個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

株で資産を1億9000万円にした御発注さんが「資産を減らさない」割安株の投資法を紹介!5つの優先順位で銘柄を選ぶ方法も同時に公開!

2016年6月8日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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株で億を作った人は、誰もが思っている以上に多い。その1人が御発注さん(仮名)。その名の通り、「誤発注」をきっかけに守りを重視した株式投資に目覚め、今や資産は1億9000万円に。その具体的な投資法を紹介しよう。

上昇初期は成長が見込める飲食や小売りの株に注目!
割安度は今期ではなく数年後のPER5倍以下で見る

 もともと節約家の御発注さんが社会人1年目に貯めた100万円を元手に、2003年に最初に買ったのはワタミ(7522)や吉野家ホールディングス(9861)などの食事券がもらえる株主優待株。当初は、とにかく株主優待株をいろいろと買っていたが、そのうち、大きく上がる銘柄には共通点があることに気づく。利益が成長している上に予想PERが6倍台と割安だった明光ネットワークジャパン(4668)が上昇したことがきっかけだ。

 そこからは、PERやPBR、配当利回りを見て割安な銘柄に分散するようになった。当時は実家住まいで、証券口座に月18万円の入金も続け、2006年時点で投資額は2000万円に。ところが、その後のライブドアショックやサブプライムショックで資産は一気に半額に落ち込んだ。

 さらに2010年には誤発注も経験。「資産を減らさない」ことがもっとも大事だと痛感し、

(1)将来の利益で算出した「PERが5倍以下」のバリュー株
(2)「配当+株主優待利回りが5%超」の高利回り株で下値不安が小さい株

 に投資する今のスタイルになった。

 これらの基準を満たす上で、狙う銘柄の優先順位は以下の通り。

【優先順位1】将来にわたって成長を予測することが容易な銘柄
【優先順位2】市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄
【優先順位3】成長するがその予測が難しい銘柄
【優先順位4】成長しないが材料性があり割安な銘柄
【優先順位5】割安な資産株

 「相場全体が上昇とともに、1~5の順番に上昇していくので、上昇初期に割安な1を買うのが一番効率がいいと思います」(御発注さん)

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御発注さんが買った具体的な銘柄とは?

【優先順位1】将来にわたって成長を予測することが容易な銘柄
→株価の上昇が続く限り長期で保有!

 1の成功銘柄は、クリエイト・レストランツHD(3387)物語コーポレーション(3097)など。2011年頃、まだ出店余地が大きく、当時の出店ペースが続けば5年後の予想利益で算出したPERは5倍以下になるイメージが持て、配当+株主優待利回りも5%だった。

【優先順位2】市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄
→上昇し割安度が薄れたら利益を確定!

 次に注目するのは2の市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄。2013年に買った高級ヘルメットで世界シェア1位のSHOEI(7839)がそれに当たる。為替が円高だったことで減益に落ち込んでいたが、「為替が円安になれば業績は必ず回復する」と考えた。当時の株価は500円台で、2013年9月期の1株利益は58円だったが、為替が戻れば1株利益は100円超になると判断。さらに会社は配当性向50%を掲げていたため、利益の成長での増配も期待できた。思惑通り、SHOEIは円安転換とともに利益が回復。株価は3倍になり、今までもっとも大きく上昇した銘柄に。ローランド ディー.ジー.(6789)フルサト工業(8087)なども同じカテゴリーだ。

【優先順位3】成長するがその予測が難しい銘柄
→買われるまで我慢がいるが大幅上昇も!

 成長するがその予測が難しい銘柄として、最近投資したのが相模ゴム工業(5194)。アジアでは日本製の薄いコンドームが人気で、中国など向けに需要が伸びると御発注さんは予測。

 「中国人向けの日本製品の小売りサイトで、日本製のコンドームが人気上位だったことで注目しました。出店数が読める小売りや飲食店と違って予測が難しいのですが、シナリオを描いて保有しています」(御発注さん)ストッキング製作のアツギ(3529)などにも注目している。

【優先順位4】成長しないが材料性があり割安な銘柄
→上昇後の株価の戻りが早いので注意

 4の成長しないが材料性がある割安な株は、相場全体がある程度上がってしまって、割安成長株が見当たらなくなったら、注目。iPS細胞開発関連として急に注目されたニッピ(7932)などがこれにあたる。上昇してもすぐに株価が元に戻るので、短期で売り抜ける必要がある。

【優先順位5】上昇相場の最終局面で上がる割安な資産株
→上昇期間は4より短期ですぐに利確を

 また、5の資産株は、過去の例からも上昇局面の最後に注目されるのが割安な資産株だ。注目しているのは、PBRが0.3倍のサンエー化研(4234)や含み資産を持つ片倉工業(3001)など。上昇の最終局面に上がる4よりも短期間の上昇なので、すぐに利益確定に動き売り時を逃さないことがポイントだ。

1銘柄に2000万円超の集中投資で大きく増やす!
日経平均が12カ月移動平均線を割ったら現金化

 広く分散しても日経平均並みにしか増えないと考え、「ここぞ」という銘柄には資産の10%以上は集中。現在はバリュー株10銘柄、高利回り株20銘柄の合計30銘柄に投資中だ。

 一方で、日経平均の月足が12カ月移動平均線を下回った時は、現金比率を増やす守りの姿勢も忘れない。

 「中小型株も、日経平均との連動は避けられない。日経平均が12カ月移動平均線を割り込んだ今年の年初から保有株の一部の利益確定を進め、現時点で現金比率は2割で、最終的には4割まで引き上げることも検討中です」(御発注さん)

 こうして年初からの急落局面の影響を軽微に留めている。積極的に集中投資する一方で、守りも怠らない姿勢が成功につながっている。 

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