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2018年の「米国の相場予想」と「投資戦略」を解説!
米国株では「不動産」「消費安定」「ヘルスケア」、
その他の国では出遅れたロシアとメキシコが狙い目!

2018年1月1日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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2018年の相場予想と投資戦略は?

 あけましておめでとうございます。2018年も本連載をよろしくおねがいいたします。

 さて、本年1回目の記事は、2018年の相場予想と投資戦略です。私は2018年の相場を次のように予想しています:

1. S&P500指数のターゲットは2,652、つまり今年とほぼ変わらず
2. 為替は若干のドル安
3. セクターは「不動産」「消費安定」「ヘルスケア」が好調
4. ロシア、メキシコが良い

2018年のS&P500指数は
今年とほぼ変わらないレベル

 S&P500指数で、2,652というターゲットを予想した根拠を示します。

 まず、S&P500指数の1株当たり利益(EPS)のコンセンサスは、現在146.17となっています。

 2017年末に成立した税制改革法案により、2018年のEPSは10ドル前後増えるというのがエコノミストの間での定説になっています。しかし、この手の予想は大体、楽観的すぎるので、私は10ドルの半分、すなわち5ドルくらいしかEPS押し上げ効果は無いと見ています。

 次に、アナリストは新年に入ると、その年の個別企業のEPS予想を下方修正する傾向があります。大体2%程度、コンセンサスEPSが下がります。つまり3ドル程度、EPSが下方修正される可能性が高いのです。すると、2018年のS&P500指数のEPSは、次のようになります。

    146.17 + 5-3 = 148.17

 次に、私は2018年末の米国10年債利回りを2.6%と予想しています。これは、現在の2.41%より若干の金利上昇ということになります。

 いま市中金利と株式は競争関係にあり、市中金利が上昇するシナリオでは株式のバリュエーション、つまり株価収益率(PER)は下がると予想されます。

 現在のS&P500指数のPERは18.1倍ですが、上に述べた市中金利の上昇で、PERは17.9倍前後まで下がると予想します。すると、前出の予想EPSとあわせて、S&P500指数のはターゲットは、以下のよういなります。

    148.17×17.9 = 2,652

 2017年末時点のS&P500指数は2,673.61なので、2018年の米国株はは「ほぼ横ばい」ということになります

S&P500指数チャート/週足・5年S&P500指数チャート/週足・5年(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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米国の好景気は他国よりも先に暗転するため
為替は若干のドル安を予想

 次に為替ですが、若干のドル安を予想しています。アメリカの好景気は、欧州その他先進国の好景気より「歳を取っている」ので、暗転するのは他国よりも先だと思うからです。

 なお、株価指数がほぼ横ばいになるというと、「なんだ、それじゃあ投資する意味は無いのか」と考えがちですが、個別株では上がる銘柄も沢山あると思うので、「投資する意味が無い」ということではありません。

米国株のセクター戦略としては
「不動産」「消費安定」「ヘルスケア」が狙い目

 セクター別では不動産、消費安定、ヘルスケアが良いと思います。これらのセクターは、現在いずれも投資家から敬遠されています。

 具体的な商品ですが、まず不動産REITでは、iシェアーズ米国不動産ETF(ティッカーシンボル:IYR)が良いと思います。同ETFは、配当利回りが3.7%と魅力的です。経費率(信託報酬)は0.44%です。

 消費安定株では、キャンベル・スープ(ティッカーシンボル:CPB)をおすすめします。

 同社は1869年に創業された食品会社で、トマト・スープなどで有名です。その他、スナックの「ゴールドフィッシュ」、トマトジュースの「V8」、クッキーの「ペッパリッジ・ファーム」などのブランドを持っています。配当利回りは2.9%です。

 キャンベル・スープは、12月にポテトチップスの会社、スナイダーズ・ランスを買収すると発表しました。この企業はキャンベル・スープと相互補完的であり、良い買収だと思います。

 ヘルスケアでは、ギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)を挙げたいと思います。

 同社はエイズ治療薬とC型肝炎治療薬がメインですが、その両方ともパテント切れ、他社からの競合薬の登場などで脅威に晒されています。その関係で、PER僅か8.1倍、配当利回り2.9%と割安に放置されています。

 しかしそれは、同社にイノベーションが無くなってしまったことを意味しません。去年買収したゲノム創薬のカイト・ファーマは、キメラ抗原受容体を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR-T)により、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)という難病を治療する手法を編み出し、米国食品医薬品局(FDA)から承認が降りたばかりです。

米国以外の投資先としては
昨年出遅れたロシアとメキシコに要注目

 さて、アメリカ以外の投資対象としては、2017年に比較的出遅れたロシアとメキシコが良いと思います。

 具体的な商品ですが、ロシアは、ヴァンエック・ベクトル・ロシアETF(ティッカーシンボル:RSX)、メキシコは、iシェアーズ・MSCIメキシコ・キャップトETF(ティッカーシンボル:EWW)が好適です。

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【今週まとめ】
2018年は米国株式市場が横ばいなので
投資先をよく吟味して利益を上げていこう!

 2018年の米国株式市場は横ばいを予想しています。為替は若干のドル安を見込んでいます。セクターでは「不動産」「消費安定」「ヘルスケア」などが良いと思います。米国以外の投資先ではロシアとメキシコが良いでしょう。

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