【今回のまとめ】
1.先週の米国株式市場は大きく切り返した
2.年末・年始の米国市場は高いというジンクスがある
3.FOMCは無事通過した
4.キューバと米国の国交回復はベルリンの壁崩壊に匹敵する大事件
5.ロシアにとって大きな黒星
6.究極の「おみやげ」は世界最大の埋蔵量を誇るベネズエラの石油だ
鋭角的に戻した米国株市場
先週の米国株市場はダウ工業株価平均指数が+3.05%、S&P500指数が+3.43%、ナスダック総合指数が+2.39%と鋭角的に切り返しました。

このため読者の中には(もうこれから出動するのでは遅すぎるだろうか?)とお迷いの方も多いと思います。
私の考えでは、クリスマスの週から新年にかけての米国株は経験則的に極めて強く、今は強気一点張りの姿勢を崩すべきではないと思います。
下はS&P500指数の年末年始のパフォーマンスです。年内最終立会日から逆算して五日目を起点とし、新年二日目までの七日間、平均するとS&P500指数は1.53%上昇します。

今年の場合、最終立会日から五日目はクリスマスイヴの12月24日に相当します。クリスマスの12月25日は立会がありません。また1月1日も休場です。従って新年最初の立会日は2015年1月2日、新年二日目の立会日は1月5日ということになります。
言い換えれば、今週、来週は、ずっとポジションを持ったままにしておくのがベストなのです。
連邦公開市場委員会(FOMC)の総括
先週、今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。結論的にはFOMCの声明文の中に「辛抱強く(patient)」低金利を維持するという表現が新たに加わり、いよいよ来年の前半に利上げが迫っていることがシグナルされました。
その一方で、今回の声明文の中には「当分の間(considerable time)」というこれまで使われてきた表現も依然残されており、新しい表現の導入が引き起こす市場の混乱を最小限に食いとどめようとする連邦準備制度理事会の気配りが印象付けられる結果となりました。
「相場は知ったら、しまい」という格言がありますが、今回、「辛抱強く」という表現が声明文に盛り込まれたことで、市場参加者が最も恐れていた事が現実のものとなったわけです。
「利上げ止むなし」という事が材料として顕在化した以上、もう恐れることはありません。後は強いアメリカ経済というストーリーを素直に好感しながら今後の業績の伸びをストレートに買ってゆく相場が到来するという理解でOKなのです。
キューバとの国交回復は、ベルリンの壁崩壊に匹敵する大事件
もうひとつ先週、大きな材料がありました。それはキューバとアメリカが国交を回復すると電撃発表した事です。
この発表はバチカンのローマ法王の斡旋のもとで実現したことであり、その意味で、キューバならびにアメリカ国民にしてみればズッシリと重みのある事態の進展です。
アメリカとキューバは、お互いに大使館をそれぞれの国に設置し外交を復活させるとともに政治犯の釈放を行います。
なお米国がキューバに対して行っている経済制裁は、米議会が可決しないと解除できません。従って両国の経済協力がすぐに実現するということではありません。さらにキューバは「社会主義体制には、変更はない」と主張しています。このことからも両国の経済の交流がすぐに怒涛のようなペースで起こるとは思えません。
しかし大事な点は、キューバはこれまでソ連(現在のロシア)やベネズエラなど、アメリカと仲の悪い国々が後ろ盾になっており、ソ連が核ミサイルをキューバに持ち込もうとした、キューバ・ミサイル危機の事件に象徴されるように、アメリカにとって棘(とげ)のような存在だったという点です。
ロシアの視点からすれば、この戦略的友好国がアメリカに寝返ったということは、プーチン政権にとって大きな黒星です。
キューバは経済的には極めて貧しい国ですが、政治のイデオロギーという点では隠然たる影響を維持してきました。とりわけお隣の産油国、ベネズエラは、医療や治安維持などの点でキューバに大きく依存しています。
ベネズエラはチャベス前大統領の頃からアメリカとだんだん仲悪くなり、米系の石油会社がベネズエラから締め出されるなど、安定的石油の供給という面で、アメリカにとって大きな不安材料となってきました。
しかし長年に渡る国営石油会社PDVSAの放漫経営と過少投資が祟って、ベネズエラの石油生産は大きく落ち込みました。

