最近よく使われる言葉に「Fintech(フィンテック)」というものがあります。みなさんも、テレビや新聞・雑誌・ネットなどで、見聞きしたことがあるかもしれません。
しかし、ジャストシステムが発表した「フィンテックに関する意識調査」(スマホを所有する20代~50代の男女800名を対象に、2016年3月18日~22日に実施されたもの)によると、「フィンテック」について「知っており、ほかの人に詳しく説明できる」人はわずか2.0%に過ぎませんでした。
さらに、「知っているが、説明はできない」人は4.5%、「聞いたことはあるが詳しくは知らない」人も14.1%にとどまり、「フィンテック」について認知している人は、合計でも20.6%に過ぎないことが明らかになっています。つまり、「フィンテック」はまだまだ浸透していない言葉と言えます。
では、「フィンテック」とはいったい何なのでしょうか?
正解は「Finance」と「Technology」を融合させた造語、です。日本でしきりに使われるようになったのは、ここ1~2年のことですが、「フィンテック」という言葉自体はかなり前から存在していました。
今回は、そんな「フィンテック」について、わかりやすく解説していきます。今は「IT系のことはよくわからない」といった姿勢だと、世の中から取り残されてしまいますし、お金の面でも損をしかねない時代です。実際、情報量が多い人ほど、得をすることも多いのです。
そのため、「フィンテックの意味自体知らない」という人は、今のうちにぜひ覚えておきましょう。「フィンテック」の基本を知れば、決して自分の生活、お金とも無縁のものではないことに気づくはずです。「フィンテック」によって誕生した、お得なマネー系サービスも紹介するので、ぜひ家計管理や資産運用などに役立ててみてください。
便利かつ安全性の高い決済サービスも
全自動家計管理アプリもフィンテックの一種
前述したように、「フィンテック」は「Finance」と「Technology」を融合させた造語です。和製英語ではなく、元々は米国で生まれた言葉なので、世界的に通用する言葉のようです。
「Finance」は金融、「Technology」は技術ですから、金融と最先端技術を融合させたサービスのことを「フィンテック」と呼んでいる、という認識でいいでしょう。最近は、これまで金融機関が提供してこなかったようなサービスを、IT系のベンチャー企業などが提供する傾向にあり、「フィンテック」のサービスは日に日に拡充されています。
というと、何だか「フィンテック」が遠い存在のように感じられるかもしれませんが、実はすでに(主にスマホを通じて)皆さんが利用しているサービスも数多くあります。日本でも利用できる「フィンテック」のサービスの代表例を、2つほど挙げてみましょう。
【代表例①】個人向けの新たな決済サービス
「フィンテック」によって目立つようになってきたのが、さまざまな新しい決済サービスです。最近では、“決済に現金を使わない”という流れが形成されつつあります。
たとえば、一時話題になっていた、ネット上の暗号通貨「ビットコイン」も「フィンテック」の一種ですね。

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また、中小規模の小売店や飲食店などの経営者の間で一般化しつつある「フィンテック」のサービスに、スマホのクレジットカード決済があります。
これは、スマホのイヤフォンジャックにカードリーダーを差し込むことで、簡単にクレジットカード決済をできるようにする、というもの(写真は楽天のスマホ決済サービス「楽天スマートペイ」のイメージ画像)。このサービスがあれば、飲食店などで簡単に、低コストでクレジットカード決済を導入できます。
より多くの人に関連しそうなサービスとしては、米国発の「PayPal(ペイパル)」があります。海外のショッピングサイトで買い物をしたことがある人は、この「PayPal」を利用した経験もあるかもしれません。

