2018年に大化け期待の「日本株」をアナリストに直撃! 半導体や外食、RIZAP関連など、2017年に上昇した株は2
ダイヤモンド・ザイの巻頭特集は「最強 日本株番付」! 精鋭アナリスト30人に徹底取材して「5万円株」番付や「高配当株」番付、「新興株」番付など注目の7大番付を決定し、最強の103銘柄を大公開している。
今回はその中から、大化け株の発掘に定評のある独立系アナリスト4人の座談会企画を抜粋。2017年に大幅上昇した半導体や外食株などは2018年も上がるのか? 4人の予測を紹介しよう!
※話を聞いたのは、マーケットコメンテーターの岡村友哉さん、こころトレード研究所の坂本慎太郎さん、株式アナリストの佐藤勝己さん、財産ネットの藤本誠之さん。
2018年は日本株が優位! 大化け銘柄も必ずある
――2018年の日本株は、まだまだ上がると思ってもいいんでしょうか?
岡村友哉さん
国内大手証券を経て、投資情報会社フィスコでIPOや新興市場を担当。現在は経済番組でコメンテーターとして活躍中。
岡村 日銀次第とも言えますが、日経平均株価3万円はないかなというのが私の予想です。若干は上がると思いますけど。あと、一時的な下落もあると見ています。一方、米国のダウ平均株価はこの2年間で40%も上げたので、こちらも今年はね……。
坂本 そんなうまい話が続くわけないって感じ?
岡村 そういうことです。2000年のITバブルは金融政策の引き締めで終わったけど、今回もそうなる可能性があると思っています。FANG(※1)を見ていてもバブルを感じる。
(※1)2015年頃から使われ出した、米国の巨大ハイテク銘柄群を指す言葉。語源は、IT大手のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(現アルファベット傘下)の頭文字。この4社にアップルを加えた「FAANG」などの用語もある。
佐藤 僕もいつも通り弱気(笑)。何でも上がる感じはバブルに近いんじゃないかと思っています。
藤本 うーん、でも個人投資家はまだ買っていないし、2018年は正直なところ上がる理由しかないと思う。
岡村 日銀のメンバーが変わらない限りは、とりあえず現状維持だろうとも思いますけど。まあ、日経平均株価やTOPIXは需給で決まるけど、個別株で重要なのはEPS(1株あたり利益)の伸びです。そこは分けて考えています。2018年も、個別株では大化け銘柄が出てくるでしょう。
坂本 2018年は、業績拡大余地のある日本株のほうが米国株より買われる理由がある。とは言え、岡村さんが言うように押し目は必ずあるはずなので、そこを狙っていくといいんじゃないでしょうか。
需要は伸びる一方で、半導体は好調が継続する
――2017年に強かった半導体や人材、外食などは2018年も期待できますか?
藤本誠之さん
日興証券、SBI証券などを経て現職。年間300社超の経営者とのミーティングで上昇株を発掘。愛称は「相場の福の神」。
岡村 「東京エレクトロン(8035)」は株価が2倍になったけれど、あそこまで上がるとは正直思いませんでしたね。
藤本 半導体需要が拡大する中、「東京エレクトロン」は3次元半導体(※2)の製造装置で強みがあり、そこが「ディスコ(6146)」との差。「東エレ」は2018年も伸びますよ。IoT、自動運転など半導体需要は今後も増える一方ですから。
(※2)水平方向に記録素子を並べる従来の半導体とは異なり、立体方向に記憶素子を積み上げるタイプの半導体のこと。従来型より大容量のため、データセンター向けなどで需要が拡大中。「半導体関連銘柄は、どんな製品を手掛けているのかまで見ることが重要です」(岡村さん)。
坂本 ただ、供給不安には注意したほうがいい。2017年は半導体製造装置に部品を提供する「THK(6481)」の納期遅れリスクが話題になりました。需要が伸びていても供給不安が出てくると、そもそも先の利益まで織り込んで買われているわけだから、相場が終わる可能性もありますよ。
佐藤勝己さん
山一證券、フィスコを経て独立。業界裏事情に詳しく、短期的な材料と中長期的な視点を組み合わせた銘柄選びに定評。
佐藤 人材関連はすでに上昇しましたが、今後、解雇の金銭解決(※3)が可能になればチャンスはまだあるかも。金銭解決が認められれば外資系企業による直接投資が増えて、国際関係に強い「JACリクルートメント(2124)」あたりが上がるんじゃないかな。
(※3)解雇に関するトラブルを、職場復帰ではなく金銭によって解決しようという制度のこと。今後、導入に向けた本格議論が行なわれる予定となっている。ただ、リストラの手段に使われる懸念があることなどから、制度の導入には慎重な意見も多い。
岡村 12月に上場したばかりの、「みらいワークス(6563)」はどうですか。質の高いフリーランスのコンサルタントをマッチングするという目の付け所が面白い。外資コンサルを呼ぼうと思ったら、めちゃくちゃ高いですから。その昔、「エス・エム・エス(2175)」が看護や介護という新しい分野での人材紹介を開拓して、大きく伸びたという流れと重なって見えます。
藤本 俺たちみたいなフリーのアナリストも需要はあるかな?
岡村 藤本さん……(笑)。
2018年も銘柄を替えつつ、外食株の爆上げは期待大
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藤本 冗談はさておき、2017年すごかったのは外食系。その筆頭が「ペッパーフードサービス(3053)」だけど、今年も外食株はいけるでしょう。イチオシは「一家ダイニングプロジェクト(9266)」。株価は上がっているけど、主力2業態でまだ40店舗程度だから、出店余地はまだまだある。マーケティングが上手いのも上がる外食株の特徴で、ここはアプリ会員になると誕生日に年齢分の餃子がもらえるんですよ。他には、てけてけが主力業態の「ユナイテッド&コレクティブ(3557)」も注目ですね。
坂本慎太郎さん
ディーラー、かんぽ生命保険ファンドマネジャーを経て現職。デイトレから低位株の中長期保有まで投資テクニックが豊富。
岡村 「一家ダイニングプロジェクト」は、まだ株主優待がないことが最大の魅力でしょう。株主優待が導入される前の今がチャンスだと僕も思います。
佐藤 株主優待の新設で、「串カツ田中(3547)」みたいに爆上げする可能性はある?
坂本 「串カツ田中」はPER100倍以上になりました。ただ、上昇の最後は値幅取りの短期トレーダーの参戦で値動きが荒くなる。そして、利益確定が始まると今まで引っ張っていた人が不安になり一気に売り出す。
藤本 降りるタイミングを意識しておかないと。ある程度上がってからどうしても参戦したいというなら、バイオ株を買っている気持ちでいないとイタイ目に遭いますよ。
岡村 安心を求めるなら、とにかく初動で買うのが重要です。
結果にコミットし続けるRIZAPからは目が離せない
――2017年は、「RIZAPグループ(2928)」と子会社の爆上げぶりも話題でした。
岡村 いわゆるRIZAP祭り(※4)。株主優待祭りとも言えますが。
(※4)RIZAPグループをはじめ、マルコや夢展望、ジーンズメイト、イデアインターナショナルなど傘下の企業の株価が爆上げしていく現象を指す。株価上昇のきっかけはさまざまだが、主に子会社化された後の業績改善や株式分割、株主優待の新設・拡充、配当の開始などが挙げられる。
坂本 まだまだ続くでしょう。2018年の本命は、昨年「RIZAPグループ」入りした「ぱど(4833)」。ここはまだ株主優待がないから。IR強化、優待新設、業績改善というRIZAP祭りの3拍子が揃ったところで、株価が大きく上昇すると読んでいます。
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