世界投資へのパスポート

上海総合指数がわずか3週間で約30%も下落!
その理由と中国政府の課題について考えてみた

【第373回】 2015年7月6日公開(2017年11月29日更新)
広瀬 隆雄
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
印刷向け表示

【今回のまとめ】
1.上海総合指数の下げがきつい
2.利下げは逆効果だった
3.中国人民銀行は後手に回っているという印象が出てしまった
4.株高は、実体からかけ離れていた
5.信用取引が株価を押し上げた
6.人民元高が業績不振の一因
7.改革は容易ではない
8.市場が荒れると「逆コース」への誘惑も増える

連日下落する上海総合指数。6月中旬からは約30%下落

 このところ上海総合指数が下落しています。6月中旬につけた高値からの下落幅は-28.8%に達しています。

 連日の株式市場の下落を受けて中国人民銀行は6月27日に1年物貸出基準金利を0.25%引き下げ、4.85%としました。

 

 これまで中国人民銀行は一度利下げしたら3カ月休み、また利下げしたら3カ月休むというペースを維持してきました。しかし今回は5月に利下げしたばかりなので、このリズムが崩れたわけです。

 さらに今回はこの発表と同時に金融機関に対する預金準備比率も引き下げました。利下げと同じ日に預金準備比率も引き下げるのは、極めて異例のことです。

 投資家はこの様子を見て、中国人民銀行が後手に回っていると感じました。投げ売りが加速したのはそのためです。

 中国政府はマーケットの下げが止まらない様子を見て、当面、新規株式公開を中止させるとともに証券会社に対し、相場買い支えのためのファンドを編成するよう指示を出しました。これは昔、日本で行われたPKO(株価維持オペレーション)をほうふつとさせます。

実体経済とはかけ離れた株高となっている

 上海総合指数が際立った上昇を見せ始めたのは、中国人民銀行が利下げを発表した去年の10月でした。不動産投機は当局の監視の目が光っているので、緩和によってもたらされるマネーは株式市場へ流れ込むと多くの市場参加者が判断しました。

 この頃から信用取引を利用して、自分の資力よりずっと大きな相場を張ることが横行しました。このレバレッジの存在が、今回の下げ局面を一層きついものにしていると言えるでしょう。

人民元が相対的に高いこともあり中国本土企業の業績は悪い

 問題は、今回の株高が経済は企業の経営の内容を全く反映しない、実体の乏しいものだった点です。実際、中国本土企業の収益はぜんぜん伸びていません。

 中国企業の業績が悪い理由は、人民元が周辺国の通貨に対して強くなり過ぎたことと無関係ではありません。人民元は緩く米ドルに連動しています。すると去年以来のドル高で、人民元も相対的に高くなってしまったのです。

 

 これは中国の輸出企業の競争力を削ぎ、輸出不振を招きました。このところ中国の輸出と輸入は、いずれも前年比マイナスを続けています。

GDPターゲットが達成できなくなる可能性も高い

 中国政府は今年のGDP成長率のターゲットを+7%としていますが、国際通貨基金(IMF)は+6.8%を予想しています。

 

 つまり政府の経済成長目標の達成は、かなり苦しい状態になっているのです。

政治的な痛みが伴うため政府系企業の淘汰が進まない

 中国政府は不動産バブルを抑制するためシャドー・バンキングに対する監視を強化しました。これが建設活動の減速につながっています。

 不動産開発は地方政府の重要な財源となっています。従って地方政府の財政の健全性を維持しようと思うと、たんに不動産の乱開発をおさえるだけではダメで、税制を改革してやる必要があります。これには時間がかかります。

 また、不採算案件を開発してしまった業者に対しては、不良貸付けを誤魔化し続けるとアク抜けにならないので、倒産を受け容れる必要があります。これには民間企業だけでなく、多くの従業員を雇用している政府系企業も含まれます。これは政治的に大きな痛みを伴います。

 しかし競争力に乏しい政府系企業がいつまでも淘汰されないということは、民間企業がその陰でクラウディング・アウト(=押しのけられること)されることを意味します。それが中国経済から活力を奪っているのです。

資本市場の改革は政府のコントロールが効かなくなる可能性も

 同様のムダは、資本市場にも存在します。そこで最も競争力のある企業が実力に応じて資本を獲得できるよう、市場原理を導入することが期待されています。その導入にあたり、中国政府はすでに預金保険機構を設立するなど準備を進めています。