ベネズエラは世界最大の確認埋蔵量を誇る国ですので、その国の石油生産がこのように落ち込むということは、大きな不安定要因なのです。

最近の原油価格の下落でベネズエラ経済は大打撃を受けており、それがキューバをしてベネズエラやロシアからの庇護(ひご)を脱却し、アメリカへ寝返る大きな動機となりました。
中米のイデオロギーのリーダーであるキューバとアメリカの関係改善は、ゆくゆくベネズエラとアメリカの関係修復もありうることを意味します。
アメリカはこれまで中東のサウジアラビアをエネルギー面での最重要パートナーと位置付けてきました。しかしベネズエラとの関係が修復できるのであれば、アメリカにとってこれほど良いことはありません。
つまりアメリカを中心とした世界秩序の再構築、すなわちパックス・アメリカーナは、いま大きく前進しようとしているわけです。
相場が、これを好感しないわけがありません。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
| ※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年12月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
| ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約4900銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
|
【SBI証券のおすすめポイント】 |
|
| 【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
| ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシアなど)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。米ドル⇔円の為替取引が0円と激安! さらにNISA口座なら、米国株の売買手数料が完全無料(0円)。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、米国株オーダーブック(板情報)、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能。米国株の貸し出しで金利がもらえる「貸株サービス」も行っている。 |
|
| 【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
| ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株式の取り扱い銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」の対象22銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で買付が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加えて店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
| 【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
| ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5000銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【松井証券のおすすめポイント】 米国株の売買手数料は他の大手ネット証券と同水準なうえ、為替手数料は完全無料(0円)とお得!さらにNISA口座では、米国株の取扱手数料が無料に! 米国株でも信用取引が可能で手数料が業界最安水準。2025年7月から米国株のプレマーケットに対応し、日本時間18時(夏時間は17時)から取引が可能になったのもメリット。さらに投資情報ツール「マーケットラボ米国株」や専用の取引ツール、リアルタイム株価が無料、夜間での取引に便利な返済予約注文(IFD注文)、米国株専用ダイヤル「米国株サポート」や「株の取引相談窓口(米国株)」などが特徴となっている。また、米国株専用の「松井証券 米国株アプリ」は、リアルタイム株価の表示に加え、米国株の情報収集から資産管理、取引までスマホで対応可能だ。 |
|
| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
|
| ◆moomoo証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約6300銘柄以上 | <現物・信用取引>約定代金の0.132%(上限22米ドル) |
| 【moomoo証券のおすすめポイント】 米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどグローバルにサービスを展開するネット証券。米国株には特に力を入れており、取扱銘柄数は業界トップクラス。売買手数料も大手ネット証券の4分の1程度だ(ただし売買手数料の上限は22米ドルと他社と同水準)。さらに、為替手数料が無料なので、米国株の売買コストのお得さでは頭ひとつ抜け出している。米国株に関するデータや情報も充実。最大上下60本の板情報や過去20年分の財務データ、大口投資家の売買動向など、銘柄分析に役立つさまざまな情報が無料で利用できる。24時間取引に対応しているので、日本時間の昼間にも売買が可能。1ドルから米国株を買うこともできる。取引アプリには対話型AIの「moomoo AI」を搭載。米国株の基礎知識から米国市場の動向、銘柄分析まであらゆる質問に答えてくれるので、米国株初心者には力強い味方となるだろう。 |
|
| 【関連記事】 ◆【moomoo証券のおすすめポイントを解説】米国株投資家には特におすすめの米国生まれのネット証券! プロレベルの高機能ツールやAIツールも魅力! |
|
| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |




































