アップルの決算発表は
事前の懸念に反して無難な内容
先週、アップル(ティッカーシンボル:AAPL)が、第2四半期(3月期)決算を発表しました。
それによると、EPSが予想2.68ドルに対し2.73ドル、売上高が予想609.4億ドルに対し611.4億ドル、売上高成長率は前年同期比+15.6%でした。今回の決算発表に先立ち、「ひょっとしてiPhone Xの販売が不振なのでは?」という観測が流れていたのに反し、いざフタを開けてみると良い決算でした。
iPhone販売数は、予想5200万台に対し5220万台、iPad販売数は、予想880万台に対し910万台でした。さらにMac販売数は、予想410万台に対し410万台でした。
地域別売上高を見ると、米州+17%の248億ドル、欧州+9%の138.5億ドル、中国+21%の130億ドル、日本+22%の55億ドル、その他アジア+4%の39.6億ドルでした。
第3四半期売上高は、予想515.1億ドルに対し、新ガイダンス515〜535億ドルが提示されました。
また、アップルは、新たに1000億ドルの自社株買戻しプログラムを発表しています。四半期配当は、これまでの63セントから73セントへ引き上げました。
このように、アップルの決算はどの角度から見ても無難なものでした。
ウォーレン・バフェットによる
アップル株買い増しがニュースに
この好決算のニュースに加えて、先週、「ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイがアップル株を7500万株買い増した」というニュースが入ってきました。
これで、バークシャー・ハサウェイのアップル保有株数は2.4億株になります。これはアップルの発行済み株式数の5%に相当し、バンガード、ブラックロックに次いで第3位の株主になりました。
またアップルは、バークシャー・ハサウェイの上場株投資ポートフォリオの中で最大の割合を占めることになります。
アップル株が過去最高値を更新し
機関投資家による買いが増加
これらのニュースを受けて、アップルは先週金曜日、過去最高値を更新しました。
アップル(AAPL)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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アップルは、「機関投資家がベンチマークとして使用しているS&P500指数で4%を占めています。世界の上場株式の中で最もウエイティング(比重)が高い銘柄です。
すると、ファンドマネージャーとしてはアップルが動き出すと自分のポートフォリオの中に十分この銘柄が保有されてなければ、あっと言う間に指数の動きに取り残されてしまうのです。
先週は、そういうポートフォリオ戦略上の考察から、慌ててアップル株を買い足す機関投資家が続出しました。
アップルの好業績により、
世界の投資資金がアメリカに流れてドル高に!
アップルの業績が良かったことで、S&P500指数採用銘柄の今年の1株当たり利益予想は先週の158.94から今週は159.89へジャンプしました。
S&P500の向こう12カ月の予想利益に基づく株価収益率(PER)は、16.0倍に下がりました。これは、過去5年の平均である16.2倍より低いです。
つまりアメリカ株は、
1)企業業績の伸びが過去に例を見ないほど素晴らしい
2)バリュエーションが割安になっている
という理由で、他国市場より相対的に魅力的なのです。
世界の投資家はそれに気が付き、いま慌てて米国株へのお金の配分を増やそうとしています。それは、欧州株や新興国株を処分し米国へお金を持って行くことを意味します。これは、ドル高要因です。
先週は、アルゼンチン、トルコ、メキシコなどで「通貨が不安定になりはじめている」ということが話題になりました。これは偶然そうなったのではなく、世界的に資金がアメリカへと還流しはじめているから起こったことに他なりません。
【今週のまとめ】
世界の投資資金がアメリカに流れ込む中、
ハイテク・ネット関連の大型株が狙い目
先週発表されたアップルの決算は、事前の懸念を吹き飛ばす良い内容でした。
アップルは世界の時価総額でナンバー・ワンの銘柄なので、この株が動意付くとファンドマネージャーは指数についてゆくためにアップル株を買い増す必要に迫られます。その結果、世界のお金がアメリカに戻ってゆこうとしています。
この流れに乗る最善の方法は、アップル、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)、フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)などのハイテク・ネット関連の大型株を素直に買うことだと思います。
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