 さらに金利の自由化、政府によるインプリシット・ギャランティー(=言外の保証)の廃止が望まれます。そして人民元レートも、ゆくゆくは市場原理により調整されるべきです。IMFはそのようなことを踏まえ、為替レートの完全自由化を2~3年後に導入することを奨励しています。

 これらはいずれも中国政府がとるべき道ですが、それは政府が市場をコントロールする力をはく奪することも意味します。市場が乱高下しはじめると「逆コース」(政府がコントロールする方策)を歩む誘惑も大きくなるわけです。
 

【2019年11月1日時点】

「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社

◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
3500銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【マネックス証券のおすすめポイント】
米国株取引に力を入れており、取扱数5400銘柄以上! 成行注文や指値注文のほか、逆指値注文、連続注文、ツイン指値(OCO注文)など、多彩な注文方法が使えるのも魅力だ。取引手数料もお得で、米国株なら最低手数料0ドルから購入可能。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税抜)だ最大3万円がキャッシュバックされる。また、米国ETFの中で「ゼロETF」対象銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引ができる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされ、実質無料になるのもメリット!
【関連記事】
◆【マネックス証券おすすめのポイントは?】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
【米国株投資おすすめ証券会社】マネックス証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2200銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【SBI証券のおすすめポイント】
2019年7月の値下げにより、米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能になった。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。また、米国株の情報入手には、各企業情報が1ページにまとまったレポート「One Pager」、米国株・米国ETFをテーマで検索できる「米国テーマ・キーワード検索サービス」、さらに銘柄検索やソートができる「米国株式決算スケジュールページ」が使いやすい。
【関連記事】
◆【SBI証券のおすすめポイントは?】IPOの多さ&夜間取引、銀行との連携など独自サービスも充実!
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
【米国株投資おすすめ証券会社】SBI証券の公式サイトはこちら
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2300銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【楽天証券おすすめポイント】
米国株だけではなく、中国(香港)やアセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)の株もラインナップ。海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約300本を含む、約360本と業界トップクラス! 2019年7月の値下げにより、米国株式の取引手数料は最低0米ドルからになった。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。また、取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名で、数多くのデイトレーダーも利用。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。
【関連記事】
【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実!
◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい!
【米国株投資おすすめ証券会社】楽天証券の公式サイトはこちら
本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

山本潤の10年で10倍を目指す超成長株投資の真髄
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較 おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード じぶん銀行住宅ローン SPGアメリカン・エキスプレス・カード 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

ずーっともらえる
株主優待
今から買って大丈夫?

12月号10月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

改悪・廃止を回避せよ!ずーっともらえる優待

ずーっともらえる株主優待
【スペシャル座談会】
投資歴20年超のツワモノ達が語りつくす
「株主優待のオモテとウラ」
【安心度をスコア化してランキング!】
・10年続く優待株ベスト50銘柄
【桐谷さん&優待の達人15人が推薦!】
ずっと持ちたい優待カタログ90銘柄

●ベストな買い時は?もう売るべき?
今から買って大丈夫?
タイプ1-価格が上がりすぎ!
オリエンタルランド、Jリート、金
タイプ2-価格が下がりすぎ!
ゆうちょ銀、東証マザーズ、串カツ田中
タイプ3-配当の利回り高すぎ!
JT、日産自動車、銀行株
タイプ4-赤丸急上昇の話題沸騰株!
Zホールディングス、ZOZO、楽天

残り2カ月!NISA売買戦略
・高配当株、安定成長株、10倍期待株

スペシャル対談
デヴィ夫人×本田健さん
逆境にめげずにチャンスを活かす!
「豊かな人生をつくるお金の使い方のヒント」

●自腹でガチンコ投資! AKB48「株」ガチバトル
●AKB48武藤十夢のわくわくFX生活
●株入門マンガ/恋する株式相場! 
●本誌崖っぷち部員の同時進行ドキュメント
定年退職までのロードマップ[番外編]

【別冊付録】
●FXで勝つための自動売買入門


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

【重要なお知らせ】
>>定期購読の価格改定について


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2019】 クレジットカードの専門家が選んだ 2019年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ)

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報