14日の日経平均株価は前週末比298.52円安の1万7965.70円と大幅に3日続落しました。14~15日の日本の金融政策決定会合や、16~17日の米国のFOMCの結果を見極めたいとして買い手控えムードが強い中、上海株式相場が大幅安となり、投資家心理が一段と悪化し、日経平均株価は1万8000円大台を割り込みました。このように足元の日本株は冴えない動きになっています。
それにしても、9日の日経平均株価の動きにはビックリしました。
9日の日経平均株価は前日比1343.43円高の1万8770.51円でした。前日の海外株式相場の大幅上昇の流れ受け、買い戻しが買い戻しを誘う展開となった結果です。日経平均株価の上げ幅は、1994年1月31日の1471.24円以来、21年7カ月ぶりの大きさで、歴代では6番目の大きさでした。また、東証1部銘柄上場銘柄の98.9%に相当する1877銘柄が上昇し、1997年2月3日以降で最多となりました。
しかしその後、翌10日は前日比470.89円安、11日は35.40円安、そして、14日は298.52円安と3日続落しました。3日間の下げ幅は804.81円と、9日の上げ幅の59.91%を失いました。やはり、景気減速懸念を背景に上海株が軟調で、9月のFOMCでの米利上げの有無の不透明感が強いため、日本株も売り圧力が勝る状況が続いているようです。
海外投資家は売り越し、個人投資家は買い越し。
上昇トレンドへの変化には海外勢の買い転換が必須
需給面では、9月第1週(8月31日~9月4日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は4週連続で売り越しです。売越額は4817億円で、前週の7070億円から減ったものの、売り越し姿勢に全く変化がありません。一方、個人投資家は4週連続で買い越しです。買越額は3378億円でした。また、信託銀行は2週連続で買い越しです。買越額は2552億円でした。
海外勢の売りを、年金と個人の国内勢が買い向かうという構図が続いています。やはり、足元の下落トレンドの変化には、海外勢の売りが細ったり、買い転換してこないと厳しいでしょうね。
また、日経平均株価については、テクニカル上、本格的な戻りに入るには、200日移動平均線(14現在1万9098.35円)を超えてこないと難しいとの認識です。同線を下回っているうちは、中長期的な日本株の需給は悪く、買い勢力よりも、売り勢力の方が強い状況が続く見通しです。このため、同線を下回っているうちは、基本スタンスは、「売り」ということになります。
具体的には、順張り的に「下がれば売り」を基本とし、逆に、相場が上がれば、逆張り的に「戻り売り」ということになります。
FOMCの利上げの有無は別にしても
今週は無理に日本株を売買する必要なし
16~17日の米国のFOMC(連邦準備制度理事会)に関しては、利上げするかどうかまったく予想がつきません(編集部注:発表は日本時間9月18日・金曜日の午前3時)。
ただ、ここ最近、「利上げした場合、相場はアク抜けする(悪材料が出尽くして下落がひと段落する)」といった評論家などの見方が散見されます。しかし、私はそうなるといいけど、本当にそうなるのかと、懐疑的にみています。
現状の状況で、利上げが断行された場合、新興国通貨の下落に拍車が掛り、安全通貨とされる円が急騰。資本流出懸念の強まりから、中国株の下落が急ピッチに進む。同時に、中国の景気減速懸念から、原油価格を中心とした商品価格の下落に拍車。この世界的なデフレ懸念を嫌気する格好で、リスクオフのムードが一段と強まり、世界同時株安が起こる。アジア通貨危機のような様相を呈する。こんな展開もあるのはないかと考えています。
現時点では、「アク抜け(楽観シナリオ)」を期待しつつ、逆の「悲観シナリオ」も用意して、固唾を飲んで、FOMCの結果を待つしかありません。
日本人にとって、株を買いにくいのは、16~17日のFOMCの結果が出てすぐに、19日から23日までのシルバーウィークに突入してしまうことです。この日本のシルバーウィーク中、何が起こるかわからないので、腰を据えた売買をしにくいのです。この期間中、海外株式市場が順調に上がってくれれば問題ありません。しかし、逆に、波乱の展開となれば、投資家の大部分を占める買い方は、休み中、そして休み明け、不愉快極まりない状況を余儀なくされますから。
そうこう考えると、今週は、無理して日本株をいじる必要性は乏しいと思います。オール・キャッシュにして、シルバーウィーク明けに、売りなのか、買いなのかを判断し、ポジションを作っていいのではないかと思います。「兜町は明日もある」との相場格言を想起するべき局面ではないでしょうか(笑)。
チャイナショックからの下落は経済危機の可能性も。
米企業の収益が悪化し始めているので注意が必要
ところで、ユダヤ教のラビが執筆した「The Mystery of Shemitah」の「7年ごとのシュミッター年(ユダヤ歴の安息年)には経済危機が起こる」という指摘が、市場の一部で話題になっています。
現時点では、夏のチャイナ・ショックを機に世界の株式市場は下落していますが、経済危機と表現するほどの惨状に発展している訳ではありません。しかし、今の水準から世界の株式市場の下落が加速するようだと、経済危機に発展する可能性は高まります。
ちなみに、15年前半の米主要500社の営業利益率は9.4%と12年以来の低水準で、第3四半期(7~9月期)の主要500社の1株利益(EPS)も減少が見込まれているそうです。米企業収益の悪化を嫌気する格好で、米国株が下がり始めると、ちょっとヤバイかもです。中国もダメ、米国もダメということになると、市場の雰囲気はまさに「お先真っ暗」ということになりかねません。
現状のような不透明感が強く、ボラタイルな相場では、あなたは、ドラゴンクエストシリーズでの作戦コマンドである「いのちだいじに」を選択するべきです。そして視界が良好になったら「ガンガンいこうぜ」にコマンドを変更すればよいでしょう。
今は、とにかく、種銭を減らさないことに腐心するべきだと思いますよ。この困難な状況を上手く立ち回ることができ、生き残ることができれば、次に来るであろう上げ相場で、相当の果実を得られるはずですから、是非、「いのちだいじに」頑張ってください(笑)。
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