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今週から米国連邦政府機関が「一部閉鎖」されるが、
米国経済への影響は軽微! 絶好調の米国株式市場で
始まった第4四半期決算発表シーズンの行方は?

2018年1月22日公開(2018年1月22日更新)
広瀬 隆雄
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「つなぎ法案」が上院を通過せず
米国の連邦政府機関が一部閉鎖へ!

 先週金曜日、連邦政府機関を暫定的に開けておく「つなぎ法案」が上院で審議されましたが、法案通過に必要な60%の得票確保の見通しが立たず、連邦政府機関の一部が今週から閉鎖されることが確実となりました。これは2013年以来、四年ぶりの閉鎖です。

 この背景を説明すると、上院では共和党が過半数を占めています。しかし、予算法案などの重要法案の場合、単に51%の賛成を獲得するだけではダメで、60%の賛成が必要であると規定されています。それは、一部民主党議員からの賛成もとりつける必要があるということです。

 しかし民主党は、「“ドリーマーズ”と呼ばれる不法移民の間で生まれた子(=アメリカは出生地主義なので、その観点からはアメリカ人です)の処遇をどうするか?」という、本来予算交渉とは関係ない争点を交渉の条件として持ち出しました。このため議論が紛糾し、今回の一部閉鎖に至ったというわけです。

連邦政府機関が一部閉鎖するも
国民生活への影響は軽微

 ただ、政府機関の一部閉鎖と言っても、今週からお役所が全部休業になるわけではありません。

 実際には、国立公園への入園が出来なくなるとか、日常生活に大きな影響を及ぼさない周辺的なサービスを中心として公務員の休暇が行われます。米国財務省証券の利払いは継続して行われますし、社会保障制度の支払いも滞りません。警察などの重要なサービスも対象外です。

 その関係で、今回のシャットダウンが米国経済に与える影響は軽微だと思われます

 実は1977年以来、アメリカでは18回に及び、連邦政府機関一部閉鎖が起こりました。しかし、それがGDPを押し下げた形跡はありません。

 マーケットとの絡みでは、経済統計の発表日がズレるなどの不都合が過去にはありました。しかし、これも殆ど心配する必要は無いでしょう。

マーケットが「つなぎ予算」の材料を無視するのは
米国市場が絶好調だから

 実際、市場参加者は「ひょっとすると『つなぎ予算』は可決されないかも?」というリスクを、じゅうぶんに承知していました。それにも関わらずNY市場が新値を取っている理由は、そもそも米国経済が絶好調だからです。

 アメリカは、既に2017年第4四半期決算発表シーズンに突入しています。これまでにS&P500採用銘柄のうち11%が決算発表を終えていますが、そのうち68%がEPSでコンセンサス予想を上回りました。また85%が売上高でコンセンサス予想を上回りました。

 なお、第4四半期のコンセンサスEPSは先週から今週にかけて-10.2%下落しました。これはシティグループ(ティッカーシンボル:C)が213億ドルという途方もない利益下方修正に見舞われたことによります。

 その理由は、去年の年末に成立した税制改革法案により、1)過去の損を将来の利益と繰り延べ相殺できる特典が失われたこと、2)海外子会社の利益を本国へ送金する際、追加の税金がかかること、の2つの特殊要因が発生したためです。これらはいずれもシティグループの業務そのものの成績とは無関係な要因であり、無視しても良いです。

 ただ、この特殊要因により2017年第4四半期のS&P500四半期EPS成長率は、これまでの+10%成長から、+0.2%成長へと下方修正されました。

 また、2017年第4四半期のコンセンサスEPS予想が下がった反動で、2018年第4四半期のEPS成長率が+27.2%とジャンプしていることに注目してください。

 いずれにせよ、税率の変更という特殊要因を除けば、米国企業の業績は、すこぶる好調なのです

 なお、先ほど「今回の決算発表シーズンでは、売上高でコンセンサス予想を上回る企業が85%にも及んでいる」と説明しましたが、現在のような好景気の局面では、おもに売上高をぐんぐん伸ばしている企業が人気化すると思われます。

 不景気の局面ではネット企業のような成長ストーリーに市場参加者の注目が集まりますが、好景気の局面ではエネルギー、素材など、幅広いセクターで華々しい売上高成長が見られるのが通例です。下はそれを示したチャートです。

【今週のまとめ】
「つなぎ予算」法案の頓挫は気にせずに
売上高が成長している企業を攻めろ!

 「つなぎ予算」法案の頓挫による米国連邦政府機関の一部閉鎖は株式市場に影響を与えないと思います。米国経済は好調で、米国企業の業績は良いです。第4四半期決算発表シーズンの滑り出しも好調です。

 去年末に成立した税制改革法案の関係で、シティグループの利益が大幅に下方修正されましたが、これは帳簿上だけのことであり無視すべきです。

 今後の銘柄選定に際しては、売上高成長がガンガンに出ているセクター、具体的にはエネルギーや素材を中心に攻めたいです

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