【今回のまとめ】
1.アメリカ経済は2015年も先進国の中で突出して良い
2.それはドル高を意味する
3.ドル高、円安は日本株にも良い環境
4.新興国通貨は売られやすい
2015年の株価目標
今回は今年最後の「世界投資へのパスポート」となりますので、来年の予想を書きます。まずそれぞれの指数や為替のターゲットは、次のように考えています。

2015年はナスダック総合指数がS&P500指数より良いパフォーマンスを示すと考えています。また2014年に今一つ冴えなかった小型株も良いと思います。
私がそう考える理由は、こんにちの米国株式市場の置かれている環境が、ドットコム・ブームの最盛期だった1990年代後半と似ているからです。
| こんにちの米国株式市場の置かれている環境は、1990年後半のドットコム・ブーム最盛期に酷似している |
高付加価値分野で米国がリード
ドットコム・ブームの最盛期、先進各国の中では、アメリカ経済だけが突出して良かったです。これは現在の状況と同じです。アメリカ経済の好調は、iPhoneやFacebookに代表される、テクノロジー分野での圧倒的優位に因る部分が大きいです。
ハイテクと聞くとソフトウェアやインターネットを真っ先にイメージしますが、それだけにとどまらず、テスラ・モーターズ(ティッカーシンボル:TSLA)のような新しい分野でもイノベーションが起こっています。
さらに医療・創薬の分野に目を向けるとアメリカのバイオテクノロジー企業の研究開発(R&D)は極めて生産性が高く、ここでも米国企業の独壇場と化しています。
| あらゆる高付加価値分野でアメリカのリードが顕著である |
シェール革命は最先端技術に駆動されている
これに輪をかけるようにアメリカではシェール革命が起きています。シェール開発は膨大な地質データの解析、破砕法(はさいほう)、水平掘りなど、最先端技術を使いこなすことで初めて可能になる、難易度の高い生産手法です。
シェールガス田は中国などの諸外国にも存在しますが、今のところアメリカだけがこのビジネスを採算ベースに乗せることに成功しているのはこの技術力の差に因ります。
エネルギー価格の下落
シェール革命で原油が増産された結果、原油価格が急落しています。そのことはロシア、ベネズエラ、サウジアラビア、イランなど、資源への依存度の高い国々の財政を圧迫しています。それは資源国通貨への懸念を引き起こしています。
| 資源国通貨は深刻な問題を抱えている |
米国の政策金利が上昇するときは、新興国が荒れる
米国の連邦準備制度理事会は2015年の春から夏にかけてフェデラルファンズ・レートを利上げしはじめると思います。
通常、米国が単独で利上げする場合、為替差損を嫌う米国の機関投資家は、海外株や外債への投資を減らし、投資資金を米国に引き揚げます。このためドルは買われやすく、逆に新興国通貨は売られやすくなるのです。実際、ドットコム・ブームの際にも同様の理由からルーブル危機が襲いました。
| ドルは買われやすく、新興国通貨は売られやすい |
ドルが強いということは円安になりやすいわけですから、円安を好感する傾向のある日本株も引き続き好調と考えて良いでしょう。
つまり2015年のオーバーウエイト、アンダーウエイトすべき投資対象を整理すると、次のようになります。

投資すべきコア銘柄とトレーディング銘柄
それでは、どのような銘柄に投資すれば良いのでしょうか? 私は次のような銘柄をコアに据えたいと考えています。

このうちギリアド・サイエンシズ(GILD)は米国最大のバイオテクノロジー企業で、C型肝炎治療薬「ハーボニ」が米国食品医薬品局(FDA)から承認されたばかりです。「ハーボニ」はベストセラー薬「ソヴァルディ」の後継薬で、アメリカで過去に新発売されたどの大型薬よりも大きな売上高になると見込まれています。
難病で知られるC型肝炎が、90%の確率で完治するとあって、この疾病に苦しむ患者さんにとっては希望の光が差し込んだわけです。「ハーボニ」の薬効ならびにそれが米国の医療システムの費用逓減に貢献することを確信しているギリアドは、この薬の持つ経済的真価に見合った、応分の対価を得るべく、「ハーボニ」を一錠十万円という、破格の定価にしています。
12月19日にアッヴィ(ABBV)のライバル薬「ヴィキラ・パック」がFDAから承認されました。こちらは処方箋が複雑な関係で「ハーボニ」より12%程度安い価格設定となっています。
投資家の間では、この競合の登場で、ギリアドの強気な価格戦略が裏目に出るのではないか? という懸念があります。今後、実際に処方箋データが公表されるにつれて、投資家の不安は後退すると思われます。
| ギリアドはC型肝炎治療薬にライバルが登場したので売られているが今後処方箋データが判明すると見直し買いが入る |
アリババ(BABA)は中国を代表するeコマース関連企業です。中国のeコマース市場は今後数年に渡って少なくとも年率30%程度で成長すると見られており、アリババはその恩恵を最もこうむる銘柄であると見做されています。
パッカー(PCAR)は大型の長距離トラックのメーカーです。アメリカ経済はいま好景気で、トラックの運転手が不足しています。このため運送会社はドライバー確保のため居住性の良い新型トラックに買い替えることを急いでいます。
フェイスブック(FB)は2015年から広告主に対する課金戦略を強化することが見込まれています。これが同社の業績伸長に貢献すると思われます。さらに職場で安心して使える「フェイスブック・フォー・ワーク」などの新しいサービスの導入が噂されています。
モービルアイ(MBLY)は先端運転補助システム(ADAS)を開発している企業です。同社の技術は、ゆくゆく自動運転車へとつながってゆく中核的な技術であると目されており、自動車業界の注目を浴びています。
次にトレーディングする銘柄を挙げておきます。

レンディングクラブ(LC)は現在話題になっているピア・ツー・ピア(P2P)レンディングの会社です。目先、クレジットカード・ローンを借りている消費者が、金利コストを低減するためにレンディングクラブのサービスに乗り換えることが予想されるため、とりわけ高い成長が見込まれます。
マイクロンテクノロジー(MU)はDRAMならびにNANDメモリー・チップのメーカーです。これらの半導体製品はiPhoneに代表されるスマホ、タブレット、さらに車載エレクトロニクス向けの需要が旺盛です。
オプソテック(OPHT)は加齢黄斑変性という高齢者が罹る視力低下の病気の治療薬フォビスタを開発中です。フォビスタを、既に市場に出回っている薬と併せて使用することで、薬効を大幅に改善することを目指しています。フォビスタは現在、フェイズ2、ならびにフェイズ3臨床試験中で、2016年にも米国食品薬品局(FDA)から承認される可能性があります。
オートノミー(OTIC)は内耳の薬に特化した企業で持続露出型製剤法という、温度に反応するポリマーを用いた製剤法を開発中です。承認は、早ければ2015年中だと思います。中耳、内耳で炎症が起きた場合、患部が鼓膜の向こう側にあるので、抗生物質を投与するのが難しいです。オートノミーのオーリプロは患部にピンポイントで抗生物質を届けやすくします。
ジェンサーム(THRM)はクルマの運転席のカーシート・ヒーターを作っています。カーシート・ヒーターはこれまで高級車だけに装備されていましたが、最近、大衆車でもカーシート・ヒーターを装備することが流行になっています。
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