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「PayPal」の利用が可能なオンラインショップで買い物すると、決済をする際に「PayPal」のページに飛びます。ここでクレジットカード番号・個人情報などを入力すれば取引完了。
そのため、オンラインショップにカード情報を伝えることなくクレジットカード決済ができます(事前に「PayPal」に情報を登録しておいてもOK)。つまり、「PayPal」を利用すれば、より安全に支払いができるわけです。
「PayPal」は世界中の2億人前後の人に利用されていると言われます。今後、日本でも普及に力が入ると思われるので、利用機会は増えるかもしれません。
【代表例②】家計管理用アプリ
この連載でも以前紹介した「家計簿アプリ」も「フィンテック」の一種です。
(※関連記事はコチラ⇒節約のために支出をすべて家計簿につける必要なし! マネーフォワードなどの「家計簿アプリ」を使って入出金を理解すれば、簡単に家計の見直しが可能!)
従来、家計簿は自分で手書きでつけるものでしたが、「家計簿アプリ」を使えば自動的に家計簿ができあがります。

たとえば、私自身も使っている「マネーフォワード」は「家計簿アプリ」の代表的な存在。原則、レシートを撮影するだけで支出を管理できますし、銀行と連携させておけば、自分の口座内で資金の移動があったときに、それを自動で家計簿に反映させることもできます。どんな費目にどれくらい使っているか、グラフ化することも可能です。
銀行だけでなく、証券会社などとも提携しているため、預貯金以外の金融資産の管理も可能。つまり、スマホ一つあれば、簡単に家計管理と金融資産の管理ができてしまうのです。それでいて無料で利用できてしまいます。
手書きの家計簿を使用している人は、この「マネーフォワード」のような「家計簿アプリ」を使えば、家計簿代を支払う必要がなく、手書きするのに取られる時間と労力の節約もできます。
次ページからは、ここ最近で話題になった新たなる「フィンテック」のサービスを紹介していきましょう。
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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◆三井住友カード(NL) |
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0.5~5.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
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【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 2021年2月に申し込み受付が始まった「三井住友カード」の新しいクレジットカードで、券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと、還元率5%に大幅アップ(※)するので、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどを日常的に利用する人におすすめ! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短翌日発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大5%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率5%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
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◆ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード |
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1.0~1.5% (※1) |
1万6500円 | AMEX | - |
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【ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードのおすすめポイント】 2021年3月から発行が始まった、高級ホテル「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」との提携カード。ヒルトンの上級会員資格「ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス」が無条件で付帯し、レイトチェックアウトや部屋のアップグレード(最高でエグゼクティブ)、朝食無料サービスなどを利用できるのが最大の魅力! さらに、年間150万円以上を利用すると「ウィークエンド無料宿泊特典(金・土・日のみ利用可)」がもらえて、ヒルトンやコンラッドなどの1泊3万円以上するような高級ホテルに無料で宿泊できる! また、通常100円につき2ポイント、ヒルトン系列では100円につき3ポイントの「ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント」を獲得でき、貯めたポイントでヒルトン系列のホテルに宿泊することも可能! ※1 ヒルトン系列ホテルの宿泊にポイントを利用した場合。1ポイント=0.5円換算。 |
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【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(マイル系カード&プラチナカード部門) ◆「Marriott Bonvoyアメックス」のメリットを解説!「SPGアメックス」の後継の「プレミアム」なら、年400万円の利用で「プラチナエリート」資格を獲得できる! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する15枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう!(Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム編) |
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
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0.5~5.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
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【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 2021年7月1日に発行が始まった、券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと還元率5%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで5%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~5.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay |
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【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」または「nanacoポイント」に交換した場合の還元率。 |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~3%のJCBの入門用カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆au PAY カード |
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1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
- |
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【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! さらに、スマホ決済の「au PAY」へのチャージでも1.0%分のポイントが貯まり、「au PAY(コード払い)」の利用時に0.5%分のポイントが貯まるので、合計還元率1.5%でPontaポイントを2重取りできる! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
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【関連記事】 ◆「auカブコム証券+au PAY カード」で積立投資すると最大5%のPontaポイントが貯まる! つみたてNISAも対象なので、これから投資を始める人にもおすすめ! ◆「au PAY カード」を使って、auカブコム証券で投資信託の積立投資をしてみた! 積立金額の1~5%分のPontaポイントが付与されるタイミングなどを検証! |
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◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
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0.5~2.0% | 初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※1) |
AMEX | Suica |
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【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※2)セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 2年目以降1100円。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※2 年間合計30万円までの利用分が対象。以降は還元率0.5%。 |
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