国がアメリカに寝返ったということは、プーチン政権にとって大きな黒星です。

 キューバは経済的には極めて貧しい国ですが、政治のイデオロギーという点では隠然たる影響を維持してきました。とりわけお隣の産油国、ベネズエラは、医療や治安維持などの点でキューバに大きく依存しています。

 ベネズエラはチャベス前大統領の頃からアメリカとだんだん仲悪くなり、米系の石油会社がベネズエラから締め出されるなど、安定的石油の供給という面で、アメリカにとって大きな不安材料となってきました。

 しかし長年に渡る国営石油会社PDVSAの放漫経営と過少投資が祟って、ベネズエラの石油生産は大きく落ち込みました。

 ベネズエラは世界最大の確認埋蔵量を誇る国ですので、その国の石油生産がこのように落ち込むということは、大きな不安定要因なのです。

 最近の原油価格の下落でベネズエラ経済は大打撃を受けており、それがキューバをしてベネズエラやロシアからの庇護(ひご)を脱却し、アメリカへ寝返る大きな動機となりました。

 中米のイデオロギーのリーダーであるキューバとアメリカの関係改善は、ゆくゆくベネズエラとアメリカの関係修復もありうることを意味します。

 アメリカはこれまで中東のサウジアラビアをエネルギー面での最重要パートナーと位置付けてきました。しかしベネズエラとの関係が修復できるのであれば、アメリカにとってこれほど良いことはありません。

 つまりアメリカを中心とした世界秩序の再構築、すなわちパックス・アメリカーナは、いま大きく前進しようとしているわけです。

 相場が、これを好感しないわけがありません。
 

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