前回までは、定額を支払う必要がある固定費の見直し方をお話ししてきましたが、今回は、使い方次第で増えたり減ったりする出費について考えていきます。
"チリつも"式節約術がイヤなら、ほかの部分で節約しよう
この連載の最初のほうで、家計は以下の4種類に分けられるとお話ししました。
(1)毎月必ず定額を支払う費目(いわゆる固定費)
(2)毎月出ていくが、使い方次第で増えたり減ったりする費目(食費や水道光熱費、通信費など)
(3)毎月はかからないが、数カ月に1度は必ず発生する費目(美容院代など)
(4)ごくたまに発生し、節約はできない(するべきではない)費目(医療費など)
節約というと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、(2)の食費や水道光熱費を削ることです。
たしかに、それも重要ですが、(2)が異常なまでに多い場合を除き、一般的には(1)の固定費を削ったほうが節約効果は高いもの。ですから、まずは、これまで連載でお話してきたとおり(1)を削り、それから(2)を見直していくという順番で取り組むのがおすすめです。
(2)には、食費や水道光熱費、日用品費、通信費、携帯電話代などが含まれます。どれも、自分の努力次第で減らせます。また、銀行のATM手数料や振込手数料、交通費なども(2)、あるいは(3)にカウントしてください。
では、これらの出費を削るにはどうすればいいのでしょうか? よく質問されることですが、私は「洗濯は風呂の残り湯でやりましょうね」とか「野菜を電子レンジである程度加熱してからガスコンロで炒めると、ガス代が節約になりますよ」というような、節約のノウハウを積極的に語れません。私自身が、家事に関連する"チリつも(チリも積もれば山となる)式"節約が苦手だからです。

これは性格的なものだと思いますが、小さいことを積み重ねて節約することを喜びにできる人もいれば、そうではない人もいます。チリつも式は苦手でも、ほかに合った節約の仕方があるはずです。
自分が"できる節約"と、"使いたくないお金"を考えてみよう
私はかつて、かなりズボラなお金の使い方をしていました。一時期は100万円近い借金をしていたくらいですから、ズボラ度は相当高かったと思います。
今でも、基本的にズボラな部分は消えていないと思います。それでも「借金を返さなくては」と決意し、心を"貯めモード"に持っていってからはだいぶ改善されたと思います。
では、具体的にどう改善されたかというと――たとえば、それまでは何も考えずに仕事の合間の昼ごはんにコンビニで割高なお弁当を買っていたところを、貯めモードになってからは、前日の夜にスーパーに寄って値引きされているお弁当やお惣菜を買っておいて翌日食べる……などの工夫ができるようになりました。
なぜ急にできるようになったかといえば、"自分がどんな節約ならできそうか"を考えたからです。
同時に、できなさそうな節約もいろいろ考えました。いちいちコンセントを抜くのは無理だし、湯船にペットボトルを入れてお湯の使用量を減らしたり、トイレの水を一回で流さず、数回分たまってから流したり……みたいなことも無理。
一方で、帰宅途中にスーパーに寄り道する程度なら自分にもできると考えました。スーパーに行ってみるとコンビニがいかに割高であるか気づいたのです(常識かもしれませんが……)。以来、そのほかの買い物をするときも、徒歩1分のコンビニと徒歩10分のところにあるスーパーがあったら後者を利用しようと思えるようになりました。
また、"自分がどんなお金を払いたくないと思っているか"も考えました。すると、真っ先に浮かんだのが銀行の振込手数料でした。
ATMの種類や時間帯などに気をつければ無料になるのに、わざわざ振込手数料を支払うのは浪費にほかなりません。でも、貯められない人は、何の躊躇もなく手数料を支払ってしまっているケースが多いようです。
金額にして数百円程度の話ですが、この低金利の時代、振込手数料分に相当する金利を受け取るには結構な金額を預ける必要があります。
たとえば、ATMで他行あてに3万円以上振り込もうとすると、普通は420円くらいかかります。420円を円の定期預金金利でゲットしようとしたら、10月現在の大手銀行の1年もの定期預金金利は0.025%ですから、単純計算で168万円の定期預金をしておかなければなりません。
にもかかわらず、気軽に振込手数料を支払っていたら金利分を回収できず、銀行に預けているだけなのにお金を減らしてしまうことになります。
いまの時代、銀行にお金を払わないようにしようと思えば必ずできます。銀行によっては、預入金額が一定を超えると1カ月のうち何回かは振込が無料になるサービスもありますし、ATMは時間帯に気をつけて他行のものを使わないようにすればたいてい無料で使えます。それはそんなに難しいことではありませんから私でも実行できました。
意識してみると、私の知る資産家と呼ばれる人達は、その多くがATM手数料や振込手数料には注意を払っています。「お金持ちなのに何で?」と思われるかもしれませんが、そういう"払いたくない、払う必要のないものにはお金を使わない"という感覚があるからこそ、お金持ちになれたのでしょう。
通信費を減らせるあの手、この手
そのほかに払いたくないお金というと、私の場合は携帯電話代やプロバイダ料金などの通信費です。携帯電話代に月1万円前後かかっている人は多いですが、私は「たかだか電話に、ごちそうが食べられるくらいの金額を費やしたくない」と思います。
それに、携帯電話代もいまはあの手この手で安くできます。携帯ショップで相談すれば自分に適した料金プランを教えてくれて使用料を引き下げることができますし、無料のコミュニケーションアプリである「LINE(ライン)」をインストールすればスマートフォン同士、かなりおトクに好きなだけ通話ができるようにもなります(パケット通信料は上がりますが、スマートフォン加入者はたいていパケット定額制に入っているため、大きな問題はないということになります)。
いまや常識といってもいいですが、相談者の方と話した限りでは「なんとなく面倒で……」「難しそう……」などといい、実践していない例もよく見られます。
また、スマートフォンとノートパソコンなどを無線LANで接続し、携帯電話回線を通じてインターネットを利用する「テザリング」も話題になっていますね。テザリングを利用すればスマートフォンがネットを使うための機器になってくれるため、ADSLや光ファイバーが不要になります。
そのため、パケット料金は上がるものの、LINEと同じようにパケット定額制に入っていれば大きな問題がなく、通信費自体は数千円単位で節約できる場合が多いのです。私もこのテザリングは利用していますがとても便利ですし、実際に節約にもなりました。
LINEにしろテザリングにしろコンセントを抜くような節約に比べるとわかりにくいですが、知る努力をすれば高い節約効果が期待できます。知る努力なんていうと大変そうですが、「払いたくないお金を少しでも減らすためなんだ」と思えばやる気がわいてくるのではないでしょうか。
通信費の例を挙げましたが、人それぞれ、できる節約、できない節約、使ってもいい費用、使いたくない費用があると思います。
みなさんもそれを明確化して、できる節約を実行し、使いたくない費用を削る方法を考えてみてください。できないことを無理せず、できることから始めていくだけで"貯めモード"になれるはずです。
(構成/元山夏香)
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