「お宝銘柄」発掘術!

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進で
株価上昇が期待できる銘柄は?「DX」から「5G」や
「デバッグ」などの派生テーマを連想して銘柄を探せ

2019年2月27日公開(2019年3月13日更新)
村瀬 智一
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 新たにザイ・オンラインで連載させていただくことになった投資情報サービス会社・RAKAN RICERCA(ラカンリチェルカ)の村瀬智一です。本連載では、これまで証券会社や情報会社において培ったノウハウを活かし、これから成長が期待できるお宝銘柄や投資テーマ、さらにはそうした銘柄やテーマの見つけ方などをわかりやすく紹介していきたいと思います。

 第一回目の今回は、最近にわかに注目を浴びる「DX」を取り上げます。

経産省が「DXレポート」を発表!
DXが実現できなければ、年間12兆円の経済損失に!?

 経済産業省は、2018年9月、『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』と題した報告書を発表しました。

 「DX」とは「デジタルによる変革」を意味します。『DXレポート』では、「多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するDXの必要性を理解しているが、実現に向けては多くの課題が残っている」こと、そして「もしDXが実現できなければ、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある」ことが指摘されています。

 モノのインターネット(IoT)などによってさまざまなものがネットワーク化し、顧客や社会の課題解決に資する新たな付加価値を生み出す産業社会に向けて、政府による環境整備を含め、産業界全体でDXシナリオを実現する動きが今後加速すると考えられます

DX関連のテーマの中で
足元で関心が集まっているのは「5G」

 DXの具体的な動きとして、ブロックチェーン、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)など、デジタルの活用が広がりをみせていますが、株式市場においても、これらに関連する企業への物色が断続的に続いています。

 とりわけ、最近、株式市場で高い関心を集めているのが、2020年に商用化が見込まれている「5G(第5世代移動通信システム)」でしょう

 5Gは今年にも暫定的なサービスが始まりますが、本格的に普及すると、8Kなど高画質映像の生放送が可能になり、スポーツ会場に中継車を配置する必要がなくなります。さらに、「手術ロボットを使っての遠隔手術」や「高画質映像をもとにした顔認証による警備」など、さまざまな可能性があるとみられています。衝撃的な情報基盤の刷新になるわけです。

 当然、5G技術の主導権を握るべく世界中の企業が活発化しており、政治的な問題にも発展しています。例えば、中国の5G支配に危機感を抱く米国は、5Gの開発で世界をリードしている華為技術(ファーウェイ)の製品を次世代通信規格から締め出すよう、世界各国に呼びかけています。

 日本においても昨年12月、菅官房長官が「サイバーセキュリティを確保する上で、悪意のある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることは、極めて重要だと思っている」と述べ、事実上、ファーウェイを排除する方針を打ち出しています。こういった報道を受けて、半導体株などが不安定な値動きをみせる局面もありました。

「アンリツ」「村田製作所」など
「5G」の中核銘柄はこれだ!

 そんな5G関連で注目される銘柄といえば、まずハイテク株が挙がるでしょう。実際に株式市場で5Gの中核銘柄として位置付けられているのが、以下の5銘柄になります。

■「5G」の中核銘柄(2019年2月26日時点)
銘柄名 コード 株価 最新の株価
アンリツ 6754 2202円
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村田製作所 6981 1万7700円
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太陽誘電 6976 2322円
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NEC(日本電気) 6701 3780円
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富士通 6702 7603円
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 アンリツは、主力の計測事業において、5G関連のモバイル市場向け開発用計測器への需要が拡大基調で推移しているとして、2019年3月期計画を上方修正しています。

 村田製作所は、大きな情報量を伝送できる高周波数帯であり、5Gでも使われる「ミリ波」などに合わせた回路需要が高まるとみているようです。

 太陽誘電は、セラミックコンデンサで世界シェア上位ですが、やはり5G普及によって恩恵を受けるとみられています。

 NEC、富士通といった大手電機メーカーは、ファーウェイが前述のように排除され、シェア低下した場合のシェア取りで優位になりそうです。

銘柄探しは連想が大事! 「5G」からは、
「基地局」「計測器」「電子部品」などが挙げられる

 その他、銘柄探しでは「個々にどういった分野が出てくるか?」を連想するといいでしょう。5Gの場合は、基地局、計測器、電子部品、システム・ソフト開発、通信キャリアなどが挙げられると思います。テーマ株では思惑が材料になりますので、銘柄は絞り切れないほど出てくるでしょう

