「勝者のゲーム」と資産運用入門

2022年の日本株マーケットを大胆予想。日経平均は2万4500円~3万4500円。今年はテンバガー狙いよりバリューへ。太田忠の勝者のポートフォリオ 第14回

2022年1月12日公開(2022年3月29日更新)
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

バリュー株の優位とグロース株の不振が際立った2021年

 いよいよ寅年のマーケットが始まった。干支別のパフォーマンスを見ると寅年の過去6回の勝率は1勝5敗と冴えず、平均上昇率は+1.8%だった。しかも1986年の+42.6%を含めての数字であるため実質的にはかなり分が悪い。しかしながら、もはや干支によるパフォーマンスはアノマリーとしてアテにならなくなっているため、あまり気にする必要はないと思う。

 さて、2022年のマーケットを展望してみたい。流れをつかむために、まずは2021年の総括から始めよう。一言でいえば、2021年は「バリュー株優位vsグロース株不振」の構図が際立った年だった。パフォーマンスは、MSCIジャパンバリューが+13.5%、MSCIジャパングロース+4.6%とバリューが圧勝だった。データは11月までだが、12月を含めるとさらにその傾向は強まる。これは2020年とは対照的だ。2020年は全く逆でグロースが+23.0%、バリューが-3.6%とグロースが圧勝した。

グロース株を主体に投資していた個人投資家には辛い1年だった…

 2020年のグロース圧勝を受けて「バリュー株なんか上がらない」と思い、2021年をグロース株主体で投資していた個人投資家は大きくやられただろう。春先に金融相場から業績相場に移り、金融緩和から金融正常化へ向けた動きになれば当然、グロース株に付いていたプレミアムは剥げ落ちて高いバリュエーションを許容できなくなる。成長期待の赤字企業への期待も大きく後退する。まさに我に返るわけだ。するとイケイケ銘柄はどれもこれも見事に急落することになる。

 一方、これまで鳴かず飛ばずだった、利益はしっかり出ているのに「成長しないからつまらない」というレッテルを貼られていたバリュー株が正当に評価される形になった。市場別パフォーマンスを見ると、TOPIX+10.4%、日経平均+4.9%、ジャスダック平均+4.3%、マザーズ-17.4%とはっきりと特徴が出ている。

2022年の株価予想は、日経平均で安値2万4500円~高値3万4500円

Photo :Funtap / PIXTA(ピクスタ)

 2022年のマーケットは日経平均で安値2万4500円~高値3万4500円のレンジを予想している。現在テーパリング局面に入っているが、前回の2014年1月~10月のテーパリング局面の初期段階で日経平均は一時15%安となった。「金融正常化が進み、これから金利が上昇する」などの話がでてくれば市場はガタガタするものだが、今がまさにそのような段階と言えよう。

 2021年の日経平均の終値は2万8791円。ここから15%下落すると2万4500円。現在の日経平均は2万8500円の水準なので最大4000円の下落リスクがある。これを2022年の安値メドと考えている。テーパリングが終わり金利引き上げに移行すると、マーケットは徐々に平静を取り戻して業績相場へ回帰すると考えている。

 上述した下落リスクはあるものの、現在の2万8500円の水準は割安と私は考えている。2022年3月期予想のEPSを元にした日経平均PERは13倍台後半。通常15倍レベルなので実力ベースでは3万1300円。したがって実力値に追いつけば10%程度の上昇余地がある。さらに2023年3月期の決算は、景気回復でEPSが10%程度伸びると予想している。これを考慮すると日経平均は3万4500円となる。したがって、2022年の日経平均の予想レンジは安値2万4500円~高値3万4500円で、1万円の上下差があると考える。

当面の狙い目は、好業績かつ割安の大型バリュー株

 当面の投資戦略は大型バリュー株を重視する。2021年12月から現在にかけて明らかな兆候が出ている。それは今後の金融政策の正常化に向けて、好業績かつ割安の大型株が相場を牽引する一方、グロース株や小型株は不振を極めている点だ。グロース株や小型株は金融正常化に入れば割高感が意識されてパフォーマンスが悪化する。2022年もこの流れが続くと思われるため、留意していただきたい。