 具体的に挙げると、下の表のようにいくらでも出てきますので、きりがないですね。

■「基地局」「計測器」「電子部品」の関連中核銘柄(2019年2月26日時点)
銘柄名 コード 株価 最新の株価
ミライト・ホールディングス 1417 1686円
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コムシスホールディングス 1721 2904円
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多摩川ホールディングス 6838 720円
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協和エクシオ 1951 2877円
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ヨコオ 6800 1615円
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NECネッツエスアイ 1973 2627円
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オリジン電気 6513 2255円
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電気興業 6706 2716円
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■「システム・ソフト開発」などの関連銘柄(2019年2月26日時点)
銘柄名 コード 株価 最新の株価
ネクストジェン 3842 2494円
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サイバーコム 3852 2569円
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トレンドマイクロ 4704 5370円
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伊藤忠テクノソリューションズ 4739 2625円
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構造計画研究所 4748 2343円
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日立製作所 6501 3472円
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三菱電機 6503 1426.5円
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アルチザネットワークス 6778 1095円
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アイレックス 6944 3530円
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ネットワンシステムズ 7518 2600円
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PALTEK 7587 677円
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 まずは、中核銘柄への投資が効率的ですが、上記のような関連銘柄も覚えておきましょう。なぜなら、ほとんどの参加者が中核銘柄に投資すれば、その後の株価を押し上げる動きも鈍りますから、その時点で出遅れている他の関連銘柄へ資金がシフトすることが考えられるからです。株式市場の全体の動きをみても、金余り相場などでは、最初に成長期待の株が満遍なく買われ、買うものがなくなった後、割安感のある銘柄にも物色が広がりをみせてくることがよくあります。

いまだ気づかれていない本命株を見つけ出すのは
株式投資の醍醐味のひとつ

 さて、テーマ株では、もう一つ、まだ気づかれていないであろう銘柄を探ることも有効です。市場で賑わう銘柄についてはさまざまなメディアでも取り上げられますので、投資家の目につきやすく資金が集中しやすいです。一方で、まだ気づかれていない次の本命株を探るのも投資家にとっては醍醐味ではないでしょうか。

 その観点から、連想を働かせましょう。今回で言えば、「DXが本格的に進んだ場合、どのようなビジネスが展開されていくのか」です

 多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、デジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出していきます。当然、さまざまな業界や企業がなんらかの形でデジタル化に向かうわけです。それ故に、ネットワークを介在するシステムや機器がさまざまな業界で増えることになるため、その恩恵を受けるであろう企業を探るのです。

デバッグを手掛ける企業は、
DXの本格的な展開にともない成長期待が

 例えば、私が注目したテーマは「デバッグ」です。デバッグとは、コンピュータプログラムや電気機器中のバグ・欠陥を発見および修正し、動作を仕様通りのものとするための作業です。どんな商品でも、製造後、システムテストなどのデバッグを経て市場に出されます。

 デバッグ関連で中核となる銘柄としては、以下の2社となるでしょう。

■「デバッグ」の関連銘柄(2019年2月26日時点)
銘柄名 コード 株価 最新の株価
デジタルハーツホールディングス 3676 1334円
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SHIFT 3697 4735円
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 これらの銘柄は、ゲームデバッグでは市場で確固たる地位を確立している2強になり、どちらもゲームでバック以外にシステムテストも手掛けています。ネットワークを介在するシステムや機器がさまざまな業界で増えることになるため、システムテストの需要は今後ますます拡大することが見込まれます。そのため、ゲームデバッグで豊富な実績を持つこの2銘柄は、DXの本格的な展開に向けて成長が期待されることになると考えています。

「5G」や「デバッグ」は、
「DX」から派生するテーマの一例にすぎない!

 「今回は、「DX」から[5G]、そして「デバッグ」とテーマを紹介していきました。「DX」は非常に大きなテーマなので、そこからの派生テーマがいくつも考えられます。銘柄発掘の一つのアイディアとして参考にしていただけると幸いです。みなさんも、ぜひ自分なりのテーマとその関連銘柄を探してみてください。

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