 小型株のスペシャリストである私が言うのもなんだが、今年は小型グロースが一番ダメな投資領域になると思う。年明けから東証マザーズ市場はわずか1週間で10.6%下落し、2021年10月以降では21.7%も下落した。マザーズ市場の個人投資家の信用取引評価損はマイナス30%とおぞましい状態だ。

新興株や小型株にテンバガー狙いで投資すると痛い目に合う

 これが何を表しているのかを考えて欲しい。新年早々、ある個人投資家から私に「テンバガーを狙ってマイクロキャップに投資したいと思いますが、いかがでしょうか?」という質問があったが、私ははっきり言った。「今年はテンバガーなど狙っていると痛い目に合うのでおよしなさい」と。

 テンバガー狙いは逆業績相場が終わったボロボロの投資環境が最適で、その後の金融相場でドカンと成果を得る。今はもうそんな時期はとっくに過ぎてしまっている。今はテンバガーになった銘柄が暴落するような局面に入っていることに、皆さんはお気づきだろうか?

 「勝者のポートフォリオ」では今年も積極的に皆さまの運用資産を積み上げるべく良質な情報を提供していきたいと思う。引き続きよろしくお願いいたします。

(DFR投資助言者 太田 忠)

 この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社!
ダイヤモンド・ザイのウェブ会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

勝ち組投資家の
1億円を作るワザ29
買いの高配当株74

1月号11月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[勝ち組投資家の1億円を作るワザ]
◎ZAi NEWS CHANNE
プロ9人がズバリ診断!
「日経平均5万円」が“高すぎ”ではない3つの理由

◎巻頭特集
最新決算で発掘!主役株はコレだ!
株価爆上げ株36
●高進捗の鉄板人気株
●2ケタ増益の大化け高成長株
●出遅れの割安急騰株

◎第1特集
勝ち組投資家13人の29のワザ!
新顔の億り人が続々登場!1億円の作り方

●成長株で作る
・www9945さん/
11億円
・すぽさん/1億円超
・テンバガー投資家Xさん/7億円
●2割安株で作る
・ヘムさん/
5.2億円
・なごちょうさん/2億円
・miyata1さん/2.7億円
●高配当・優待株で作る
・べトカブさん/
2.3億円
・ナイトさん/1億円
・たつやさん/2.5億円
●レバレッジ投資
・コン太さん/
3.5億円
・珍五郎さん/9600万円
●番外編推し活買い!
・猫おやじさん/
1.6億円
・髪はロングさん/1億円
◎第2特集
4%以上が21銘柄も!
2026年に買いの高配当株74

●安心・安定を重視なら誰もが知ってる有名企業!最強の高配当株10
●じっくり育てたいならもらえる現金が増えていく!未来の高配当株38
●資産額アップを狙うなら利益ダブル取りを狙う上がる高配当株26
●儲かる買い方がわかる!初心者でも安心!
配当入門

◎第3特集
AI時代の今こそ米国株で老後資産をつくろう
◎第4特集
2026年のNISAはこの9本の投信を買え!
●3年目のNISAは“一歩先”も考えよう
◎第5特集
少額&高額品の駆け込みふるさと納税カタログ
【別冊付録】
株で勝てる!ポイ活もできる!
お金カレンダー

●経済イベントや株の勝ち方がわかる!
●ポイ活デーもわかる!
●権利確定月別の高配当株や桐谷さんおススメ優待株も!

◎連載も充実
日経平均5万円」が“高すぎ”ではない3つの理由 
◆次の1カ月何が起きる?プロが今の株式相場のポイントを解説!
高市政権への期待は続き日本株はさらに高値更新へ
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2025年10月編
株高が続く状況下で新興株には警戒感が浮上
◆ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
家具レンタルはおトクなの?
◆17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略
ポーカーに学ぶ攻略ポイント
◆連載・おカネの本音 デラさん
雑魚として生きる!うつの僕が辿り着いた緩く稼ぐための方程式
◆マンガ恋する株式相場「サナエノミクスで仕掛け時!?
◆マンガ「気が付けばアナタも対象に?自宅や株の上昇で相続税が発生する!
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!
日米の株式相場では高値圏の推移が続き株式型が好調!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報